「えっ、そこから読むん?」
「ん?」
「最初から読むん?」
「…うん、そうだけど」
「『キャプ翼』は?」
「え?」
「『北斗の拳』は?」
「え?」
「最初から読むん?」
「…うん」
「…そうか、まっき~は、そういう感じなのか」
クラスメイトの渡辺くんは、少しがっかりしたようだった。
小学4年生のころだったか―。
学校帰りに近所の駄菓子屋に寄り、最新号の『週刊少年ジャンプ』を買った。
田舎はこういうところが多いだろう、雑誌類は「基本」置かないが、売れるからという理由で「ジャンプだけ取り寄せている」という商店が。
現在は「特む性格」「個が強過ぎる」と評されることの多い自分だが、ガキのころは「流されるタイプ」であり、べつにジャンプなんて買う気がなかった。
「買おう」といわれたから、そのとき、ポケットにたまたま小銭が入っていたから「流れで」買ったに過ぎない。
この日が、自分が初めて『週刊少年ジャンプ』を買った日。
『コロコロコミック』は買ったことがあるし、読んだこともあったが、漫画雑誌の読みかた? は初級? である。
そもそも「初めて」なので、「つづき」が気になる漫画なんかなかった。
だから、表紙を繰り、巻頭カラーから目を通し始めたのである。
結果、「読者の投稿」にあたる『ジャンプ放送局』を含むすべてのページを読んだ。
しかし渡辺くんは『キャプテン翼』『北斗の拳』『キン肉マン』を読み終えると、この3作品の再読を始めた。
なるほど、そういう読みかたもあるのか・・・漫画読みにとっては珍しくないことかもしれないが、えらく感心したことを覚えている。
さて、初めて『週刊少年ジャンプ』を読んだ感想。
総じて面白かった。
もう少しいうと、つまらないと感じる漫画はひとつもなかった。
全ページが新鮮だったからねぇ、これで定価180円とは安い! と。
これより前に、コミックスで『キン肉マン』と『Dr.スランプ アラレちゃん』だけは読んでいた。
「だけは」ということは、この2作品のことが特別気になっていたのだろう、
これらを含めて、初めて読んだ『週刊少年ジャンプ』から最も気に入った作品を挙げろといわれれば・・・
『ウィングマン』と即答する。
凝ったSFだが、物語というより絵柄が好みだったから。
出てくる女の子も可愛かったし。
1週間後―。
この日の学校帰りはひとりだったが、駄菓子屋に寄り、『週刊少年ジャンプ』の最新号を買った。
一般でいうところの「ハマった」になるのだろうか。
けれどもやっぱり、「つづきが気になる漫画」から読むことはせず、1ページ目から目を通していった。
この読みかたは、「最後にジャンプを買った日」までつづいた。
つまりは、自分はそういう読みかたが好きなタイプなのだろう。
最後に買った日は、いつだったかって?
・・・・・。
そこまでは、さすがに覚えていない。
おわり。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『Stranger Than Paradise』
「ん?」
「最初から読むん?」
「…うん、そうだけど」
「『キャプ翼』は?」
「え?」
「『北斗の拳』は?」
「え?」
「最初から読むん?」
「…うん」
「…そうか、まっき~は、そういう感じなのか」
クラスメイトの渡辺くんは、少しがっかりしたようだった。
小学4年生のころだったか―。
学校帰りに近所の駄菓子屋に寄り、最新号の『週刊少年ジャンプ』を買った。
田舎はこういうところが多いだろう、雑誌類は「基本」置かないが、売れるからという理由で「ジャンプだけ取り寄せている」という商店が。
現在は「特む性格」「個が強過ぎる」と評されることの多い自分だが、ガキのころは「流されるタイプ」であり、べつにジャンプなんて買う気がなかった。
「買おう」といわれたから、そのとき、ポケットにたまたま小銭が入っていたから「流れで」買ったに過ぎない。
この日が、自分が初めて『週刊少年ジャンプ』を買った日。
『コロコロコミック』は買ったことがあるし、読んだこともあったが、漫画雑誌の読みかた? は初級? である。
そもそも「初めて」なので、「つづき」が気になる漫画なんかなかった。
だから、表紙を繰り、巻頭カラーから目を通し始めたのである。
結果、「読者の投稿」にあたる『ジャンプ放送局』を含むすべてのページを読んだ。
しかし渡辺くんは『キャプテン翼』『北斗の拳』『キン肉マン』を読み終えると、この3作品の再読を始めた。
なるほど、そういう読みかたもあるのか・・・漫画読みにとっては珍しくないことかもしれないが、えらく感心したことを覚えている。
さて、初めて『週刊少年ジャンプ』を読んだ感想。
総じて面白かった。
もう少しいうと、つまらないと感じる漫画はひとつもなかった。
全ページが新鮮だったからねぇ、これで定価180円とは安い! と。
これより前に、コミックスで『キン肉マン』と『Dr.スランプ アラレちゃん』だけは読んでいた。
「だけは」ということは、この2作品のことが特別気になっていたのだろう、
これらを含めて、初めて読んだ『週刊少年ジャンプ』から最も気に入った作品を挙げろといわれれば・・・
『ウィングマン』と即答する。
凝ったSFだが、物語というより絵柄が好みだったから。
出てくる女の子も可愛かったし。
1週間後―。
この日の学校帰りはひとりだったが、駄菓子屋に寄り、『週刊少年ジャンプ』の最新号を買った。
一般でいうところの「ハマった」になるのだろうか。
けれどもやっぱり、「つづきが気になる漫画」から読むことはせず、1ページ目から目を通していった。
この読みかたは、「最後にジャンプを買った日」までつづいた。
つまりは、自分はそういう読みかたが好きなタイプなのだろう。
最後に買った日は、いつだったかって?
・・・・・。
そこまでは、さすがに覚えていない。
おわり。
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『Stranger Than Paradise』