リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

無視が一番いい

2014-02-02 08:45:00 | オヤジの日記
ファミリーマートのコンビニ弁当は食ったことがない。

最近のコンビニ弁当は、かなり研究されて作られているから、安い割には美味いと聞く。

フォアグラを使った弁当も美味かったのだろうな、と想像する。

ファミリーマートが工夫して作った「フォアグラ添えハンバーグ弁当」は、高級食材を使っているにもかかわらず、600円台で販売される予定だったらしい。

しかし、消費者などからクレームが来て、販売中止に追い込まれた。

ネットの記事を見ると、「22件のクレーム」が寄せられたという。

22件なんて、少ないじゃないか、という人もいたが、それは浅薄なご意見だ。
「クレーム」という強硬手段に出る人は、ごく限られた特殊な人だが、その裏には同じことを思っていても抗議しない人がたくさんいる。

何かに対するデモなども、参加する人は少数でも、同じように抗議の意志を持っている人は、その何十倍もいることが多い。

たった22件なのに? ではなく、抗議という手段に出た人が複数いたことが重要なのである。
会社側は、そのことを尊重したのだと思う。

ただ、販売を中止することはなかったのではないかと思う。

抗議が来た。
面倒くさいことになりそうだから、中止にしよう。

私には、会社側の対処の仕方が、投げやりに思えてしまったのだ。

フォアグラという食材が、もともとガチョウの肝臓を無理やり肥大させることから、「残酷だ」と非難する欧米の国もあると聞く。
今回は、会社側が、そんな欧米の風潮も加味して、早々と白旗を揚げたのではないだろうか。

「大問題」にならないうちに、やめてしまおう。
その方が、傷口が小さくて済む、という臆病な危機管理が働いた可能性もある。

あるいは、高級食材は他にいくらでもあるのだから、厄介なフォアグラはサッサと切って、他を探した方が次の展開が早くなると現実的に考えたのか。


しかし、今回のように、クレームが来たら即座に取りやめる、という風潮が他の業界にも蔓延してきたら、制作側のモチベーションは確実に下がるだろう。

ありふれた無難なもので商品を作る方が安全だ、ということになれば、奇抜な作品が生まれにくくなるのではないか。

私だったら、この場合どうするか、と考えた場合、答えは一つしかない。


無視する。


食べてから「まずい」とクレームをつけられるのは我慢できる。
まずいものを作った方が悪いからだ。

しかし、食べもしないで、食材が「残酷だから」では、全く論理的ではない。
私の中には、熊の右手の料理やヤギの脳みその料理など、あるいは牛に無理やりビールを飲ませて肉を柔らかくする手法と比べて、フォアグラは本当に「残酷」なのか、という下世話で喧嘩的な論争をしたくなる願望がある。

だが、下世話過ぎて、自己嫌悪に陥りそうなので、この場合は無視した方が得策だ。

不毛なクレームには、無視が一番いい。


あるテレビドラマが、物議をかもしているが、この場合も、「最終回まで観てから文句を言ってくれ」と無視する。


米国駐日大使が、「イルカの追い込み漁」に関して、苦言を呈したという。

欧米人は、異文化に対する許容能力が低い。
それは、彼らの脳の中に、侵略と略奪で、自国の文化を他国に押しつけてきた歴史が刻み込まれているからだろう。
文化は俺たちが与えるもので、相手を理解するものではない。
他国の文化には価値がない、という意識が強いのだと思う。

環境保護という大義名分を掲げ、クジラやイルカと共存したいと考える、おとぎ話好きの欧米人は、合理的な人たちでもある。
いつか、クジラやイルカが増え過ぎて、欧米社会に害を及ぼそうとしたら、彼らは、ためらうことなく「アイツらを排除せよ!」と騒ぎ立てるに違いない。

要するに、異文化を介在して、欧米人と価値観を共有するのは無駄だから、無視した方がいいということだ。


ファミリーマートの弁当やテレビドラマの件も含めて、「無視」が一番いい「戦略」である、と私は思っている。