Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画スタッフ別10傑(49)ジョエル・シルバー

2022-02-18 00:10:00 | コラム
~ジョエル・シルバーのキャリア10傑~

ひとりで映画館に行き、朝一の回で入って夕刻まで繰り返し鑑賞する…中学生だったころの自分は、そんな感じで日曜日を過ごす。

そのころに全盛期を迎えていたプロデューサーのひとりが、ジョエル・シルバー。

中学生男子が夢中になる要素が詰まりに詰まったこのひとの作品が、自分を映画キチガイにしてくれたといえる。
69歳、あんまり名前を聞かなくなったけれど、いまだって感謝してますよ^^


(1)『ストリート・オブ・ファイヤー』(84)

ことば少なめのキザな男とロックの女王、いかにも映画的で痺れた。
アクションとロックが幸福な結婚を果たした、80年代を代表する名画。



(2)『ダイ・ハード』(88)

90年代に流行するシチュエーション・アクションを、80年代末に「先行的」に提示した。

創り手たちの想像をはるかに超えて、あらゆる映画に影響を与えつづけている。


(3)『コマンドー』(85)

テレビで放送していると、何度だって観てしまう。

物量主義的なアクションではあるが、気の利いた台詞も多くて、意外と計算された創りなんだよね。



(4)『48時間』(82)

いわゆるバディ物の古典。

第1位・第5位に挙げた作品もそうだが、シルバーはウォルター・ヒルと相性がよかったんだね。


(5)『ウォリアーズ』(79)

現代でいうところの、カラーギャングの抗争。

シャープなアクションと個性豊かなキャラクターがウケて、支持者多し。



(6)『プレデター』(87)

アクションの世界にSFをぶち込んだ技ありの佳作。

ところでシルバーは、(後年に組むけれど)当時のスライには興味なかったのかな~。。。


(7)『マトリックス』(99)

世紀末に出現した映像革命。

話は分からなくともいいのよ、ノリですノリ。


(8)『エスター』(2009)

よく出来たホラー。

ホラー映画の成功は、特殊効果ではなくキャスティングであることがよく分かる。



(9)『ロミオ・マスト・ダイ』(2000)

ジェット・リー主演。

一部では、アンジェイ・バートコウィアク監督による「ヒップ・ホップ・カンフー三部作」といわれているが、それはともかく苦笑、本作は物語としてもよく出来ていた。


(10)『暗殺者』(95)

新旧の殺し屋対決に美女がからむ。

ジュリアン・ムーアがまだ深刻なキャラクターに挑戦していないころで、きゃぴきゃぴしていてすごくよい。


…………………………………………

明日のコラムは・・・

『「×」が増えていく…』
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お楽しみはこれからだ^^

2022-02-17 02:16:38 | コラム
こういうネタは周期的に登場するが…

Twitterの映画垢で、「いまさら『観てない』とは言えない映画。」が話題になっている。

トップ画像ね。
これはたぶん、雑誌『BRUTUS』だよね^^
(書き写しせず、このまんまだと…ちょっと見難いか)


自分?
もちろん観てますがな、映画を学ぶ学生だったわけでね、どれも良質なテキストだし。

だからといってマウントを取るつもりはない。
本数や回数は自嘲的に笑うために駆使したほうが大人だと思うんだ、自分でいうと『グッドフェローズ』(90)みたいに。

100回だよ、呆れるでしょ? みたいな。。。


延々と新作が発表されるわけだから、若ければ若いほど過去作に触れていくのは難儀になる。

このリストのなかでは、とくに『怒りの葡萄』(40)とか、


『捜索者』(56)あたりは、


映画が好きというだけでなく、映画史を学んでみようという意欲がないと手が出ない、、、かもしれない。

そういう意味では、若いひとでも積極的に観ようとする『ブレードランナー』(82)って、やっぱりすげー! よなぁ。


『怒りの葡萄』はたいへん感銘を受けた。
弱者であることを自覚し、そのなかで戦おうとするヘンリー・フォンダにね。
(まったく関係ないが、一部で引退したブリジッド・フォンダの体型が話題になっている。自分も驚いたが、引退したわけだし、現在はダニー・エルフマン夫人だし、本人が幸福であれば巨漢化してもかまわないよね。もっといえば、最近パソコンを初期化したのでIME(=入力方法編集プログラム)がバカになり、鰤ジッド・フォンダと変換された(^^;)

