僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

朝食

2006年10月01日 | SF小説ハートマン
「おはようございまーす。おじさん、星見ちゃんは?」
「あぁ、星見はピアノの先生のコンサートだって、さっきママと出掛けたよ。」
「ふうーん。」
「何だ?星見に用があったの?お昼過ぎにならないと帰ってこないよ。」

「ううん。おじさんが僕に来てって言ったの?」
「はいそうですよ。宇宙君に特別の用事です。」
「えぇーっ何?何ですか?」
「うーん、そうだな。でもその前にご飯食べようか。まだ食べてないだろ?」

おじさんがにっこりしたところへお父さんが割り込む
「そうそう、お願いします。美味しいブルーマウンテンのコーヒーもよろしく。」
やっぱり今日もずうずうしいお父さんだ。

「ママがいないから何にもできないけどね、サラダと卵と、えーっと宇宙君はシリアルとパンとどっちがいいかな。」
「宇宙、パンにしといた方がいいぞ、ここんちのパンは手作りだ。ポンパドールのクルミパンも美味いけど、星見ちゃんのママが作ったのは最高だからな。」
お父さんが嬉しそうに説明する。何度も食べてるに違いない。

「うん、じゃぁパン。パンも作っちゃうの、おばさんすごいね。」
「いやぁパン焼き器が作るんだけどね、出来たては美味しいよ。宇宙君のママのデザートも最高だよね。」
「うん、サイコーサイコー!パン、サイコー。デザート、サイコー。ブルマンサイコー。」
何だか妙に明るいお父さんだ。

楽しくて美味しい朝ご飯だった。おじさん達はコーヒー、僕は牛乳を飲みながらテレビのニュースを見た。外国ですごく大きな地震があったらしい。

「宇宙君、そろそろ始めようか。」
おじさんはテレビのリモコンを置くと真面目な顔で僕の肩をたたいた。   つづく
コメント (12)
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