暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

松浦家お留め菓子

2010年05月13日 | 2010年の旅
平戸の名菓「カスドース」を買いに行った折
菓子老舗「蔦屋」で、閑雲亭で頂いた「鳥羽玉(うばたま)」
と再会しました。

胡麻餡を求肥で包み、和三盆をまぶしたこの菓子は、
「百菓之図元本」に記載されている
松浦家お留め菓子であったことを知りました。
蔦屋の「鳥羽玉」説明書きを紹介します。

 平戸藩主・松浦家お留め菓子
   平戸藩主松浦家第三十五代ひろむは
   百種類の菓子作りを平戸城下の
   名店蔦屋と境屋に命じ
   天保12年(1842)より六年の歳月を重ね
   ようやく百菓が完成しました
   この百菓を極彩色で描き
   菓名と製法を記した「百菓之図元本」より
   再現したものがこの鳥羽玉です

          

鎮信流の茶処なので、他にも美味しく珍しい菓子がありました。

「カスドース」はポルトガルとの交流によって伝わった南蛮菓子です。
卵と砂糖は当時大変貴重で、藩主のお留め菓子として伝わりました。
製法は、一口大に切り分けたカステラを溶いた卵黄にくぐらせ、
熱した糖蜜に浮かべ、最後に砂糖をまぶします。
糖衣の食感と上品な甘味のカステラのハーモニーは
今まで食べたことのない味わいです。

           

「牛蒡餅(ごぼうもち)」は中国からの伝来と伝えられ、
古くから慶弔時の菓子、また茶菓子として用いられています。
賞味するとゴボウの味がしないのが不思議でした。
ゴボウは入っておらず、その姿がゴボウに似ていることから、
この名がついたそうです。

「カスドース」と「鳥羽玉」がとても気に入り、お薦めです。

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   写真は、「お留め菓子 鳥羽玉」
         「蔦屋に残る菓子の木型」
         「カスドース」です。