ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

佐久市の東側に位置する佐久荒船高原は、ほとんど冬景色の枯れ野のままです

2012年04月19日 | 佐久荒船高原便り
 長野県佐久市の東側にある佐久荒船高原は、標高が約1100メートルあるために、まだほとんど冬景色の枯れ野のままです。

 佐久荒船高原の東側にそびえる妙義山の山頂部分も、晩秋以降の冬景色のままにみえます。



 佐久荒船高原にある“展望台”からは妙義山の右側には、天気がいい日には高崎市の街中も望めます。高崎市はソメイヨシノなどのサクラの木が桜吹雪になっていることでしょう。

 これに対して、標高が約1100メートルある佐久荒船高原は、サクラの開花は5月に入ってからです。例年ですと、4月中旬を過ぎると、そろそろ遅い春を迎え、サンシュなどが咲き始めるる時期です。

 4月中旬に入って、山道の脇にあった除雪した跡の残雪はほとんど溶けて消え始めています。飲料水用の大きな“溜池”である通称“荒船湖”の表面も普通の水面になっています。約1週間前には水面は全面凍結して氷が張っていたのですが。

 その荒船湖の奥に見える荒船山も一見すると晩秋以降の冬景色のままにみえます。



 しかし、山頂部分を覆っていた冠雪がほとんど消え、垂直部分のへこみに見えた氷結した“縦の筋”もほとんど消えています。遅い春がやっと近づいています。

 佐久荒船高原を囲む低山も残雪がほとんど消え、落葉したままの木々がみえる状態です。



 佐久荒船高原のあちこちでフキノトウが花を咲かせ始めています。



 今年は冬の寒さが厳しかったために、フキノトウの開花は約1カ月遅れています。例年だと、フキノトウの一部はシカなどに食べられているのですが、今年はフキノトウが出始めたばかりのためか、あまり食べられていません。

 佐久荒船高原では福島原発事故による放射性同位元素の拡散の影響を調べた有志の方がいます。その方の測定結果では、「今年はフキノトウなどの山菜は食べないことをお薦めする」という測定結果になりました。野生のキノコ類も食べない方がいいだろうとのお薦めです。

 福島原発事故の影響が意外と大きいことを知りました。すぐ身近なところで、福島原発事故による放射性同位元素の拡散を体験するとは想像していませんでした。

富岡市近郊にそびえる妙義山にある妙義神社近くではサクラの花が満開です

2012年04月18日 | 旅行
 群馬県富岡市の妙義町妙義にそびえる妙義山中腹にある妙義神社の近くはサクラの名所です。ちょうど、サクラの木の花が満開に近づいています。

 桜前線は神奈川県や東京都から北上と東進を続けています。桜前線の先陣の一部は、群馬県の富岡市を過ぎ、妙義山を登り始めています。妙義山の主峰の一つである白雲山(標高1104メートル)の中腹にある妙義神社周辺はちょうど、ソメイヨシノ(染井吉野)などのサクラが満開になり始めたころです。

 山麓を巡る道路のあちこちでは、ソメイヨシノなどのサクラの木が花を咲かせています。





 妙義山の麓である、平地の富岡市などに植えられたソメイヨシノの木は、花が少し散り始めて花吹雪が少し舞う感じです。これに対して、妙義山の山麓のサクラの木はこれから満開という感じです。

 サクラの木の周囲にある落葉樹の木々は新芽がやっと出始めたところです。



 これらの木々の上部には、ヒヨドリなどの野鳥が多数いて、飛び回りながらよく鳴いています。薮の中では、ウグイスも鳴き始めています。

 花曇りの天気のために、妙義神社の背後にそびえる白雲山の山頂部は霧の中で、霞んでいます。



 白雲山の山麓に飾られた「大」の字がかすかに見えています。

 白雲山・妙義神社は妙義山系の北東部に位置しています。表妙義山系の南西部に位置する中之岳・中之岳神社の近くには、サクラの花見の名所として有名な群馬県立森林公園「さくらの里」があります。

 このサクラの里には、ソメイヨシノに加えてオオヤマザクラ、オオシマザクラ、カンザン、フゲンゾウなどのさまざまなサクラの木が合計1万本植えられていて、約1カ月間にわたってサクラの花が咲き続けます。

 さくらの里は現在、ほとんどが蕾の状態で、花見はもう少し先とのことでした。5月連休には毎年のように、さくらの里では花見客の車が押し寄せ、大渋滞しています。「桃源郷」ではなく、“桜源郷”になっています。

群馬県甘楽町の雄川堰沿いにある桜並木はちょうど満開の見ごろでした

2012年04月17日 | 旅行
 群馬県甘楽郡甘楽町(かんらまち)の小幡(おばた)地区には、疏水の雄川堰沿いに桜並木があります。サクラの花が満開の時は当然、多くの花見客で賑わいます。