ただ、あくまでも個人の感想であることを強調しておくけれど、『捜索者』はピンとこなかった。

スコセッシが推しているし、米映画史のなかでも重要な作品とされているものの、フォード&ウェインの映画であれば、『黄色いリボン』(49)や『静かなる男』(52)のほうが「はるかに」良質だと思った。


ともあれ。
観ていないから恥ということは、もちろんない。

むしろ、これらの映画を初体験出来る楽しみが残されているわけでしょう。

羨ましいですよ、ヘンな意味でなくてね。




…………………………………………

明日のコラムは・・・

『映画スタッフ別10傑(49)ジョエル・シルバー』
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シネマしりとり「薀蓄篇」(406)

2022-02-16 00:10:00 | コラム
ずびぐにぇふつぃぶるす「き」→「き」ーぱーそん

「key person」とは、ことばのとおりで「鍵となるひと」を指す。

物語のなかで「出ずっぱり」のキャラクターがキーパーソンであることも「ないことはない」が、印象としては、むしろ「ほぼ出てこない」キャラクターこそ「それっぽい」というかね。

真っ先に浮かぶのが、『ユージュアル・サスペクツ』(95)のカイザー・ソゼ。





みながソゼのエピソードを話し、怖がったりするだけで、ソゼ本人はラストに「ちょろっと」出てくるだけ。
(厳密には、出ずっぱりか! もうネタバレ!!)


「名前」としては各キャラクターがそれぞれ連呼するものの、まったく出てこないケースもある。

『桐島、部活やめるってよ』(2012)の、桐島くん。
どんだけイケメンで、スポーツが出来て、影響を与える人物なんだよ、くそ!笑



自分、こういう作劇が大好き。
50年代に発表されたサミュエル・ベケットの戯曲『ゴドーを待ちながら』が、この作劇の古典というか。

ふたりのキャラクターが、ただひたすら「ゴドー」という人物を待ちつづけるという不条理劇。

自分は、劇団東京乾電池が展開した舞台(柄本佑×柄本時生)を観た経験あり。
なーーーーーんにも起こらない物語なのに、ぜんぜん飽きないのだよね。


声はたっぷり聞かせるのに、やっぱり出てこないに等しいキャラクターとしては、『リリイ・シュシュのすべて』(2001)のリリイ・シュシュも印象に残る。



また、出てくるには出てくるけれど、謎めいた扱いがキーパーソン的という意味では、『AKIRA』(88)のアキラとか。


観ていないひとは、バイクに向かう少年・金田がアキラだと思っちゃうもんね。


キーパーソンをどう描くのか―これもまた、物語と向き合う際の「おとなな楽しみ」のひとつなのでした。。。




次回のしりとりは・・・
きーぱー「そん」→「そん」とく。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『お楽しみはこれからだ^^』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シネマしりとり「薀蓄篇」(405)

2022-02-15 06:33:56 | コラム
とむくるー「ず」→「ず」びぐにぇふつぃぶるすき(ズビグニェフ・ツィブルスキ)

きょうの原稿を編集しようと思ったら、映画監督アイヴァン・ライトマンの訃報(享年75歳)が飛び込んできた。

『ゴーストバスターズ』(84)で有名なヒットメイカーだが、日本では偶然にも『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(2021)が公開中で、この監督ジェイソンはアイヴァンの息子さんなんだよね。

