Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

にっぽん女優列伝(2)蒼井優

2017-02-13 00:10:00 | コラム
85年8月17日生まれ・31歳
福岡出身。

公式サイト


随分前の話ですが・・・
エッセイストの中村うさぎが『新潮45』の連載で、「若い女性のあいだで、女優の蒼井優が“ブサかわいい”として人気らしいが、なにその上から目線!?」と吠えていたことがありました。

蒼井優(あおい・ゆう)ちゃんは、アンタラなんかより、はるかに可愛いから! という主張ですが、うさぎさんらしくて笑っちゃった。


『リリイ・シュシュのすべて』(2001)でデビューし、その後のキャリアに驚いた俳優がふたり。

主演の市原隼人くんと、蒼井ちゃんです。

隼人くんは、いじめられっこタイプのおとなしい子を演じました。
ひじょうに印象的なキャラクターだったため、本人もそんな感じなのだろうと思ったひとも多かったはず。

そのイメージがつくのを恐れて、、、かどうかは分かりませんが、隼人くんは努めて「男気!」キャラを強調するようになります。

反動といえばいいのでしょうかね、そういう意味では岩井俊二監督を恨んだかもしれません。

蒼井ちゃんは、正直、ここまで売れっ子になると思っていなかったというか。

光るものは感じさせましたが、彼女がデビューしたころ、すでに同い年の宮崎あおいが「映画界を救う女優」として祀り上げられていたため、それほど注目していなかったのです。

ごめん蒼井ちゃん!!




<経歴>

10代目リハウスガール。
堀越高校卒業。

14歳のころ、ミュージカル『アニー』の脇役として本格デビューを飾る。

映画俳優デビュー作は、2001年の『リリイ・シュシュのすべて』。
売春する、ちょっと暗めの中学生を好演。

前述したように、当初は宮崎あおいの陰に隠れていたというか。
あおいちゃん主演作『害虫』(2002)では、クラスメイトを演じていましたしね。

しかし『花とアリス』(2004)から大人びてきて、独特な魅力を放つようになります。

『海猫』(2004)、『ニライカナイからの手紙』(2005)、『亀は意外と速く泳ぐ』(2005)、『星になった少年 Little Randy and Shining Boy』(2005)、『変身』(2005)、『男たちの大和/YAMATO』(2005)。

最大の転機は2006年。
『ハチミツとクローバー』を経て、『フラガール』でヒロインを熱演する。

これで知名度がグンと上がり、メディアへの露出も増えていきました。


『蟲師』(2007)、『クワイエットルームにようこそ』(2007)、『人のセックスを笑うな』(2008)、『明日への遺言』(2008)、『百万円と苦虫女』(2008)、『ホノカアボーイ』(2009)、『おとうと』(2010)、『FLOWERS ―フラワーズ―』(2010)、『雷桜』(2010)。
『るろうに剣心』(2012)と、ふたつの続編『京都大火編/伝説の最期編』(2014)で高荷恵を演じる。

『ヴァンパイア』(2012)、『東京家族』(2013)、『春を背負って』(2014)、『岸辺の旅』(2015)、『家族はつらいよ』(2016)。

ド直球の山田洋次に好かれつつ、インディーズにもきっちり顔を出す。
こういうひとは、強いです。

そして個人的にベストと思っている『オーバー・フェンス』(2016)で大熱演し、



最新作『アズミ・ハルコは行方不明』(2016)でも好調をキープ。

劇場公開予定作も目白押しで・・・
『家族はつらいよ2』(5月)、『東京喰種』(夏)、『彼女がその名を知らない鳥たち』(秋)が控えています。


今後も楽しみな、ホンモノの映画女優さんですね。


次回のにっぽん女優列伝は、赤木春恵さんから。

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『読む映画』
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にっぽん女優列伝(1)相武紗季

