Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

『空白』と、『聖なる犯罪者』と。

2021-09-26 00:10:00 | コラム
あと3か月あるので断定は出来ないが、なんとなく、今年の映画ベストテンの上位が固まってきた。

その筆頭がポーランド産の『聖なる犯罪者』、


そして、公開されたばかりの日本映画『空白』。


どちらも犯罪を背景にしている。

後者のほうは「始まりは軽犯罪」かもしれないが、結果的にひとが死んでしまい、主題は「それから」にある。

きっかけは万引き。
自分はガキのころムダに万引きを繰り返し、しかし後年、万引きGメン(正式名称は私服保安員)として働くなどしており、妙な表現になるけど、万引きに関しては一家言を有している。

Gメンとしていえば、沢山居ても困るが居ないのも困る。
店舗から契約を切られてしまうからね。
興味本位で始めた仕事でも、やっているうちに責任感みたいなものも芽生え、「俺が警備しているあいだは好きなようにはさせないぞ」と思うようになる。

とはいえヒーロー気どりなところもあった。
かわいい店員さんによいところ見せたいとかね、あと店長に感謝され褒められるのは純粋にうれしいし。

仕事のありかたとしては、まぁこのへんが落としどころ?かなぁと。

ただ店舗側はたまったものではない。
店が潰れることだってあるわけで。

しかし万引き犯を追いかけたら、ソイツが逃走中に事故に遭い死んでしまった。
10年くらい前だったかな、実際に起こった書店におけるトラブルを想起してしまうよね。

書店は大バッシングを受け、閉店に追い込まれた。

軽犯罪の被害者が加害者を死なせてしまったために罪と罰が反転し、加害者として責められる不条理。


この2本の傑作に触れて。
現実に起こった出来事から、もしこうなったらどうだったろうか? ということがまず浮かんで、物語は生まれる―みたいなことを思い出した。

ホラーやコメディにしたってそうで、まったくの想像で創られたものは「ほぼほぼ」ないといっていい。

そんなこと考えずに観ていたい―というひとが多いのも分かるが、
自分は強引にでも現実と結びつける鑑賞法を身に着けてきた、ゆえに、こういう題材が大好物なのでありました。。。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(391)』
コメント (1)
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