利用率は15%程度に止まっているとか:
昨12月2日で新規に従来の健康保険証の新規発行がなくなったのだが、マスコミ報道は見ているとこの機会にとばかりに「解りにくい、使い難い、現場が混乱している」という点ばかりを取り上げている感があるのだ。解りやすく言ってしまえば「周知徹底しないのは何処の何方の責任か」と言わんばかりの報道振りである。
だが、そのニュースを落ち着いて聞いていれば「12月3日以降も現在の保険証に記載されている有効期間中は使える」のであり「マイナンバーカードに紐付けをしていてもいなくても資格証明書なるものが送付されてくるので、保険診療は受けられる」のであり「早とちりして現在の印刷された保険証を捨てたりはしないように」という事だと解る。
河野太郎前(か元か)担当大臣の無情な姿勢が世論の反対や主張や異議に対して全く聞く耳を持たなかった姿勢が、俗称「マイナ保険証」に対する嫌悪感と言うか解りにくさと、広報宣伝の不行き届きだったという印象を与えた感が濃厚なのだ。即ち、私は「親切な使い方の手引き」なり「解説書」類を配布していなかったのは行政の手落ちではと見ていた。
マスコミ報道も恰も判官贔屓のように行政に対して批判的でしかなかった。広く国民に知らせて置かなければ、利用率だって上がる訳がないと思うが、如何だろう。
また、担当が厚生労働省なのか医師会側なのが不明だが、紐付けされれば診療内容や処方された薬等の明細が解るので、診療する医師の側でも患者さんに処置/対処しやすくなるとのメリット(英単語の言葉の誤用だが)があるとの点が強調される。だが、それほど多くの病院、医院、クリニック、薬局等での詳細がカードを読み取っただけで即把握できるのかと、やや不安に感じていた。
私などは18年診て頂いているNCGMでの検査結果などは、遅滞なく36年通っているクリニックの院長さんに提示してきているし、お薬手帳もズッとお目にかけてきた。矢張り30数年診て頂いている歯科医には「血液サラサラの薬」を服用し続けていると報告してあるので、抜歯の際などにはNCGMの許可を取るよう指示される仕掛けになっている。「カードに紐付け」以前にここまで出来ていた。
政府なのか厚生労働省が強調したいだろう事は「初診の病院等でもそのようなコミュニケーション(カタカナ語だ!!)がその場で出来るようになるという点だろう」と理解する。救急車で搬送されてきた患者の場合でも、問診の手間が省けるのかもしれない。だが、当方のようにIDとPWのメモをなくして、顔認証で凌いできた者はどうなるのかなどと考えてしまう。
ここまで色々と述べてきたが、気が付いている方も多いだろう事がある。この面倒そうなマイナンバーカードの健康保険証利用の仕方を理解する簡単(かも知れぬ)方法があるのだ。それは、厚生労働省のホームページを開けば、詳細に説明されているという事。スマホでSNSに見入っている暇があれば、この頁も開けば勉強になる事請け合いだ。厚労省もせめてこれくらいは告知されても良かったのでは。
偉そうな事を述べてきたが、明4日には今月になって初の歯科医の予約がある。マイナンバーカードと従来の保険証の両立てて行ってみようかと思案中。此処の先生は30年以上もカルテを手書きしてこられ「これを一気にコンピュータ化して院内にその為に配線をするのならば費用が負担になるが」と昨年だったか、困惑の表情だった。でも、配布されたあのカード専用の機器は受付に置いてあった。
この「マイナンバーカードの健康保険証利用」は財務省が何を差し置いて追求している、国家の財政の健全化に貢献するのだろうか。あの機器を全国の医療機関に無償で配布するのに、予算処置は講じられたのだろうか。そうだとすれば、「103万円の壁の打破の財源だって、予算処置が講じられるのではないのかな」などと、ふと考えてしまう。