Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(447)

2023-02-23 00:10:00 | コラム
ぱん「く」→「く」ろさわあきら

自分にとっての二大神、スコセッシと黒澤。
イマサラ「うんちく」もないでしょう、だから現時点の黒澤ベストテンを。

もう故人なので不動?

否。
自分の年齢によって若干の変動というものがあるものなのです^^


(1)『天国と地獄』(63)

「これからがいよいよ、ほんとうの俺なんだ」

他人の子どものために身代金を出せるのか主人公が迷いに迷う前半と、そんな主人公に胸打たれた刑事が犯人を追いつめていく後半と。


警察が犯人を極刑にするため、犯行を「再現」させることなど!
というひとも居るが、それも含めておおいに映画的で面白い。

スコセッシによるリメイク企画、流れたけど実現してほしかった。
若いころにやっていれば、三船=デ・ニーロ、仲代=カイテルあるいはパチーノ、山崎努はエドワード・ノートンあたりだったかな。。。


(2)『醉いどれ天使』(48)

三船との初タッグ作。
とはいえこの映画の真の主人公は、タイトルのとおり志村喬なのです。


(3)『どん底』(57)

原作はゴーリキー、舞台を江戸に置き換えたミニマルな群像劇。
登場人物全員がいとおしい。

山田五十鈴の巧さは当然だとしても、こんなに勝気な香川京子は初めてで驚いた。


(4)『生きる』(52)

歳を取るごとに、この映画への評価がどんどん高くなっていく。
初見だった高校生のころは、渡邊勘治さんの話しかたが(極端にいえば)不愉快だった、だから小田切みきがイライラするのも分かるのよ。


しかし、いま観ると。
息子の無理解と非情さに腹が立つっていうかね!!


(5)『野良犬』(49)

ピストルをなくした若き刑事の焦燥を描く、日本では珍しい乾いたアクション。

唱歌「蝶々」が流れるクライマックスの映画的表現、じつにしびれる。


(6)『七人の侍』(54)

今年、誕生日の鑑賞に選んだのが本作だった。

やっぱり久蔵がいちばん好き^^



(7)『悪い奴ほどよく眠る』(60)

冒頭の結婚式で(観客に)必要な情報がすべて提示されている。
サスペンス映画の教科書でしょう。



(8)『赤ひげ』(65)

三船との最後の作品。
三船って、こんなに落ち着いた演技が出来るのかと驚いてしまったり(^^;)



(9)『白痴』(51)

原作はドストエフスキー、編集で松竹と揉めに揉め「切りたいのなら、フィルムを縦に切れ」と激怒したことは有名な話で、ファンとしてはやっぱり265分の完全版を観てみたかった。


(10)『乱』(85)

このころの黒澤大作主義に対し、松本清張は「市井の民を描く精神を捨てたのか」と怒ったらしいが、自分も初見時はピーターに感心したくらいで、けっこう失望したクチ。

去年観返してみたら、やっぱりすげぇじゃん!と。。。



あすのしりとりは・・・
くろさわき「ら」→「ら」ーすふぉんとりあー。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(448)』
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日本女優別10傑(42)桜庭ななみ

2023-02-22 00:10:00 | コラム
~桜庭ななみのキャリア10傑~

ななみちゃん30歳、はいタイプです^^



デビュー前から地元で有名な美少女だったとか、
中国語や韓国語が堪能だったとか、
いろいろ売れる要素がある! はずなのに、代表作がいまのところ三菱地所のCMとはどうしたことか。


マネージメントと、彼女によいホンを渡せない創り手の問題でしょう。

うん、これから。
これからですよ!!


(1)『書道ガールズ!! わたしたちの甲子園』(2010)

学生が「いろいろやってみました」系では上位にくる完成度じゃないかしら。



(2)『有り、触れた、未来』(2023)

本公開は来月。
先行で観させていただきましたが、とても誠実な創りで好感度高し。



(3)『マンハント』(2017)

ジョン・ウーのキレ、鈍ったか…と思うところもないではないが、まぁ楽しめるアクション。



(4)『焼肉ドラゴン』(2018)

劇作家・鄭義信の初監督作品。
ななみちゃんは、主人公一家の三女役。
ちなみに長女は真木よう子、次女は井上真央。
こんな美しい三姉妹、居るのだろうか(^^;)


(5)『最後の忠臣蔵』(2010)

忠臣蔵の後日談。
ななみちゃんは、大石内蔵助(片岡仁左衛門)の隠し子を演じる。


(6)『ランウェイ☆ビート』(2011)

原田マハによる小説を、手堅く演出することで知られる大谷健太郎が映画化。

ななみちゃん、(悪いけど)桐谷美玲よりぜんぜんよいと思うんだけどな^^



(7)『かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発』(2018)

好評を得た『RAILWAYS』シリーズ(2010~)の第3弾。

少し(タイトルが)くどいが、まぁ出来は悪くないと思います。


(8)『映画 謎解きはディナーのあとで』(2013)

櫻井翔×北川景子で人気を博したドラマの映画版。
じつは、あんまり覚えていない(^^;)


(9)『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』2部作(2015)

映画としての創りは「あきらかにまちがっている」とは思うが、武田梨奈とななみちゃんの可能性は強く感じるんですよ。

ぜひ、彼女たちで本格的なアクション映画を!!


(10)『人狼ゲーム』(2013)

たいした映画じゃないのだけれど、ななみちゃん拝むだけで飽きることはない。


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週2で映画館^^

2023-02-21 00:10:00 | コラム
某日―スピルバーグちゃんの自伝的映画『フェイブルマンズ』を先行で観せてもらう。

控えめにいって傑作、
その前日に観ていたヴァーホーベンの『ベネデッタ』に、こころもカラダも毒され(でもやっぱり傑作!)


それらをすべて浄化してくれるような、映画ファンすべてに捧げられた作品だと思う。



新年のスタートダッシュこそなかったが、ここへきて観るべき映画がつるべ打ち状態。

ふだんは週1での映画館鑑賞、しかしここ数週間は2のペースに増えている。

コロナの影響もだいぶ減り、入りも増えてきた感じだし、
なんとなくだが、お客さんのワクワク感も去年以上のような気がする。

きのうは『BLUE GIANT』の、アニメーション表現と音楽の幸福な結婚を体感。
来週もパク・チャヌクの『別れる決心』を観に行く予定だし、

来月には『シン・仮面ライダー』が控えていて、これは現時点で2回観に行くつもり。



しばらくは、週2の映画館通いがつづきそうです^^

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『日本女優別10傑(42)桜庭ななみ』
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令和版・海外俳優列伝(58)金城武

2023-02-20 00:10:00 | コラム
73年10月11日生まれ、自分と同級生の49歳。
台湾出身。

95年、春―ウォン・カーワァイの才能にいち早く気づいたものたちで埋め尽くされた、渋谷パンテオン。
そんな、『恋する惑星』(94)の特別先行上映まで金城武(かねしろ・たけし)さんの存在を知りませんでした。

すでに台湾ではアイドルとして大変人気があった。ことも知らず、
日本語が堪能なことも知らない。

映画では(おそらく)トニー・レオンとフェイ・ウォンのカップルのほうに人気が集まったはずですが、こりゃ逸材だぞ!と驚いたものです。


日本の一般層に名が知れ渡ったのは、深キョンとのテレビドラマ『神様、もう少しだけ』(98、フジテレビ)でしょうね^^



<経歴>

父親は日本人・母親が台湾人のハーフ。
台北日本人学校→台北アメリカンスクールという学歴のため、日本語・北京語・広東語・台湾語・英語を話せる。すごい!!

ちなみに日本で(主にグラビアで)活躍したインリン(オブ・ジョイトイ)とは幼馴染みで仲良しなのだそうです。

スカウトされ芸能界入り。
しばらくはアイドル歌手として活動し、93年の『ワンダー・ガールズ 東方三侠2』で映画界に進出。

94年―前述した『恋する惑星』で、女殺し屋に恋をする青年を好演し一気に映画ファンの注目の的に。
彼が日本語でナンパ電話をするシーンでは、渋谷パンテオンを埋める1000人の観客がいっせいに爆笑しましたね。

『人魚伝説』(94)、『チャイナ・ドラゴン』(95)ののち、再びカーワァイと組み『天使の涙』(95)に出演、
このあたりから日本発のオファーも増えていくようになりました。

『冒険王』(96)、『世界の涯てに』(96)。

97年、日本映画『MISTY』に出演。
共演に豊川悦司・天海祐希。
芥川龍之介『藪の中』、つまり黒澤『羅生門』(50)のリメイク、、、野心は買うけどね。ここまでしかいいません(^^;)

98年には馳星周の傑作小説を映画化した『不夜城 SLEEPLESS TOWN』、


2000年に『スペーストラベラーズ』、
2002年に『リターナー』に出演と・・・


・・・このあたりが、日本における「カネシロ・フィーバー」の絶頂期でしょうか。


その後もチャン・イーモウの中国映画『LOVERS』(2004)、
小西真奈美と共演した日本映画『Sweet Rain 死神の精度』(2007)、
ジョン・ウーによる二部構成の大作『レッドクリフ』(2008、2009)では諸葛孔明を演じるなど大活躍、

しかし2010年代以降は、
『The Crossing ザ・クロッシング』二部作(2014、2015)や『恋するシェフの最強レシピ』(2017)などの出演作はあるものの、それ以前に比べて極端に露出が減りました。

これは人気どうこうというより、本人の意向(=少しのんびりしたい)とのことで、またいつか映画出演が増えていくかもしれませんね^^


次回の列伝は、ガブリエル・バーンさんから。

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令和版・海外俳優列伝(57)ガエル・ガルシア・ベルナル

2023-02-19 00:10:00 | コラム
78年11月30日生まれ・44歳。
メキシコ出身。

この列伝では珍しい、おそらく英国より少ない、中南米出身の俳優さんの登場です。

ほんの数年前、メキシコがらみの映画が(軽い)ブームを巻き起こしました。
アルフォンソ・キュアロンの『ROMA/ローマ』(2018)が配信系であるにも関わらずオスカーの作品賞・外国語映画賞の双方にノミネートされ、
撮影監督エマニュエル・ルベツキが鬼才監督の我儘な要求に「完璧に」応えると人気を獲得。

ブームの先陣を切ったのがアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥで、この監督の『アモーレス・ペロス』(2000)に主演し注目を浴びたのがガエル・ガルシア・ベルナルさんです。



<経歴>

セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ卒業。

父・母、さらに弟さんも俳優という芸能一家。
そんな環境ゆえ子役としてデビューし、国内では大人気だったとか。
それでも演技を学び直すために名門校に入学したのですから、たぶん真面目なひとなのでしょう。

そんな名門に在学中の2000年、前述した『アモーレス・ペロス』で実質的な映画俳優デビューを飾る。

ほどよく切なく、ほどよくエロい良質な青春映画『天国の口、終りの楽園。』(2001)、


スペインの変人ペドロ・アルモドバルと組んだ『バッド・エデュケーション』(2004)、
チェ・ゲバラの青春期を描いた『モーターサイクル・ダイアリーズ』(2004)、
イニャリトゥ組の常連として『バベル』(2006)に参加したり次々と話題作に出演。

2007年には『太陽のかけら』で監督デビューも果たしました。

2008年、期待の俊英フェルナンド・メイレレスによるパニック大作『ブラインドネス』で「第三病室の王」と呼ばれる男を怪演。


この映画、もっと知られていいと思うんですよね。伊勢谷友介とか木村佳乃も出ているし。


ほかの出演作に・・・
『リミッツ・オブ・コントロール』(2009)、『ジュリエットからの手紙』(2010)、『WASP ネットワーク』(2019)、
そして評価すべきなのは、シャマラン監督の『オールド』(2021)。

一家の「あるじ」役ですが、「中南米系とは無関係」なキャラクターを演じることってすごく珍しいのですよね。
そして、そんなキャラクターに違和感を持たせていない。

キャスティングにセンスがありますし、ベルナルの自然な演技が「そんなこと、どうだっていい」と思わせてくれるのです。


これですよ、これ。
これが、いわゆるポリコレ(=ポリティカルコレクトネス)の理想的なありかたなんじゃないでしょうか。

最新作は、『ザ・マザー』(2023)。

この流れに乗って、弟さんも本格的な国際デビューを果たしてほしいですね!!

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明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(58)金城武』
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