Cape Fear、in JAPAN

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映画スタッフ別10傑(32)篠田昇

2021-09-25 00:10:00 | コラム
~篠田昇のキャリア10傑~

篠田カメラマンの訃報にショックを受けたひとは多いでしょう。

※遺影が本人


自分もそのひとり。
52歳だったんだもの、まちがいなく、このあとに関わる映画たちで円熟期に突入したはずで。

日大芸術学部卒、相米や岩井俊二の作品で撮影を担当、彼らの映画を「特別にすること」に最も貢献したひとだったろう。


(1)『リリイ・シュシュのすべて』(2001)

岩井俊二、前期の終わりを告げる集大成的作品。

田園を、最も美しく捉えた日本映画かもしれない。




(2)『undo』(94)

緊縛をテーマとした岩井俊二の中編。


自分の趣味かもしれないが、岩井俊二って短編・中編のほうが巧い気がするんだけどね。


(3)『ラブホテル』(85)

相米慎二監督作。

アシスタントを経た篠田が、初めて撮影監督を担当した作品。


(4)『四月物語』(98)

ねっ、これもそうだし、やっぱり岩井俊二には(ほかの監督には注文しないことだけど)もっともっと短編・中編を撮ってほしいなと。


(5)『夏の庭 The Friends』(94)

相米慎二の柔らかな演出と、篠田による瑞々しい映像により、この物語がずっとつづいてほしいと思ってしまう。



(6)『ワールド・アパートメント・ホラー』(90)

大友克洋、満を持して実写映画に殴り込みをかける!

も、期待値が高過ぎて失望するファンも多かったよね。

そこを考えずに観れば、まぁつまらないというほどではなかったが…。



(7)『スワロウテイル』(94)

どれだけ多国籍感を出せるかがキモになる映画だったが、セットはもちろん、篠田映像がそこを補強してこその成功だった気がする。


(8)『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)

篠田の遺作。

物語は好きになれないが、映像は文句なしに素晴らしい。



(9)『クロエ』(2001)

90年代~2000年代前半にかけて、精力的に活動していた利重剛(いま、どうしている?)の監督作。


(10)『噛む女』(87)

キャリア初期に、神代辰巳とも組んでいた。

ふたりがもう少し長生きしていたら、あと数本はタッグ作が拝めたと思う。

あらためて合掌。


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明日のコラムは・・・

『『空白』と、『聖なる犯罪者』と。』
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