Cape Fear、in JAPAN

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令和版・海外俳優列伝(47)F・マーレイ・エイブラハム

2023-01-11 00:10:00 | コラム
39年10月24日生まれ・83歳。
アメリカ出身。

エイブラハムといえば、やっぱり『アマデウス』(84)。


20世紀の映画表現における、ある意味での到達点かと。

映画のなかでは嫉妬深いサリエリを演じてましたが、オスカー授賞式のスピーチでは、こんな感動的なことばを発しています。

「残念なのは、私の横に(モーツァルトを演じた)トム・ハルスが立っていないことだ」…そう、ふたりとも主演賞にノミネートされていたのですねぇ!



<経歴>

演者としての出発は舞台から。

映画俳優デビュー作は、73年のアル・パチーノ主演作『セルピコ』。

『大統領の陰謀』(76)などの名作にも顔を出していますが、70年代は端役がつづきます。

83年―デ・パルマの快作『スカーフェイス』で、敵にまわすと厄介なチンピラを怪演しインパクトを残す。


ひょっとしたらデビュー作で知り合った、パチーノのプッシュがあったのかもしれませんね。

そして翌年の『アマデウス』により、この年のほとんどの演技賞をかっさらう。

友人曰く「アカデミックなイメージがあって、なかなか観ようという気が起きなかった」。

なるほどなぁ、それはじつにもったいない。
この映画は教科書的な自伝ではなく、神とヒトの対峙を描く、、、といっても堅苦しくない、なにかを目指したことあるひとならきっと、いや、なにかを目指したことがないひとにも響くであろう普遍のドラマが展開されるのです、未見のひとが居たらぜひ観てほしい!!



以降も『薔薇の名前』(86)や『風の惑星/スリップストリーム』(89)、
『虚栄のかがり火』(90)、『モブスターズ/青春の群像』(91)、かと思えばしょーもなくも憎めないパロディ『ローデッド・ウェポン1』(93)やシュワ氏の『ラスト・アクション・ヒーロー』(93)にも登場、
アレンの『誘惑のアフロディーテ』(95)、『革命の子供たち』(96)、『ミミック』(97)などで主演を張ることはないけれど、画面をバシッとしめる重厚演技を魅せてくれています。

21世紀以降の代表作としては・・・
『小説家を見つけたら』(2000)、『13ゴースト』(2003)、
コーエン兄弟の傑作『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(2013)、『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014)あたりか。

さすがに高齢なのでアクティブなキャリアは築けていませんが、2021年の『闇はささやく』でも健在ぶりを披露。

長生きしてくださいね、マエストロ・サリエリ!!

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明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(48)エミリオ・エステヴェス』
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