 群馬県南部にある甘楽町では、ソメイヨシノ(染井吉野)などのサクラの花が満開になった4月14日の土曜日には、甘楽町では「甘楽さくらウオーク」という“町歩き”のイベントが、4月15日の日曜日には「甘楽さくらマラソン大会」がそれぞれ開催され、大いに賑わったそうです。

 その甘楽町の小幡周辺のサクラの花見は、多くの花見客が幅約2メートルの疏水である雄川堰沿いを歩きます。



 桜並木の多くを占めるソメイヨシノの木はちょうど満開です。このソメイヨシノの花が散り始めると、雄川の水面に花びらがたまって風情を醸し出します。

 雄川堰沿いの中程にある八幡神社も花見ポイントの一つです。入り口部分にソメイヨシノの桜並木があるからです。



 八幡神社の背後にある八幡公園の山麓にもサクラの木々が花を咲かせています。





 甘楽町の小幡地区を支配した小幡氏は、戦国時代には甲斐の武田信玄の軍の先陣として武勇をはせ、“上州の朱武者”として恐れられたそうです。徳川時代になると、織田信長の二男の信雄(のぶかつ)に大和国宇陀郡3万石・上州小幡2万石が与えられ、1616年には信雄の子の信良の支配下に入ります。信雄から8代にわたる152年間、織田氏に統治された城下町であるため、甘楽町は織田宗家ゆかりの城下町を名のっています。

 サクラの花が咲く季節はサクラの名所はどこも花見客で賑わいます。甘楽町の小幡地区も同様です。今回は、ソメイヨシノなどのサクラの木が満開で花見客が大勢来ていたため、少し山側にある楽山園という大名庭園に行くのは諦めました。次回のお楽しみです。

シャープは独創的なIGZO・TFT適用の液晶パネルの量産を開始すると発表しました

2012年04月16日 | イノベーション
 2012年4月13日に、シャープは独創的な新技術を盛り込んだ液晶パネルの本格生産を始めると、明るい話題を発表しました。

 シャープはこのところ、本業の液晶テレビ事業の不振によって2012年3月期に2900億円の連結最終赤字に陥る見通しと発表し、その赤字体質を改善する再建策として3月27日に「台湾のFoxcon(フォックスコン=鴻海(ほんはい)精密工業)と資本・業務提携する」と発表し、資本注入をしたばかりです。

 こうした暗い話を吹き飛ばす明るい話が、液晶パネルの駆動素子に酸化物半導体であるIGZO(In-Ga-Zn-O、インジウム・ガリウム・亜鉛酸化物)TFT(薄膜トランジスタ)を用いた高精細液晶パネルの量産開始です。三重県にあるシャープの亀山第2工場で開始したとの発表でした。

 “IGZO”は通称として「イグゾー」と呼ばれています。このIGZO・TFTを適用した高精細液晶パネルは従来品に比べて、高精細化、低消費電力化、タッチ・パネルの高性能化、の三つの性能向上を図ることができます。

 IGZO・TFTを適用した高精細液晶パネルは「2012年3月から開始し、4月に入ってから生産を本格化させた」とのことです。シャープは以前に、「IGZO・TFTを適用した高精細液晶パネルを2011年中から生産する計画」と公表していました。つまり、約3カ月遅れて生産を始めたようです。こうした明るい話題を、暗い話題と同時に発表できなかった点に、シャープの苦悩が読み取れます。

 シャープは「IGZO・TFTを適用した高精細液晶パネルの生産開始は世界初」といいます。ただし、うわさでは韓国のサムソン電子の方が実は早いという話もあります。どちらにせよ、両社の内のどちらかが製品として先に発売した時点が、「世界初」になります。

 IGZO・TFTを適用した高精細液晶パネルは、タブレット端末向けに量産し始めたとのことです。どの製品メーカーに供給するかと、そのパネル仕様については、「顧客の情報なので、コメントを差し控える」とのことです。

 同液晶パネルの供給先としては、米アップル(Apple)社の「iPad」だとのうわさが強まっています。世界最大のEMSである台湾のFoxconの有力な供給先だからです。

 シャープでは、IGZO・TFT適用の高精細液晶パネルを、タブレット端末向けに加えて、超薄型ノート型パソコンである「Ultrabook」や医療用を中心とする高精細モニター(ディスプレー)などに展開していく予定です。

 発表会では、2011年4月に発表した11型パネルの1366×800画素品に加えて、32型で3840×2160画素(4K)品(精細度は140ppi)、10型で2560×1600画素品(同300ppi)、7型で1280×800画素(同217ppi)の3種類のパネルのディスプレーをそれぞれ披露した。32型は高精細モニター向け、10型はUltrabook向け、7型はタブレット端末に向けたものです。

