Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画スタッフ別10傑(30)木村大作

2021-09-11 02:03:58 | コラム
~木村大作のキャリア10傑~

日本で最も知名度の高い撮影監督といえば、木村大作82歳かもしれない。

おっと訂正。
いや「それは事実」なのだけれど、そうでなくって「撮影監督」という呼び名、これを本人が嫌っていて「撮影者」を自称しているのでした。

曰く「現場に、ふたりの監督は要らない」。

なるほどね!!

(大作だけに!)大作が似合うひとで、現場が困難であればあるほど燃えるタイプ。
黒澤も認める技量の持ち主であるいっぽう、批評家の蓮實重彦は一切認めない。

まぁこのあたりは、蓮實さんらしいというかね苦笑


(1)『復活の日』(80)



コロナによって再注目されている映画。

深作欣二の映画としてはけっして成功作とはいえないけれど、撮影をはじめとするスタッフワークは超一流で見るべきところ多し。


(2)『八甲田山』(77)

演者はもちろん、現場に立ち会ったものすべてにとって難儀な撮影だったもよう。

繰り返すが、だからこそ燃える「撮影者」って、やっぱりどうかしている。
(もちろん褒め言葉)



(3)『日本沈没』(73)

自分にとって、ガキのころのトラウマ映画になったパニック大作。


小松左京による大胆な物語をきっちり再現した佳作で、再評価があってもよいのでは?


(4)『華の乱』(88)

吉永小百合が与謝野晶子を、松田優作が有島武郎を演じる文芸映画で、これを深作欣二が演出していることに驚く。

一般的評価は低めだけど、この雰囲気は嫌いじゃない。


(5)『誘拐』(97)

城戸賞受賞作の映画化。

都心をひたすら走る渡哲也を捉えるカメラ―もっと、話題になってもよかったはずなのになぁ!!


(6)『鉄道員』(99)

雪が似合うのは健さんだけじゃない、この「撮影者」だってそうで。


(7)『ブルークリスマス』(78)

倉本聰による脚本を岡本喜八が映画化した、社会派SF。

倉本脚本にしては綻びが散見されるが、失望よりも、こういう真面目そうなひとのなかにもパンク精神があったのか!という新鮮な驚きと喜びがそれを上回る。



(8)『駅 STATION』(81)

高倉健と、いしだあゆみと、倉本聰と、降旗康男と、北海道と、そして木村大作と。

誰かひとりでも欠けてちゃいけないのだろうな…。


(9)『単騎、千里を走る。』(2006)

チャン・イーモウ監督作、日本パートの撮影を担当。

イーモウからのオファーというより、ひょっとしたら健さんからの「お願い」だったのかも。


(10)『劒岳 点の記』(2009)

満を持しての初監督作品。
もちろん、撮影も兼任です。


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明日のコラムは・・・

『速過ぎるA.I.』
コメント
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