僕らはみんな生きている♪

生きているから顔がある。花や葉っぱ、酒の肴と独り呑み、ぼっち飯料理、なんちゃって小説みたいなもの…

車と白バイ

2006年10月29日 | SF小説ハートマン
「そうだね、でも飛んでるって感じはしないけどね。」
「ねえおじさん、宇宙にはもっと早く飛んでるものもあるの?」
「まだまだある。この太陽にしても銀河の端っこの方にあるから、銀河の渦巻きを他の星と一緒に回ってるんだよ。」

「銀河って知ってるけど、銀河も回ってるの?」
「そうなんだ、計算すると、秒速220キロメートル位になる。」
「秒速って1秒間でしょう?1時間じゃなくて。」
「いろいろ速いものはあるんだけど、もう少し違うものも考えてみるよ。」
おじさんはそう言って車の絵を描き出した。

「この車の後ろから白バイがサイレンを鳴らして走っているんだ。」
「スピード違反を捕まえるんだね。」
「そう、だから車を追い越して前に出る。ハイ左に寄って止まりなさい!」

「白バイに捕まってるの見たことあるよ。」
「そうかぁそれじゃあ宇宙(ひろし)君がここで見ていたことにしよう。」
おじさんは紙の端に僕の絵を描いた。

「宇宙君はここから見ていました。その時、車は時速100㎞でした。この道の制限時速は80㎞です」
「じゃぁ20㎞オーバーです。」
「その通り。それでは今度は宇宙君は車に乗って白バイを見ています。車の横を白バイが追い越していきました。」

「車じゃなくて白バイに乗りたいなぁ。」
「今はそうゆうことじゃなくてさ…」

「白バイは何㎞で走ってるように見えるでしょうか?」
「120㎞位です。」
「宇宙君は100㎞で走ってる車に乗ってるんだよ。」
「あっそうか、えーっとじゃぁ、ただの20㎞。」

「そう、ゆっくり追い越しているように見えるはずだよね。」  つづく
コメント (3)
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