新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

12月3日 その2 マイナンバーカードの健康保険証利用

2024-12-03 16:52:27 | コラム
利用率は15%程度に止まっているとか:

昨12月2日で新規に従来の健康保険証の新規発行がなくなったのだが、マスコミ報道は見ているとこの機会にとばかりに「解りにくい、使い難い、現場が混乱している」という点ばかりを取り上げている感があるのだ。解りやすく言ってしまえば「周知徹底しないのは何処の何方の責任か」と言わんばかりの報道振りである。

だが、そのニュースを落ち着いて聞いていれば「12月3日以降も現在の保険証に記載されている有効期間中は使える」のであり「マイナンバーカードに紐付けをしていてもいなくても資格証明書なるものが送付されてくるので、保険診療は受けられる」のであり「早とちりして現在の印刷された保険証を捨てたりはしないように」という事だと解る。

河野太郎前(か元か)担当大臣の無情な姿勢が世論の反対や主張や異議に対して全く聞く耳を持たなかった姿勢が、俗称「マイナ保険証」に対する嫌悪感と言うか解りにくさと、広報宣伝の不行き届きだったという印象を与えた感が濃厚なのだ。即ち、私は「親切な使い方の手引き」なり「解説書」類を配布していなかったのは行政の手落ちではと見ていた。

マスコミ報道も恰も判官贔屓のように行政に対して批判的でしかなかった。広く国民に知らせて置かなければ、利用率だって上がる訳がないと思うが、如何だろう。

また、担当が厚生労働省なのか医師会側なのが不明だが、紐付けされれば診療内容や処方された薬等の明細が解るので、診療する医師の側でも患者さんに処置/対処しやすくなるとのメリット(英単語の言葉の誤用だが)があるとの点が強調される。だが、それほど多くの病院、医院、クリニック、薬局等での詳細がカードを読み取っただけで即把握できるのかと、やや不安に感じていた。

私などは18年診て頂いているNCGMでの検査結果などは、遅滞なく36年通っているクリニックの院長さんに提示してきているし、お薬手帳もズッとお目にかけてきた。矢張り30数年診て頂いている歯科医には「血液サラサラの薬」を服用し続けていると報告してあるので、抜歯の際などにはNCGMの許可を取るよう指示される仕掛けになっている。「カードに紐付け」以前にここまで出来ていた。

政府なのか厚生労働省が強調したいだろう事は「初診の病院等でもそのようなコミュニケーション(カタカナ語だ!!)がその場で出来るようになるという点だろう」と理解する。救急車で搬送されてきた患者の場合でも、問診の手間が省けるのかもしれない。だが、当方のようにIDとPWのメモをなくして、顔認証で凌いできた者はどうなるのかなどと考えてしまう。

ここまで色々と述べてきたが、気が付いている方も多いだろう事がある。この面倒そうなマイナンバーカードの健康保険証利用の仕方を理解する簡単(かも知れぬ)方法があるのだ。それは、厚生労働省のホームページを開けば、詳細に説明されているという事。スマホでSNSに見入っている暇があれば、この頁も開けば勉強になる事請け合いだ。厚労省もせめてこれくらいは告知されても良かったのでは。

偉そうな事を述べてきたが、明4日には今月になって初の歯科医の予約がある。マイナンバーカードと従来の保険証の両立てて行ってみようかと思案中。此処の先生は30年以上もカルテを手書きしてこられ「これを一気にコンピュータ化して院内にその為に配線をするのならば費用が負担になるが」と昨年だったか、困惑の表情だった。でも、配布されたあのカード専用の機器は受付に置いてあった。

この「マイナンバーカードの健康保険証利用」は財務省が何を差し置いて追求している、国家の財政の健全化に貢献するのだろうか。あの機器を全国の医療機関に無償で配布するのに、予算処置は講じられたのだろうか。そうだとすれば、「103万円の壁の打破の財源だって、予算処置が講じられるのではないのかな」などと、ふと考えてしまう。

日本の政治が一寸心配だ

2024-12-03 08:09:03 | コラム
自民党石破政権に思う事:

