Cape Fear、in JAPAN

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にっぽん女優列伝(153)菅井きん

2019-11-28 00:10:00 | コラム
26年2月28日生まれ・2018年8月10日死去、享年92歳。
東京出身。

ガミガミいうけど愛嬌があって憎めない、中村主水(藤田まこと)の姑を演じつづけた菅井きん(すがい・きん)さん。

※ムコ殿!




自分と菅井さんの出会いは(ほとんどのひとがそうであったように)テレビドラマ『必殺!』シリーズ(73~、朝日放送)でしたが、
その後、テレビ番組の再放送であったり、名作映画などで菅井さんの別の面を知って何度も驚かされました。

たとえば『太陽にほえろ!』(72~86、日本テレビ)における、ジーパン(優作)の母親タキ。

たとえば黒澤の傑作『生きる』(52)の、陳情する主婦のひとり。



本作における「名もなき主婦たち」の存在はとてつもなく大きく、それは、線香をあげにくるシーンを観れば誰もが納得することでしょう。


主演することはほとんどなかった脇役の人生―しかし何遍もいいますが、こういうひとの存在が映画に深み厚みを与えるのですよね。


※懐かしい…というか、自分の年齢では初めて触れるCMも多し



<経歴>

死ぬまで愛煙家だったことでも有名。

少女時代より女優に憧れ、終戦後「劇団俳優座」に入団する。
父親には「女優とは美しい女性のための職業」といわれ、最後まで分かりあえなかったそうです。

映画俳優デビュー作は、51年の『風にそよぐ葦』。


以下、代表作をドドドっと。


『生きる』(52)、代議士を演じた『ゴジラ』(54)、つづいて婦人議員を演じた『愛のお荷物』(55)、『幕末太陽傳』(57)、『張込み』(58)。

黒澤に川島雄三に野村芳太郎に…って、大人気ですね!!


【60年】
『秋立ちぬ』『路傍の石』『女が階段を上る時』『悪い奴ほどよく眠る』『黒い画集 あるサラリーマンの証言』

【61年】
『豚と軍艦』『大学の若大将』『女ばかりの夜』

【62年】
『キューポラのある街』『放浪記』

【63年】
『天国と地獄』『雨の中に消えて』『白と黒』『女の歴史』

【64年】
『われ一粒の麦なれど』『風と樹と空と』

【65年】
『怪談』『赤ひげ』『けものみち』

【66年】
『エロ事師たちより 人類学入門』

【68年】
『不信のとき』『みな殺しの霊歌』『肉弾』

【70年】
『野獣都市』『どですかでん』『無常』

【71年】
『曼陀羅』『まむしの兄弟 お礼参り』

【72年】
『人生劇場 青春・愛欲・残侠篇』『忍ぶ川』『黒の奔流』『人斬り与太 狂犬三兄弟』

【74年】
『ザ・ドリフターズの極楽はどこだ!!』『砂の器』『サンダカン八番娼館 望郷』『新仁義なき戦い』

【75年】
『絶唱』『神戸国際ギャング』

【76年】
『やくざの墓場 くちなしの花』

【77年】
『トラック野郎・度胸一番星』『江戸川乱歩の陰獣』『八甲田山』

【79年】
『復讐するは我にあり』『月山』


『日本の熱い日々 謀殺・下山事件』(81)、『炎のごとく』(81)、『遠野物語』(82)、『幻の湖』(82)、『序の舞』(84)、『お葬式』(84)。

映画版の『必殺!』にも全出演。

『必殺! THE HISSATSU』(84)
『必殺! ブラウン館の怪物たち』(85)
『必殺! III 裏か表か』(86)
『必殺4 恨みはらします』(87)
『必殺!5 黄金の血』(91)
『必殺! 主水死す』(96)


『薄化粧』(85)、『植村直己物語』(86)、『火まつり』(87)、『ハチ公物語』(87)、
『あげまん』(90)、『仔鹿物語』(91)、『超少女REIKO』(91)、『四万十川』(91)、『仔鹿物語』(91)、『さくら』(94)、『深い河』(95)、『機関車先生』(97)、『あの、夏の日』(99)、
『川の流れのように』(2000)、『化粧師 KEWAISHI』(2002)、『理由』(2004)、『黄色い涙』(2007)。

2008年―『ぼくのおばあちゃん』で「初」主演を果たす。
御年82、キャリア57年にして初めての主演映画。

すばらしー!!


しかし『瞬 またたき』(2010)や『春との旅』(2010)の撮影を終えたあたりで自宅で転倒、怪我を負ってしまいます。
リハビリに励むも、本人は俳優復帰は諦めていたとか?

そして。
2018年8月10日、心不全のため死去。
享年92歳でした。


いちばん驚いたのは『天国と地獄』ですかね。
オープニングで「けっこう大きめに」クレジットされたので、どこで出てくるか? と注目していたのですけど、1度目の鑑賞では発見出来ず。

2度目の鑑賞で、あ! 麻薬患者だったのね・・・苦笑 と。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(154)杉咲花』
コメント
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