2017-02-12 00:10:00 | コラム

85年6月20日生まれ、31歳。
兵庫出身。

公式プロフィール


新連載の1発目は、相武紗季(あいぶ・さき)さんの登場。

珍しい名前なので、デビュー直後すぐに覚えました。
・・・が、思春期はおそらく「愛撫」にかけて、クラスメイトの男子にからかわれたのではないでしょうか。

映画のキャリアは少ないですし、正直、それらの作品も成功しているとはいい難いです。
個人的に最も印象に残るのは、美肌を晒しているビオレのCMですし、



女優さんというよりはタレントさんのイメージが強い。

結婚したばかりの31歳、女優キャリアはこれから伸びていくのでしょうね。

<経歴>

母・姉とも宝塚歌劇団に在籍していた、じつは芸能一家。

2002年―高校野球好きが高じて、「夏の高校野球PR女子高生」に応募し代表に選出される。




このPRビデオを観たマネージャーがスカウトし、芸能界入りを果たす。

2003年、フジテレビのドラマ『WATER BOYS』で女優デビュー。

映画俳優デビュー作は、2004年の『茶の味』。

『ビートキッズ』(2005)で初主演、
『ゴールデンスランバー』(2010)、『NECK』(2010)、『恋するナポリタン 世界で一番おいしい愛され方』(2010)、『カノジョは嘘を愛しすぎてる』(2013)などに出演するも、正直、彼女の演技は印象に残りませんでした。

可愛いんだけどな、映画的な新鮮さといいますか、そういうものに欠けている気がしました。
CMのイメージどおり、、、みたいな。

13年、語学勉強のために米国へ短期留学をする。

最新作は公開中の『恋妻家宮本』(2017)ですが、これは映画として、あんまり面白くありませんでした。

せっかくの米留学、映画に活かしてほしいものですね。

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夭折の10人

2017-02-11 05:24:20 | コラム
さすがに驚いた、エビ中・松野莉奈ちゃんの急死は。

享年18歳、
若いひとが死ぬたびに書いているが、まだ「おつかれさん」と声をかけるべき年齢に到達していないわけで。



所属事務所の発表によると、死因は「致死性不整脈の疑い」だという。

よく分からないが、こんなこともあるのだよなぁ、、、と。


きょうは、自分にとっての「あまりにも早過ぎる死」10人のケースを展開したい。

趣味がいいコラムとはいえないし、なんだかネタにしているような気さえするが、折に触れて言及することにより、彼・彼女の名前はきらきらしつづけるものだからね。


(1)リヴァー・フェニックス、俳優…トップ画像

享年23歳、ヘロインとコカインの過剰摂取による心不全で死去。

尾崎が死んだ翌年のことで、有名人とドラッグと死のイメージが自分のなかで出来上がった。

当時の若手スターのなかで、演技力は頭ひとつ抜きんでていた・・・だけに、そーとーショックだったんだ。

(2)高橋良明、アイドル

享年16歳、交通事故死。



基本的に男性アイドルには興味ないが、彼は当時、所ジョージ・植木等と共演したバラエティ・ドラマ『オヨビでない奴!』(TBS)に主演していて、とっても面白かったので好感を抱いていた。