実は、マスコミ論調と所謂世論なるものが余りにも「短兵急に」とでも言いたくなるほど「石破過半数割れ内閣は短命に終わるだろう」と予測するよりも「短命に終わらせたい」と報じるのを見ていて感じた事があった。それは「そういう事を過剰に騒ぎ立てると、案外そうとはならないのがこの世の常である」なのである。即ち、閃いたのは「期待?に反して石破内閣は長続きするのでは」というものだった。

石破内閣は短命か:
それかあらぬか、昨2日に2局に登場した田崎史郎氏は「石破内閣は短命に終わる事はないのではないか」と語っておられた。石破首相も所信表明でも、昨日の代表質問の答えでも「103万円の壁の打破」等々の野党から責め立てられている重要(なのだろう)な問題の審議/検討は来年に持ち越すと、寧ろ余裕すら感じさせる答弁で躱していた。その表情は就任当初よりも明るさを感じさせていた。

企業からの献金禁止問題についても「それが我が党の政策を歪めるものではないと看做している」という、全く討論しようとする意志を感じさせない答え方で押し切っていた。これでは答えになっていないのだと思う。何処の世界に「献金して貰った企業に意に沿うような政策を採用してきた」と認める政府と与党があるかという事。あれは単なる説明であり、それで逃げ切ってしまうという意志の表れと聞こえた。

要するに、石破首相は野党とdodge ball(ドッジではなくて「ダッジボール」なんだけど)のゲームをやっているような調子で、危ないボールが飛んできたら、ヒラリと体をかわして見せただけ。そのボールを受け取って投げ返す事なく、ゲームを続けていくつもりであるかのよう。いきなり決めつければ「財務省の意に沿わない財政負担になる政策は採用しない」と言っているのと同じであるかのように聞こえた。

政府と与党間の意志の疎通:
こう表現するのが適切かどうかは解らないが、昨日BSに登場された井上信治議員は「103万円の壁」問題への対処を突っ込まれると「代わりになる財源が担保されていない以上、慎重に対応せねばならない」と逃げるだけで、玉木雄一郎国民民主党代表と議論する意志は全くないような言い方に終始した。

それはそれで党を代表する責任ある立場で登場したのだろうから、石破総理/総裁以上の事は言えない(あるいは言ってはならないと縛られていたのだろうから)のは当然だろうと思う。だが、重要な案件については一議員に討論する意志を見せないという事は「自由民主党内では専制国家の如く、外部への発言が統制されているのでは」と疑いたくなった。

自民党は各局が力を注いでいるかのように見えるBSの番組に送り込む議員は、概ね都下の有名進学校から東大法学部を経て中央官庁、さらにそこからハーバード大学やオックスフォード大学等のアメリカやUKの有名大学の修士号や博士号を取得された中堅の精鋭を送り込んでくる。先の選挙で落選した牧原秀樹氏などは典型的なお利口さんだったのである。

Debateが出来ない/しようとしない:
昨夜の井上信治氏も同様に、言質を取られないような賢い発言で躱していた。無表情で教条的というか原理主義的で実が伴っていない事ばかり言うので、聞いている方にすれば「出てくるなよ。それしか言えないのであれば」と言いたくなってしまう。尤も、「そうやってボールを捕球して投げ返さないで時が経つのを待っているのが自民党の政治」なのかも知れないが。

アメリカのように中学や高校で「debateを教えなさい」とまでは言わないが、もう少し国会でもテレビでも白熱した腹蔵なき議論/意見交換の機会があっても良くはないだろうか。「103万円の壁」の件についても、テレビ局の司会者は「落とし所を何の辺りに設定されていますか」という、私に言わせれば愚問なのだが、我が国独特の妥協点を探るような事を訊いている。「偶には腹を割って言い合えよ」なのだが。

私が心配している事は「こんな事を何時まで続けているのか。この状態では海外に出れば・・・」と言いたくなってしまうのだ。次なる相手は「アメリカ第一」と「自分第一」を信条として強引に自己都合だけで議論を推し進めようとする、かの強引なる大統領のトランプ様なのだから。