Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(238)

2018-02-13 01:37:52 | コラム
まー「ち」→「ち」しぶき

かつてゴア映画(Gore Movie)と称され「低俗の極み」とバカにされていたスプラッター映画(Splatter Movie)が「その他のジャンル映画」と同じように扱われるようになったのは、80年代に「それ系」が量産され若者の支持を得てからでしょう。

「それ系」の一大特徴が、血しぶき(splash)の描写。

なおAVの世界でsplashというと「潮吹き」になってしまうので、気をつける? ように。

誇張は「過ぎる」と冷めてしまいがち。
しかし、ある一線を超えると、その刺激的な描写は「笑いをも含んだ」快楽となる。

これはAVにもいえることで(しつこい笑)、映像の特権ともいえるのではないか。

ただ悪趣味にはちがいないので、そうした描写に眉をひそめるひとは居る。

広瀬アリスが「臓器グチャグチャ系の漫画が大好き」とテレビで発言したが、それを歓迎する派と理解出来ない派に分かれたのと同じことでしょう。


受け手も、そして創り手も、それが世界のスタンダードになれ! などと思っていない。

ウチらは「こじんまり」とやっているだけだから、規制だけはしてくれるな・・・そんな気持ちなのだと思う。


自分?

大好物ではないが、好物ではある。

表現の追究という意味で、とっても冒険していると評価出来るから。


以下、ホラーのジャンルに縛られない「血しぶき描写の優れた映画5傑」。


(1)『椿三十郎』(62…トップ画像)

黒澤の一大特徴は、デフォルメだったりする。

けれども。
三十郎のようにひとを斬ったことがないので、実際にはどうなのかを知らない。

場合(角度とか? 切れ味とか?)によっては、あんな風になるのかもしれない。

(2)『ブレインデッド』(92)

これぞ、前述した「笑いをも含んだ」快楽。



ぐっちゃぐちゃが過ぎて、なにが起こっているのか分からない。


ピーター・ジャクソンの本質が「未だ」ここにあると思っている自分は、現在の「落ち着いた巨匠感」に物足りなさを抱いていたり。

(3)『死んでもいい』(92)

大竹しのぶと永瀬正敏が、室田日出男を(浴室で)殺害するシーン。


石井隆監督は、夜と雨とネオン、そして血の画家と呼ばれている。

この映画を観れば、誰もが納得するのではないか。

(4)『死霊のはらわた』(81)

邦題からして、観るひとしか観ないだろうが。

大量の血のりを使用する時点で手間がかかるはずなのに、スプラッター映画の基本は低予算なんだよね。

そこがなんか、とっても面白い。

(5)『キル・ビル』(2003)

『椿三十郎』のクライマックスを早送りにして、それが延々とつづくような殺陣の描写。




やるなら徹底してやらなきゃ、、、ね!!

(次点)『キャリー』(76)

厳密にいえば。
というか、広義の意味で捉えても「血しぶき」とはいえないが。

血(初潮)で始まり、豚の血で終わる物語なので。


次回のしりとりは・・・
ちしぶ「き」→「き」っちん。

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明日のコラムは・・・

『無題のままでは進めません』
コメント (2)
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