Cape Fear、in JAPAN

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にっぽん女優列伝(121)桑野みゆき

2019-06-08 00:10:00 | コラム
42年7月17日生まれ・76歳。
横浜出身。

顔の作りでそう見えてしまうのか、桑野みゆき(くわの・みゆき)さんはどの映画でも不機嫌そうな感じがします。

苦手と思ってしまうひとも居るでしょうが、なんかちょっと気になる存在だなぁと感じるひとも多かったのではないでしょうか。

自分がそうで、それはたぶん桑野さんを起用した監督たちも「それが狙い」だったような気がします。

オオシマや黒澤、小津、川島雄三、篠田正浩に野村芳太郎、山田洋次、五社英雄…当時精力的に映画を発表していた監督には「もれなくいちどは」起用されていたという事実が、それを証明しているのではないでしょうか。。。



<経歴>

現在は引退し一般人として暮らす。

母親は、女優・桑野通子。

※人気が出そうな雰囲気ありますね!!



10代前半より子役として活躍する。

実質的な映画俳優デビュー作は、55年の『柿の木のある家』。
壺井栄の小説を原作とした、上原謙&高峰三枝子の主演作です。

『飢える魂 正・続篇』(56)、『土砂降り』(57)、『彼岸花』(58)。

転機が訪れるのは60年―。

『秋日和』(60)、『恋人』(60)、『波の塔』(60)などの正統派? に出演しつつ、オオシマと出会い『青春残酷物語』と『日本の夜と霧』でタッグを組む。

とくに前者は鮮烈で、


無軌道に生き、破滅へと突き進む男女カップル(相手役は川津祐介)を熱演、一気に名前が知れ渡りました。

「松竹ヌーヴェルバーグの先駆け」とされていますが、前作を不当に扱われた(=すぐに打ち切りにされた)と解釈したオオシマが、スタジオへの怒りをダイレクトに表現した作品といわれています。

松竹映画に喧嘩を売ることの出来る映画監督―かっけー! ですよね。


どのくらいの反響があったかというのは、その後の桑野さんのキャリアで一目瞭然です・・・

『三味線とオートバイ』(61)、『恋の画集』(61)、『山河あり』(62)、『千客万来』(62)、『愛染かつら』(62)、『あの橋の畔で 第1部・第2部・第3部・完結篇』(62~63)、『ローマに咲いた恋』(63)、『夜の片鱗』(64)、『馬鹿まるだし』(64)、『三匹の侍』(64)、『日本脱出』(64)、『甘い汗』(64)、『孤独』(64)、『ぜったい多数』(65)、『さよならはダンスの後に』(65)、『大根と人参』(65)、『赤ひげ』(65)、『アンコ椿は恋の花』(65)、『あの娘と僕 スイム・スイム・スイム』(65)、『暖春』(65)、『夜霧の慕情』(66)、『命果てる日まで』(66)・・・などなど、多数の話題作に出演。


67年、結婚を機に引退。
同年の『堕落する女』が最後の映画作品となり、スクリーン復帰することなく現在に至ります。


そういえばイマヘイ今村昌平と組んでいないですね。
吉村実子っぽい雰囲気がありますので、いちどくらいタッグ作が観たかったなぁ・・・。


次回のにっぽん女優列伝は、小池栄子さんから。

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明日のコラムは・・・

『10%になる前に』
コメント (1)
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