(3)岡田有希子、アイドル

享年20歳、自死。

芸能史に残るインパクト。

(4)ジェームズ・ディーン、俳優

享年24歳、事故死。

死にかたは異なるが、憂いを帯びた演技といい、暗い感動を覚える主演作といい、自分の世代でいうリヴァーのような存在であったかと。

(5)シド・ヴィシャス、ベーシスト

享年21歳、ドラッグの過剰摂取で死去。



自分がシドを知ったときには、シドはこの世に存在していなかった。

そして、日本にやってきたピストルズのボーカル・ライドンをこの目で見たとき「…あれ、ダサいかも」と感じてしまった。

けれどもCDで聴く彼らは、やっぱり格好いい。

(6)レミギウス・モリカビュチス、格闘家

享年34歳、射殺される。



去年の大晦日、スカ勝ちした所英男のマイクパフォーマンスにて、その死を知った。

祖母が苦しむ老人性骨粗鬆症の治療のために、格闘技を始める。

どんな状況で射殺されたのか分からず、そのために彼の死を、きちんと受容出来ないのだった。

(7)カート・コバーン、ミュージシャン

享年27歳、自死。

リヴァーが死んで、半年後の出来事。

洋楽好きの友人の何人かは、ほんとうに泣いていた。




(8)桃井望、AV女優

享年24歳、無理心中(と、されている)。

ロリコン系女優として、一時代を築く。



事故(事件?)を知ったあと、弔いのために・・・と思ったが、悲惨過ぎて、彼女のビデオを観ることが出来なかった。

(9)芥川龍之介、作家

享年35歳、自死。

無駄が一切ない傑作短編の数々を読むと、もったいない、もったいない!! と思う。

(10)ブランドン・リー、俳優

享年28歳、事故死。

空砲のはずの撮影用の銃のなかに実弾が入っていて、それが発射されてしまうという不思議。

あんまりな展開だから、未だ陰謀説を信じているひとも居る。
(ついでにいえば、父親の死も不可思議なものだったとされている)

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マクドナルドと、ごちそうさま。

2017-02-10 00:10:00 | コラム
ミスター・ピンク「マクドナルドでチップは出さないだろう? あっちで出さず、こっちで出す。馬鹿げてる!」

映画『レザボア・ドッグス』(92)より

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三大牛丼チェーンといえば、すき家・吉野家・松屋。

肉食というより「肉専」を自称している自分は、いずれの店もよく利用しており、週1~2回はカウンターに座って肉を喰らっている。

内訳でいうと・・・
松屋7割、すき家2割、吉野家1割か。

けれども牛丼を食べるのは、月に1度か2度程度。

最もよく行く松屋で、牛丼を「ほぼ」頼まないのである。

いっつも「カルビ焼肉定食のWセット+豚汁変更」で、会計は1100円くらいだったかな。




じつは松屋の牛丼の味は好きじゃない、単に定食目当てで利用するだけ。

「牛丼食べたい!」となったら絶対に、すき家に行く。

吉野家に関しては、ちかくに松屋・すき家がなかった場合にのみ利用すると。


で、先日、そんなシチュエーションに出くわした。

外出時―。
遅めの朝飯を取ろうと思い、松屋・すき家を探したが、見当たらない。

目の前に吉野家「だけ」ある。

でも牛丼ではなく、肉の定食が食べたい。

吉野家にもカルビ定食があるけれど、写真を見るかぎりボリュームないし、美味しそうではないのだよな~。



・・・・・。

まぁいいか、いちど試してみようじゃないの。

店に入って、注文を済ませる。

ベテランのおばさん店員が、新人アルバイトの中国人3人に指示を出している。

それぞれに別々の指示を出しているはずなのに、Aくんに指示したことをB・Cくんも一緒になってやるから、なんかワチャワチャしていて見ているぶんには面白い。
それに気づくと、おばさん店員は注意をするから調理の手が止まる―客は自分ひとりだが、けっこう待たされるかもな・・・まぁいいや、べつに急いでいるわけでもないし。


ところで。
自分がそう思い込んでいるだけかもしれないが、歯の大部分を差し歯にして以降、味覚が変わったような気がしている。

「より」鈍感? 馬鹿? になったというか。

基本、なにを喰っても美味いと感じるようになった。

不都合があるわけじゃない、むしろ好都合かもしれない。


そんな自分が、、、である。

吉野家で出されたカルビ定食を、はっきりと美味しくないと感じた。

自分の味覚レベルを考えると、これはそーとーヤバいことなんじゃないだろうか。


ネガティブな感情のほうが「上回った状態」(=しょうがない、吉野家でいいか)で入店したのにも問題があったのかもしれない。

おばさん店員が、手を止めちゃっていたからかもしれない。

とか、いろいろ考えたけれども。


それでも残さず食べたさ、出されたものは残さない主義だからね。

で、きちんと、大きな声で「ごちそうさまでした」といって店を出た。


きょうのテーマは、じつは、この「ごちそうさま」にある。


どれだけ不味かろうが「ごちそうさま」を忘れない男でありたい―そう思って生きてきたので、大衆居酒屋であってもファミレスであっても「ごちそうさま」をいってから店を出る。

