道を歩いているときや電車に乗っているとき、突然ひとり言が口から出て、驚くことはないだろうか。
若い人は、ないかもしれない。
私も若い頃はなかった(と思う)。
しかし、年を重ねると、たまに勝手に言葉が出てくることがある。
この間は、電車に乗っていて、「麦とろご飯 食いたい」という言葉が勝手に出てしまった。
最初は気づかなかったのだが、隣に座っていた30歳くらいのサラリーマンが、「え!」というように、首を高速で動かして私の方を見たから、ああ、やっちまったな、と思った。
自転車に乗っていたとき、突然「ズッキーニ!」と叫んでしまったこともある。
別に、ズッキーニを食いたいわけではなかったと思うが、なぜか出てしまったのである。
まわりに誰もいなくて、助かった。
図書館で調べものをしていたとき、本の説明がくどかったので、つい「回りくどいんだよ!」と声に出してしまったことがある。
まわりの視線が、痛かった。
一昨日、東横線に乗っていたときのことだ。
昼間の東横線は、空いていた。
日吉から渋谷まで。
一つの車両には、私も含めて、6、7人しか乗っていなかった。
ゆったりした気分で、車窓を楽しむことができた。
しかし、田園調布から乗ってきた40歳くらいの女性が、私の斜め前4メートルほどのところに座ってから、環境が一変した。
痩せているか太っているかと言えば、お世辞にも痩せているとは言えない。
かといって、普通かと言えば、お世辞にも普通とは言えない。
要するに、太っていた。
ただ、高級そうなコートを着ていたので、金持ちの奥様かもしれない。
その太った金持ちの女性が、突然「そんなことある?」と言ったのである。
え?
彼女から一番近い距離にいる人間は、私だ。
だが、私は、ただ車窓を見ていただけだ。
車窓を見ただけで「そんなことある?」と言うのなら、テレビ朝日系列の「世界の車窓から」はみな、「そんなことある?」になってしまう。
そんなことを思っていたら、今度は「何それ!」と言うではないか。
車窓を見ていただけで「何それ!」なら、「世界の車窓から」だって…………。
しかし、よく女性を観察してみると、女性の右耳にはイヤフォンが突き刺さっていた。
つまり、何かを聞いていたのだろう。
そして、次は「おかしいって!」と言ったあとで「ハハハ」である。
これは、音楽ではないだろう。
ワン・ダイレクションやケイテイ・ペリーの歌を聴いて、「そんなことある?」「何それ!」「おかしいって!」「ハハハ」と反応する人は、明らかに脳のネジが2本取れている人だ。
もう一度、女性を観察してみたが、脳のネジが2本取れているかどうかは、判別できなかった。
だから、これは保留にした。
保留にしている間に、祐天寺駅が近づいてきた。
太った金持ちの女性が、腰を浮かせた。
ここで降りるようだ。
ゆっくりと腰を上げた女性は、満足そうな顔で、「まったくアンジャは、面白いわ」と呟いた。
そして、巨体を反らせながら、堂々と降りていった。
アンジャ?
もしかして、アンジャッシュのこと?
