Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(469)

2023-08-13 00:10:00 | コラム
く「じょー」→「じょー」じぴーこすとます

作家主義ではない、いわゆるジャンル監督は忘れられていく傾向が強い。

たとえばジョン・バダム。
『サタデー・ナイト・フィーバー』(77)や『ウォー・ゲーム』(83)、『ブルーサンダー』(83)などでスマッシュヒットを記録、
地上波で洋画劇場が放送されているころはヘビロテされていた映画は多いのに、作家性を読み解くことに意味がないひと???なので、現代の映画ファンで「バダムが好き」と公言するひとは皆無だろう。

ジョージ・P・コスマトスも、同様に不遇といえば不遇の監督。
見た目はデ・パルマ的というか、バリバリ作家性が濃そうなのだけれどね!!


細菌の恐怖と列車アクションを融合させた『カサンドラ・クロス』(76)は、

「かなりの期待の星」であったのか、ソフィア・ローレンやリチャード・ハリス、マーティン・シーンにバート・ランカスター、挙句にアリダ・ヴァリ(!!)まで集結したオールスター映画。

シンプルに面白かったし、残酷な結末に唖然としてインパクト大でしたなぁ!!

『ランボー』の続編「怒りの脱出」(85)をソツなくまとめてスライの信用を得て、


『コブラ』(86)でもスライの世界観を構築。
批評的な面では惨敗だったものの、まあまあのヒット。



アクション演出における実力はまちがいなく水準以上、
コスマトスのようにデビューした後輩がジョン・マクティアナンで、スライのライバルだったシュワ氏を起用した『プレデター』(87)、そしてアクション映画の潮流を変えたとまで評される『ダイハード』(88)で人気監督となり、しかしこのひとの場合は作家性にまで言及する識者が多く、虚偽の罪で収監されて以降も待望論が根強い。

このちがいは、なんだべか・・・。

89年の深海スリラー『リバイアサン』、


西部劇の『トゥームストーン』(93)も悪くなかったのになぁ、いま「コストマスが好き」とだけいってピンとくる映画ファンは希少でしょう、「ほら、あの『カサンドラ・クロス』の…」と説明する必要がある。


自分はもちろん「作家主義の監督を愛するもの」だが、スタジオやスターの要求どおり「きっちり創ってみせる職人」も正当に評価される世の中であってほしいなぁ。。。


あすのしりとりは・・・
じょーじぴーこすとま「す」→「す」とっくほるむしょうこうぐん。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(470)』
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