2015年1月28日に東京大学政策ビジョン研究センターが開催したシンポジウム「グローバル競争の中での自立した大学のあり方」を拝聴しました。
最近話題の研究不正・利益相反を防ぐ手立て(ガバナンスとコンプライアンス)などを、各国の各大学はどのように実施しているのかなどを伺いました。
欧州、米国、日本では、大学が誕生した経緯・背景などが異なり、社会的な使命にも微妙な違いがあります。このため、“自立した”という本質的な中身は、欧州、米国、日本でかなり異なります。このため、今回のメインテーマではなく、英語で“Dual Use”、日本語では“機微技術”と訳される、研究成果の想定外の悪意ある使い方について伺った感想を述べます。
“Dual Use”とは、ある研究テーマの研究成果などを学術論文や特許などのコンテンツとして社会に公表すると、“悪意”を持つ他人が別の悪意ある利用法などを考え、使う可能性があることです。
たとえば、日本のある有力大学の研究者が米国の大学と共同研究した鳥インフルエンザの研究成果が、テロリストなどに“生物化学兵器”として利用される可能性があると、米国の某機関から指摘され、学術雑誌への学術論文の投稿内容が議論されたことが数年前にありました。
米国では10数年前の2001年に、炭疽菌入りの手紙テロが起こりました。これを真似しようと、日本の某宗教組織が炭疽菌についての学術論文などを集めたという事件がありました。
バイオテクノロジーなどの学術研究は「人類の病気克服や農業革命などによる食料増産、環境保存などの解決策になる可能性を秘めている」と、学術研究を進める意義を、今回講演された米国の大学教授は説明します。その一方で、各研究成果を“Dual Use”として悪用される可能性もしっかりした検証が必要です。研究を実施する本人、大学の部局の責任者、大学の経営陣などがそれぞれの立場から、当該研究内容を検証し、さまざまな可能性を議論し、“Dual Use”の可能性を減らす・無くすことも並行して進める必要が高まっています。正確には、大学のガバナンスとコンプライアンスを適正に実施することです。
バイオテクノロジーに加えて、情報技術・情報科学(コンピューターサイエンス)分野などでも、インターネット上での悪意ある操作・犯罪などの可能性も想定されます。
研究者自身が自分の研究内容について、“Dual Use”の可能性を検証し続ける姿勢が大切です。学術研究の中身が高度になればなるほど、様々な視点からの検証が必要です。
たとえば、人工知能の研究成果は、将来、自分たちの仕事を奪うと考える市民が米国には多いそうです。こうした可能性も議論をし続けることも大切です。人工知能の研究成果はかなり難解な内容ですが、研究当事者以外もその研究内容を検証する“知力”が必要になります。
最近話題の研究不正・利益相反を防ぐ手立て(ガバナンスとコンプライアンス)などを、各国の各大学はどのように実施しているのかなどを伺いました。
欧州、米国、日本では、大学が誕生した経緯・背景などが異なり、社会的な使命にも微妙な違いがあります。このため、“自立した”という本質的な中身は、欧州、米国、日本でかなり異なります。このため、今回のメインテーマではなく、英語で“Dual Use”、日本語では“機微技術”と訳される、研究成果の想定外の悪意ある使い方について伺った感想を述べます。
“Dual Use”とは、ある研究テーマの研究成果などを学術論文や特許などのコンテンツとして社会に公表すると、“悪意”を持つ他人が別の悪意ある利用法などを考え、使う可能性があることです。
たとえば、日本のある有力大学の研究者が米国の大学と共同研究した鳥インフルエンザの研究成果が、テロリストなどに“生物化学兵器”として利用される可能性があると、米国の某機関から指摘され、学術雑誌への学術論文の投稿内容が議論されたことが数年前にありました。
米国では10数年前の2001年に、炭疽菌入りの手紙テロが起こりました。これを真似しようと、日本の某宗教組織が炭疽菌についての学術論文などを集めたという事件がありました。
バイオテクノロジーなどの学術研究は「人類の病気克服や農業革命などによる食料増産、環境保存などの解決策になる可能性を秘めている」と、学術研究を進める意義を、今回講演された米国の大学教授は説明します。その一方で、各研究成果を“Dual Use”として悪用される可能性もしっかりした検証が必要です。研究を実施する本人、大学の部局の責任者、大学の経営陣などがそれぞれの立場から、当該研究内容を検証し、さまざまな可能性を議論し、“Dual Use”の可能性を減らす・無くすことも並行して進める必要が高まっています。正確には、大学のガバナンスとコンプライアンスを適正に実施することです。
バイオテクノロジーに加えて、情報技術・情報科学(コンピューターサイエンス)分野などでも、インターネット上での悪意ある操作・犯罪などの可能性も想定されます。
研究者自身が自分の研究内容について、“Dual Use”の可能性を検証し続ける姿勢が大切です。学術研究の中身が高度になればなるほど、様々な視点からの検証が必要です。
たとえば、人工知能の研究成果は、将来、自分たちの仕事を奪うと考える市民が米国には多いそうです。こうした可能性も議論をし続けることも大切です。人工知能の研究成果はかなり難解な内容ですが、研究当事者以外もその研究内容を検証する“知力”が必要になります。