アンジャッシュのコントを映像なしの声だけで聞いていたということか。
それは、予想外だった。
アンジャッシュくらいの完成されたコントなら、声だけでも面白いとは思うが、それをわざわざ電車の中で聞くという発想は、私にはないものだ。
しかも、声に出して喜んでいらっしゃったのである。
電車が空いていたからいいようなものの、混んでいたら、ただの迷惑オバさんになってしまう。
大丈夫なのだろうか。
いままで、トラブルはなかったのだろうか。
余計なお世話だとは思うが、心配になった。
いずれにしても、ひとり言には気をつけなければならない。
だから私も、電車の中で、アンジャだけは、やめておこうと思う。
ところで、頭の悪い政治家がいたものである。
自民党の石破茂幹事長がブログで、特定秘密保護法案に反対する市民のデモについて「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます」と言ったそうだ。
自分たちの政策に反対することを「テロ行為」と表現するなど、どこの国のどの文献にも載っていないのではないか。
反対の声をあげられない国家は「暗黒国家」だ。
そして、それを強要する政治家は独裁者の本質を持つ。
石破茂氏の本質を突き詰めると、独裁政治家に行き着くかもしれない。
怖いことだ。
若い人は、ないかもしれない。
私も若い頃はなかった(と思う)。
しかし、年を重ねると、たまに勝手に言葉が出てくることがある。
この間は、電車に乗っていて、「麦とろご飯 食いたい」という言葉が勝手に出てしまった。
最初は気づかなかったのだが、隣に座っていた30歳くらいのサラリーマンが、「え!」というように、首を高速で動かして私の方を見たから、ああ、やっちまったな、と思った。
自転車に乗っていたとき、突然「ズッキーニ!」と叫んでしまったこともある。
別に、ズッキーニを食いたいわけではなかったと思うが、なぜか出てしまったのである。
まわりに誰もいなくて、助かった。
図書館で調べものをしていたとき、本の説明がくどかったので、つい「回りくどいんだよ!」と声に出してしまったことがある。
まわりの視線が、痛かった。
一昨日、東横線に乗っていたときのことだ。
昼間の東横線は、空いていた。
日吉から渋谷まで。
一つの車両には、私も含めて、6、7人しか乗っていなかった。
ゆったりした気分で、車窓を楽しむことができた。
しかし、田園調布から乗ってきた40歳くらいの女性が、私の斜め前4メートルほどのところに座ってから、環境が一変した。
痩せているか太っているかと言えば、お世辞にも痩せているとは言えない。
かといって、普通かと言えば、お世辞にも普通とは言えない。
要するに、太っていた。
ただ、高級そうなコートを着ていたので、金持ちの奥様かもしれない。
その太った金持ちの女性が、突然「そんなことある?」と言ったのである。
え?
彼女から一番近い距離にいる人間は、私だ。
だが、私は、ただ車窓を見ていただけだ。
車窓を見ただけで「そんなことある?」と言うのなら、テレビ朝日系列の「世界の車窓から」はみな、「そんなことある?」になってしまう。
そんなことを思っていたら、今度は「何それ!」と言うではないか。
車窓を見ていただけで「何それ!」なら、「世界の車窓から」だって…………。
しかし、よく女性を観察してみると、女性の右耳にはイヤフォンが突き刺さっていた。
つまり、何かを聞いていたのだろう。
そして、次は「おかしいって!」と言ったあとで「ハハハ」である。
これは、音楽ではないだろう。
ワン・ダイレクションやケイテイ・ペリーの歌を聴いて、「そんなことある?」「何それ!」「おかしいって!」「ハハハ」と反応する人は、明らかに脳のネジが2本取れている人だ。
もう一度、女性を観察してみたが、脳のネジが2本取れているかどうかは、判別できなかった。
だから、これは保留にした。
保留にしている間に、祐天寺駅が近づいてきた。
太った金持ちの女性が、腰を浮かせた。
ここで降りるようだ。
ゆっくりと腰を上げた女性は、満足そうな顔で、「まったくアンジャは、面白いわ」と呟いた。
そして、巨体を反らせながら、堂々と降りていった。
アンジャ?
もしかして、アンジャッシュのこと?
アンジャッシュのコントを映像なしの声だけで聞いていたということか。
それは、予想外だった。
アンジャッシュくらいの完成されたコントなら、声だけでも面白いとは思うが、それをわざわざ電車の中で聞くという発想は、私にはないものだ。
しかも、声に出して喜んでいらっしゃったのである。
電車が空いていたからいいようなものの、混んでいたら、ただの迷惑オバさんになってしまう。
大丈夫なのだろうか。
いままで、トラブルはなかったのだろうか。
余計なお世話だとは思うが、心配になった。
いずれにしても、ひとり言には気をつけなければならない。
だから私も、電車の中で、アンジャだけは、やめておこうと思う。
ところで、頭の悪い政治家がいたものである。
自民党の石破茂幹事長がブログで、特定秘密保護法案に反対する市民のデモについて「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます」と言ったそうだ。
自分たちの政策に反対することを「テロ行為」と表現するなど、どこの国のどの文献にも載っていないのではないか。
反対の声をあげられない国家は「暗黒国家」だ。
そして、それを強要する政治家は独裁者の本質を持つ。
石破茂氏の本質を突き詰めると、独裁政治家に行き着くかもしれない。
怖いことだ。