合掌、じつは自分は『ゴーストバスターズ』は「あんまり…」で、このひとなら断然『デーヴ』(93)だなぁ。


さて。
引退や死で短いキャリアを終えてしまう俳優さんは、残念なことだがけっこう居る。

自分が「もう少し活躍を見たかった」と思うひとは…

たとえば『十九歳の地図』(79)の本間優二。


クールさが魅力だが、本人は芸能活動を望んでおらず80年代末に引退。

もっと短いひとでいえば、
『愛のコリーダ』(76)で定を演じた松田暎子。


定が強烈に過ぎたか、セルフパロディのようなキャラクターが多く、そのことに納得出来なかったのかもしれない、神隠しのように消えてしまった。
(2011年に永眠)

そして、自分のオールタイムベストの上位に入る大傑作『灰とダイヤモンド』(58)で主演したズビグニェフ・ツィブルスキ。



「ポーランドのジェームズ・ディーン」として売り出され、日本でも大人気に。

じつは20作以上に出ており、ポーランドでは中堅的な存在だったらしい。
が、日本で『灰とダイヤモンド』以外の出演作を観ることは難儀で、当時のファンはどうしていたのでしょうね、ビデオもないから繰り返し観ることも出来ないし、雑誌の切り抜きとかポスターとか眺めていたのかしら。

しかし。
67年、走り出した列車に飛び乗ろうとして失敗、転落した拍子に轢かれたのだろうか、死んでしまった。

…えっ。

あっけない最期が、なんというか、『灰とダイヤモンド』的でもあり。


この映画は、まずタイトルが秀逸よね。
同名の原作小説あり。だけれど、レジスタンス活動に燃える青年が経験した、一夜の恋。

灰にまみれた日常にあって、一瞬だけダイヤのように輝く生命の美しさっていうかね。

この映画をリアルタイムではなく、
しかもツィブルスキさえ死んでしまったあとに知る世代は、どうしたって、主人公と俳優を重ねて捉えてしまうのだった。

そして2016年、この映画を監督した「戦う知性派」アンジェイ・ワイダも鬼籍に入った…。
(享年90歳)

そろそろ、大規模な「ワイダ・レトロスペクティブ」が展開されてもよいのでは??


※町山さんの解説、すげーためになる



あすのしりとりは・・・
ずびぐにぇふつぃぶるす「き」→「き」ーぱーそん。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(406)』
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ひとつもリアルタイムで観ることは出来てない…けれど

2022-02-14 00:10:00 | コラム
高梨沙羅のメイク批判を読んだ長女が「メイクしてもこんだけ飛べるって神じゃん。批判してる人がすっぴんで飛んだって20センチも飛べねーだろうに」と言っていて笑った。娘ながらあっぱれだ。(某氏のTwitterより)

…………………………………………

五輪を観ながらアレヤコレヤいうのは「だいぶ」好きなほうだが、
仕事のほうがなかなかにアレなので、冬季五輪の中継を一切観ることが出来ないでいる。

イーモウによる開会式の演出もダイジェストで、
沙羅ちゃんの涙も、
ロコ・ソラーレの勝負強さも、


羽生ゆずくんの驚異的な巻き返しも、


平野歩夢くんの異次元テクニックも、


ニュース映像で少しだけ。


東京五輪より開催についての是非が自分のなかで起こらないのは(いってしまえば)他国だからか、
でもまた冬季の招致をやる気なんでしょ、日本は。もういいよ、、、と思ったり。

そういうのは置いておいて、スポーツ全般は好きなままだし、単純にエンタメとして面白いのだもの。


でも。
誰かがいっていたが、「うれし涙」や「くやし涙」は大歓迎だが、
沙羅ちゃんの涙は、そのどちらにも当てはまらないもんね。

こういうのは、見たくないなぁ・・・・・。


※誰がいつ観たって元気の出る映画の主題歌を


…………………………………………

明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(405)』
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする