先月は、心が望んでないことを言って、墓穴掘るのは止めましょうってお話し
でした。
言ってしまったことを撤回するためには、言った以上のエネルギーが必要にな
ります。
本当は好きなのに「キライ」と言葉にしてしまったのなら、それを聞いた人は
「あの人は○○がキライなんだ」と思ってしまいます。
例え、それが本心ではなく、ノリで言っただけだとしても、聞いた人には違い
が解りませんから、単純に「キライなんだ。ふーん。」と思われてしまいます。
そして、その人の中では「あなたは、○○が嫌いな人」として、記憶されてし
まいます。
この場合、あなたは、その人のエネルギーに協力してもらって、○○をキライ
になる方向へ、一歩踏み出してしまったんですね。
意図していなくても、エネルギー的には、そうなってしまうので、もし、撤回
したい場合は、きちんと説明して、その人の記憶を変えてもらわなくてはいけ
ません。
では、もうちょっと、このことについて考えてみましょうか。
まずは、具体例を出してみましょうね。
マイキー、登場です。
彼女は、ご主人に「宝くじを当てる」と、いつも宣言していました。
ところが、宝くじなんて、そう簡単に当たりません。
ある日、ご主人は「マイキーの言葉には重みが無い」と文句を言いました。
マイキーは、別に人に迷惑をかけることではなく、「宝くじを当てる」「今日
はトリートメントをする」「○○を食べる」など、自分がこれからやりたい、
もしくは、やろうかなぁ~ って思ったことを、気楽に口にしては、実行しな
かった、というだけなんですが、それが、ご主人の気にさわっていたそうなん
ですね。
ご主人に何かさせようとか、協力してもらおうとか、待たせちゃうとか、そう
いう内容じゃないので、マイキーも軽く考えていたんですが、突然「言葉に重
みが無い」と言われて、マイキーは、ちょっと考えてしまいました。
みなさんは、一体、マイキーの何が悪かったのか、もしくは、マイキーは悪く
ないのか、わかりますか?
この場合、明確なことが二つあります。
1.ご主人は、マイキーの言葉には重みが無いと思った
2.マイキーは、人に迷惑をかけたわけじゃないので、何が彼の心象を悪くし
たのかわからない
では、どうしてご主人は、不機嫌になってしまったのでしょう?
別に、マイキーが言ったことを実行しようとしまいと、ご主人に迷惑がかかる
わけではありません。
マイキーがトリートメントしようとしまいと、ご主人には何の問題もありませ
ん。
なのに、彼は、マイキーの言葉に重さが無いと、不愉快に感じました。
うーん、一体、何が起こっているのでしょうか?
それじゃ、エネルギーの流れを見る視点で、順を追って説明してみますね。
マイキーは「○○をやる」と、ご主人に宣言しました。
それは、ご主人に「マイキーは、あとで○○をやるんだ」と、マイキーの未来
の行動を教えたことになります。
ご主人は、マイキーが「○○をやるんだ」と“思い込み”、“期待”しました。
彼が“思い込み”“期待”することで、彼のエネルギーが、マイキーへ流れていきます。
人は、こうして、誰かに言い切って宣言することで、その人からエネルギーを
もらい、自分のエネルギーとその人のエネルギーを使って、自分の言ったこと
を未来に実現しようとするんですね。
でも、マイキーは実行しなかった。
(宝くじは、実行できそうもありませんが、トリートメントは実行できますね)
つまり、ご主人にエネルギーを流させておきながら、それを無視した。
※ご主人は、マイキーに与えるためのエネルギーを、自分を媒体として宇宙か
ら引いています
そして、ご主人は自分が出したエネルギーを受け取ってもらえなかったので、
イラっとしてしまったんですね。
この場合の「イラっ」は、彼のわがままではありません。
もう一度言いますね。
マイキーのためにエネルギーを流したのですが、そのエネルギーは無視されま
した。
そのため、彼は、必要以上にエネルギーがたまり、いっぱいいっぱいになって
しまったんですね。
それで、イラっとした怒りを言葉にしてマイキーに返すことで、マイキーに本
来の目的を実行させようとしたわけです。
一種のコントロールですが、マイキーがご主人に仕掛けて始めたことなので、
この場合、マイキーが“出したものを受け取る”という、エネルギーの法則の通
りに、ご主人の怒りとなったエネルギーを受け取らなくちゃいけません。
人が、精神的にイラっとするときは、大抵、エネルギーがいっぱいで、飽和状
態になっている時です。
よく、ヒーリングで「チャージする」という言葉を使っていますが、よほど、
ご病気か精神的に死にかけてない限り、通常のヒーリング作業は、カオス状態
になっている大量のエネルギーを抜いて、整理する作業になります。
マイキーは、悪気も何も無く、その時にやろうと思ったことを言っただけなの
ですが、ご主人が彼女を愛していたために、マイキーの言葉を重んじて、エネ
ルギーを与えるというサポートまで、無意識にやってくださったんですね。
この“エネルギーを与える”という気持ちを、私たちは“思いやり”と言っている
んですね。
思いやりを、いつも無視されていたら、それは、イラっともしますよね。
ここまでは、わかりましたか?
ご主人が不機嫌になってくださったおかげで、マイキーは、自分の過ちに気づ
きました。
また、彼も、不機嫌になることで、マイキーに自分の“思いやり”に気づいても
らえました。
「君の人生は、君一人だけのものじゃないんだよ」
「いつも、僕がここに居るんだよ」
なんとなく、彼のメッセージが聞こえてきませんか?(^^)
マイキーは、自分の言葉の使い方を学んだのと同時に、彼の愛にも気づけまし
た。
これは、マイキーが謙虚に自分を成長させたいと望んだから起きた出来事です。
自分勝手なままだったら、面倒くさい旦那だ!って話しで終わってしまうので
しょうね。
このちょっとした二人のやりとりから、私たちは、二つのエネルギーの動きを
学ぶことができました。
1.人は誰かに宣言することで、その人からエネルギーを引きだし、自分のた
めに使っている
2.宣言したことを実行しなければ、流れてきたエネルギーを止めてしまい、
その人を不快にさせる
一度「やる」と言ったことを、「やっぱり止めた」とか「ホントは違う意味な
んだ」というのは、相手の期待を裏切ると言いますね。
有言実行と言われていますが、言ったことを実行する人は信用されやすく、実
行しない人は信用されません。
これは、社会の常識として通っていますね。
きっちり、かっちり、言ったことを全て実行するのは大変なことですが、せめ
て、大事な人くらい、誠意をもって理由を説明できるようになりたいものです。
ちなみに、カリスマ性というのは、言った言葉や行動が、多くの人に影響を与
える能力を言います。先天的な能力と、後天的な能力がありますが、同じ事を
やっても、多くの人の心に留まる人は「カリスマ性がある」と言われます。
羨ましがられることが多いのですが、実は、諸刃の刃です。
言ったことを実行しなければ、倍になって返ってきます。
それも、一人二人からではないので、そのエネルギーの量は、人の数に合わせ
て膨らみます。
よほど、エネルギー量が多く無ければ、簡単につぶれてしまうでしょう。
その代わり、言った事を実行したとき、最短距離で成功するでしょう。
心が弱い人は、こういう荒業には近づかないほうが無難です。