新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

6月8日 その2 笹生優花さんのUSオープンの優勝に思う

2021-06-08 14:31:40 | コラム
凄いことだと素直に心から褒めてあげたい:

我が国の若い女子には強くて上手くて凄い人がいるものだと、あらためて感心している。笹生さんが3日目(?)に良い位置に付けているなくらいは新聞報道で承知していたが、まさか優勝してしまうとは全く考えていなかった。それも、既にアメリカに行って何年か経って実績もある畑岡奈沙とプレーオフで勝ったというのには、更に驚かされた。

もうずっと昔の事のように思われる渋野日向子さんが全英オープンで勝ってしまったときにも「そういう事もあるのか」と極めて印象深かったように、我が国の若き女性たちは個人種目の競技では年を追う毎に強くなってきているようなのは、大変結構なことだと感心している。しかしながら、個人競技というものの怖さというか恐ろしさは、私が屡々言うような「モメンタムのスポーツ」であることの怖さと「時の運」の援軍の後押しがあると思っている。

私は未だに渋野日向子さんの全英オープンの優勝は「モメンタムのスポーツ」の凄さであり、怖さだと思っている。回りくどいことは言わないようにすれば、私は渋野さんの優勝は本当の実力で勝ち取ったものではなく「まぐれ当たり」だったのではないかと、今でも疑っている。そして、彼女があれ以降これという成績を残していないのは、単に実力だけの問題ではなく、私が常に批判している「マスコミの過剰な持て囃し方と持ち上げ方の所為である」と固く信じている。チヤホヤされていると当人が意識していなくても、そういう結果になってしまった例が多過ぎるのだ。

私は団体競技であるサッカーを昭和20年(1945年)から1972年まで何らかの形で続けてきただけなので、テニスやゴルフや水泳や陸上競技等の人たちが「何故そうなってしまうのだろうか」と思わせられるような「勝ったり、負けたり」が交互に出てきて安定するのが非常に困難なように見える辺りの怖さと難しさを見せつけられて、よくあのような競技をやろうと志したものだと、寧ろ尊敬していた。

松山英樹がマスターズを取ったときにも国を挙げて褒め称えたし、総理大臣賞まで与えたことを見ていて「これで松山君はモメンタムを失わなければ良いのだが」としか思えなかった。それかあらぬか、彼はあれ以来これというトーナメントでは、マスコミの過剰な期待を裏切って勝てていない。大坂なおみさんの件では、私は先日彼女にお詫びしたが「まぐれ当たり」を疑っていた。だが、それがうつ病に苦しめあられていたとは露知らず、大変失礼してしまった。

そこで、笹生さんだ。マスコミは既に取材してあったようで、彼女のお父さんの独得の体幹を鍛える訓練法のビデオまで見せてくれた。その手法が効果的か否かは私が云々することではないと承知している。だが、少なくともUSオープンで優勝してしまった以上、優れた方法だったのだろう。また、モメンタムも後押ししたのだろうと見ている。そこで気懸かりなことは「例によって例の如きマスコミの過剰なチヤホヤの仕方だ。彼女とお父さんがそれを知っておごってしまうのではなく、過去にその過剰に持ち上げられた人たちが、言い方は悪いが「一発屋」に終わった例が多過ぎたのだ。

願わくは、我が親愛なるマスコミはここから先は余り笹生さんにまとわりつくことを避けて、前途有望な19歳の少女がアメリカという世界最高の場で、モメンタムのお陰やまぐれ当たりではなく、真の実力で世界を制覇するのを見守っていて欲しいのだ。あの年齢で思い上がることなく、研鑽を重ねていくことは非常に難しいことだと思う。マスコミだってそのくらい解っているだろうから、余計な騒ぎ立てをして貰いたくないのだ。私は「日本出身の横綱」と妙に囃し立てた稀勢の里が沈んでいったのが印象的だったから言うのだ。



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