自己統計(東京・神奈川)だが・・・
松屋の朝食時に関しては、「ごちそうさま」をいって店を出る客は3割弱。

多くはないが、少ないとも思わない。

だいたい、こんな感じなのだろう。


だが、しかし。
「ごちそうさま」を心がけている自分でも、マクドナルドで同じことが出来るかというと、これがなかなかに難しい。

松屋もマックも、同じファストフードのはずなのに!!


引用した『レザボア』のミスター・ピンクではないが、マックって、ほかの店とちがう感じがするから、、、なのかな。

・・・・・。


「ごちそうさま」マスターを自称するには、まだまだアマチャンなのかもしれない―そんな話である。





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『夭折の10人』
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昔の名前で出ています

2017-02-09 00:10:00 | コラム
映画のなかで、あるキャラクターが、「ほかの映画」や「その映画に登場するキャラクター」に言及することは多い。

「ランボーみたい!」とか、「ダーティハリーかよ!!」ってね。

監督の趣味によるものだろうが、自分が書くシナリオもその傾向があり、そういったポップカルチャー的要素をふんだんに盛り込むと、よく師匠から「物語にとって、遮蔽物でしかない」と叱られたっけ。

QTタランティーノの出現によって、そういった手法も市民権? を得ることが出来た。

けれども覚悟を持って用いないと、「QTの亜流だ」と一蹴されてしまうので、映画を学ぶ学生諸君は気をつけましょう。


きょうは、映画のキャラクター名「ではなく」、「実在する人物」に言及する映画をピックアップ。

これまた数が多いので、10本に絞るのが難儀だった。

以下は、そのなかから厳選した、とくに印象に残る10傑である。


※我流の翻訳なので、字幕スーパー版や日本語吹き替え版とは異なった台詞になっています


(1)『セブン』(95)

刑事ミルズ「―世の中、変わったヤツが多い。ジョディ・フォスターの声を聞いて、レーガンを撃ってしまうヤツだって居るんだ」

(2)『ダイハード』(88)

ハンス「ジョン・ウェインを気取っているのか?」
マクレーン「ロイ・ロジャースが好きだった」

(3)『桐島、部活やめるってよ』(2012)

前田「先生、ロメロ知らないんですか? ジョージ・A・ロメロ」

(4)『レザボア・ドッグス』(92)

ミスター・ブルー「マドンナだったら『ライク・ア・バージン』より、『ボーダーライン』がいい。『パパ・ドント・プリーチ』はダメだな」

(5)『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)

ドク「85年の大統領は?」
マーティ「ロナルド・レーガン」
ドク「ロナルド・レーガン!? 俳優のか!?」



(6)『グッドフェローズ』(90)

カレン「そんなに気取っちゃって! フランキー・ヴァリだっていうの!?」

(7)『ザ・プレイヤー』(92)

「あ! マーティン・スコセッシさんですか!?」
「いや、…ちがうよ」

(8)『トレインスポッティング』(96)

シック・ボーイ「ウルスラ・アンドレスは本物のボンド・ガールだった。誰もが認めるだろう?」

(9)『クロコダイル・ダンディー2』(88)

カメラマン「見たか? クリント・イーストウッドだよ」

(10)『太陽を盗んだ男』(79)

城戸「―しっかりやってもらわないと、鈴木善幸くんに」





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