 展示された10型パネルは、右がIGZO・TFT適用品で、左が従来のアモルファスシリコン適用品です。



 展示された32型パネルのモニターは、右がIGZO・TFT適用品で、左が従来のアモルファスシリコン適用品です。



 シャープは、この3種類の液晶パネルを「既にサンプル出荷中で、供給先から要望があれば量産対応は可能」と語ります。

 このIGZO・TFT適用の高精細液晶パネルが、シャープが反撃を始めるきっかけとなるように祈念しています。

ソニーが4月12日に開催した経営方針説明会の記事を読んで、考えました

2012年04月15日 | 日記
 日本を代表する大手電機メーカーのソニーは、2012年4月12日に再建策を説明する経営方針説明会を開催しました。日本の大手電機メーカーの再建策であると同時に、低迷する日本企業の再建策の見本になるだろうと期待される再建策です。

 経営再建への施策を伝える説明会の主役は、4月1日に同社の社長兼CEO(最高経営責任者)に就任した平井一夫社長です。



 この画像の左から3人目の背の高い方が平井社長です。

 その平井社長は「ソニーが変わるのは今しかないと考えており、復活へ向けて社員一丸となって全力で取り組む」と、語ったそうです。

 不振が続くエレクトロニクス事業の再建を果たす重点施策は、(1)コア事業の強化、(2)テレビ事業の再建、(3)新興国事業の拡大、(4)新規事業の創出とイノベーションの加速、(5)事業ポートフォリオの見直しと経営のさらなる健全化、の五つを挙げたそうです。

 「コア事業の強化」は、デジタル・イメージング(カメラとイメージ・センサー)、ゲーム機、モバイル機器(スマートフォンやタブレット端末、パソコンなど)の三つをコア事業と位置付け、これに「研究開発投資の70%を投じる」そうです。エレクトロニクス事業の売上高に占めるコア事業の比率を2011年度の60%から2014年度には70%へ高め、このコア事業によって営業利益の85%を稼ぐことを目指すとの計画です。

 課題の「テレビ事業の再建」は、固定費の削減とオペレーション・コストの削減、商品力の強化によって2013年度に黒字化を実現する計画です。商品力の強化は、液晶テレビにおける高画質/高音質の追求と地域ニーズの取り込みに加え、有機ELや「Crystal LED」などの次世代ディスプレイの商品化やモバイル機器との連携などを図るそうです。

 「事業ポートフォリオの見直しと経営のさらなる健全化」は、非中核事業については「他社との提携や事業譲渡の可能性を検討する」そうです。これらの施策を「One Sony/One Managementの体制で進めていく」そうです。

 ここまでは、4月12日にソニーが開催した経営方針説明会の概要です。この再建策はなぜか既視感があります。ソニーは2009年1月22日に、緊急のリストラ策を発表し、記者やアナリストからの質問に回答しています。回答者は、当時のハワード・ストリンガー会長兼CEOと,中鉢良治社長兼エレクトロニクスCEO,大根田伸行執行役EVP兼CFO(最高財務責任者)の3人です。

 ストリンガー会長は「(リストラ策などの)変化は仕方がない。(途中省略)高度なエンジニアリングがソニーの価値の源泉だ。ハードウエアの技術者とソフトウエアの技術者の関係がもっと親密になる必要がある。これまでは、それぞれが縦割りだった。(途中省略)我々は無敵だ。必要な要素はすべて社内にある。いかに人を刺激してそれらを融合させていくかだ」と、語りました。

 中鉢社長は「ソニーが世界で勝ち抜くためには,人件費を含めた固定費の削減がどうしても必要だ。我々の努力の範囲を超えていると考えざるを得ないという結論に達した。(途中省略)オープンなオペレーションを進める。競争領域は自前でやるが,非競争領域はアウトソーシングなどで効率化の改善を図っていきたい」と語りました。

 たぶん、2009年当時のソニーに必要なことは今でも変わらないようです。逆にいえば、ここ3年間はソニーの体質はあまり変わらなかったのかもしれません。

 2005年3月に、ソニーはストリンガー会長と中鉢社長という新体制によって、低迷が続くエレクトロニクス事業の再建に乗り出しました。中鉢社長は「過去を否定し、顧客視点に立った商品づくりというモノづくりの原点に帰る」と語ったと、当時の経済誌の記事は伝えています。

 話は大きく大胆に飛びますが、米国の大手自動車メーカーのGMも「顧客視点に立った商品づくりが重要」といわれ続け、自社内でもそのように分析していながら、自分では再建できませんでした。GMは世界最強の自動車メーカーと自負しながら、2009年6月1日に連邦倒産法第11章の適用を申請し、2009年7月10日に手続きを終えました。その後、身軽になった「新生GM」が発足させ、復活しました。

 巨大な名門企業が再び輝くために復活する道のりの難しさを考えると、ソニー以外の日本企業にとっても他人事ではありません。平井社長の肩には、日本企業復権という課題が乗っかっています。