Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(310)

2019-11-15 00:10:00 | コラム
け「り」→「り」ぶーと

リブート(reboot)とは、再起動のこと。
映画でいうリブートは、リメイクと混同されることが多いが、似て非なるもの。

多少のちがいは認められるものの、大筋が(もとになる作品と)同一のものをリメイクと呼び、
もとになる作品で作られた制約、約束事などに縛られない作品をリブートと呼ぶ。

『七人の侍』(54)と国も時代も違うものの大筋が同一といえるのは『荒野の七人』(60)、だから「ぎりぎりではあるものの」リメイク、
そのリブートが『マグニフィセント・セブン』(2016)というわけ。

もとになった作品の責任者に許可を取らなければ、『荒野の用心棒』(64)のように裁判沙汰になる―という点では共通しているけれど。

尤もデ・パルマのように、どう考えてもヒッチコックの関係者に許可を取って「いなさそう」なひとも居れば、
QTのように、もとになった作品に光を当てる「逆転現象」が起こることもあって、盗った盗られただけの視点で捉えるわけにもいかないが。


以下、個人的に忘れ難いリブート作品と、その「もとになった作品」5選。


『ダークナイト』(2008)→『バットマン』(89)

スマッシュヒット中の『ジョーカー』も、リブートを経過したあとだからこそ制作されたのでしょう。




『インクレディブル・ハルク』(2008)→『ハルク』(2003)

自分が想像していた「緑の巨人」は、2003年版のほうにちかいのだけれども。。。

ただ、この5年でどれだけ特殊効果の世界が進化したのかを確認することは出来る。




『猿の惑星:創世記/ジェネシス』(2011)→『猿の惑星』(68)

物語の膨らませかたとして、とっても上手。

そうだよね、なぜ自由の女神があんな感じになってしまったのか、みんな興味を抱くもの。


『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)→『マッドマックス』(79)

この5選のなかで唯一、監督が同一人物。

シンプルな創りのオリジナルを愛するファンも多いが、いやいやリブート版も、装飾だけが賑やかで、中身はとってもシンプルだった。




『キャリー』(2013)→『キャリー』(76)

演出は派手だしクロエもジュリアン・ムーアも熱演している。
しかし、物語が嘘っぽくなった。

リアルを目指した「血」でさえも、なんか嘘っぽい。

期待していたぶん失望も大きく、そういう意味で忘れ難い作品に。




次回のしりとりは・・・
リブー「ト」→「と」けいとう。

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明日のコラムは・・・

『一瞬の芸術~19年度総括(5)~』
コメント
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