熊が裏庭に逃げ込んだのか?
「秋田県のスーパーマーケットに熊が侵入してバックヤードの立て籠もった」と報道されている。カタカナ語排斥論者でも「バックヤード」の意味くらいは察しがつく。要するに英語の”backyard”とは異なる「小売店のお客には見えない裏側の施設」のことだろうと思った。まさか、その店舗が「裏側に板囲いされた庭」を持っていた訳ではあるまい。
Wikipediaの定義では「バックヤードとは、小売店舗あるいは博物館等の施設で、通常の利用客や来場者が立ち入らない場所を指す。英語で「裏庭」を意味するbackyardに由来するが、日本語独自の用法である。」となっていて明快。チャンと英語のbackyard由来とまで指摘してくれてあった。
私は「報道する側が業界の用語をちゃっかり借用して、具体的に熊が何処に立て籠もったかの説明を省略したのだ」と解釈した。つまり、詳細に業界用語のカタカナ語を説明すれば長くなるから端折ったという、不親切な行為である。一般の客様が売り場の裏側にある調理場その他を「バックヤード」と呼ぶと承知している事を前提にしたのだと疑う。言うなれば「手抜き報道」ではないか。
だが、報道する側に多少の理解を示せば「熊が小売店舗あるいは博物館等の施設で、通常の利用客や来場者が立ち入らない場所に立て籠もった。バックヤードとは英語で「裏庭」を意味するbackyardに由来するが、日本語独自の用法である」とまで細かく報道する代わりに、一言「バックヤード」で片付けたという事だろう。相変わらず、彼等はカタカナ語を重宝に使うのだ。
折角”backyard”の話を取り上げたので、それに纏わる経験談を。Mead社のオゥナー(ownerの発音は「オーナー」ではない)のネルソン氏に「ご近所にゴルフのチャンピオンコースであるNCRカントリークラブがありますね」と語りかけたところ「そうだ。あれはウチのbackyard(=裏庭)を貸しているのだ」と一言。
この話は「アメリカの富豪とはこういうものだ」という事に加えて、「アメリカは国土が非常に広いので余裕があるのだという事」を如実に示しているのだと思った。それにしても桁が違う。熊が何頭立て籠もれる事か。
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