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リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

相性の悪いやつ

2016-01-03 08:45:00 | オヤジの日記
あけまして おめでとうございます


唐突だが、誰にでも相性の悪い作家というのが、いると思う(いない?)。
私にとって、それは内田康夫氏だった。

友人から何冊か本を借りたことがある(ほとんどが無理矢理押しつけられた)が、毎回30ページ程度読むとため息をついて、本を閉じることを繰り返した。

何だこのフニャフニャした文体。
緊張感のない展開。

これは、本当にミステリーなのか? とミステリーは好きだが、読解力に乏しい私は毎回のように眉間にしわを寄せてページをめくったものである。

去年は、彼に借りた内田康夫氏の「上海迷宮」というのを何とか後半過ぎまで読み進んだが、残り80ページで我慢の限界を感じて、結末までは至らなかった。

内田康夫氏は超ベストセラー作家である。
その作品は、ドラマ化もされているらしい。
つまり、プロとして、人の鑑賞に堪えるものを書いているということだ。

しかし、私とは相性が合わない。
それは、相性が悪いとしか言いようがないものだと思う。

ベストセラー作家の作品が、面白くないはずはないのだ。
私の感性が、きっとおかしいのだろう。

海堂尊氏も、ベストセラー作家である。
医者でもあるらしい。
友人が彼の作品を絶賛していて、5年以上前、彼から「チーム・バチスタの栄光」を押し付けられた。
これも、相性が悪かった。

外国のミステリーのように比喩を多用している文体が、私にはすべて上滑りしているように感じられて、物語に集中できなかった。
この程度の話なら、余計な比喩を使わなければ、半分の文章でまとめられたのではないか。
そう思ってしまったら、ページをめくる手が、鉛のように重くなって止まってしまっのだ。

50ページも行かずに挫折した。

友人には、「楽しめなかった」と正直に言った。
すると、次に「螺鈿迷宮」というのを貸してくれた。

「これは、おまえ好みかも」と言われて読んだが、30ページで挫折。

友人は、今度は意地になって「ジェネラル・ルージュの凱旋」を貸してくれた。
「これは、俺が一番好きな作品なんだ」

しかし、20ページも行かずに挫折。

「何でだろうな」と友人。

文章に、無駄が多すぎるんだよ。
それが、ミステリーだと言われたらそれまでだが、もっとスッキリまとめられないのかな。
いたずらに文章をこねくり回した比喩は、自己満足にしか思えないんだが・・・。

それに対して、友人はあきらめ顔で言う。
「まあ、お前は、変わっているからな」

そうです。
私は、まぎれもなく変人です。

他にも、その友人は、音楽が好きな男だった。
それも、大御所ミュージシャンが好きだった。

例えば、さだまさし氏、松任谷由実氏、長渕剛氏、矢沢永吉氏、中島みゆき氏、小田和正氏、松山千春氏、井上陽水氏、吉田拓郎氏など。

「松任谷由実の新しいアルバム買ったんだけど、聞く?」
聞かない。
「矢沢永吉の新しいやつ、最高だよ。聞く?」
聞かない。

その人たちは、きっと今もいい曲を作っているのだろう。
しかし、その人たちの曲は、むかしアルバム一作をそれぞれ聴いて肌に合わないと感じたので、私としては一作で十分だと思った。
おそらく、これからも一生聴かないと思う。

相性が悪いからだろう。


我がおんぼろアパートの近所に、サクマさんという人がいる。
私と同じ自由業のようだ。

彼は、40歳から50歳前後の男の人を集めて、「DANCHU会」(男が料理を作る会)というのを作っていた。
会員は、10名を超えるという。

3年前まで、サクマさんに「Mさんも、入りませんか」と頻繁に誘われていた。
しかし、いつも断っていた。
10回以上誘われたが、その度に断った。

普通、2回誘って断られたら私なら諦めるのだが、サクマさんはしつこかった。
意地になったかのように、私を誘った。
だから、私も意地になって断った。

「俺、派閥は子どもの頃から嫌いなんですよ」
(我ながら可愛げのない言い方)

私より7つ年下の小柄で小太りの男。

彼は、私がランニングをしている姿を見て、「Mさんは、いつも走ってるから、そんなにガリガリなんですね」と言う。
そして、口を歪めて「貫禄ないですよ」と余計なことまで言うのである。

私が自転車の前カゴに買い物袋を満タンに詰めて走っていると、サクマさんは私を無理やり止めて、袋の中身を遠慮なく見るのだ。
そして言う。
「ずいぶん野菜が多いなあ。なに? Mさんは、ベジタリアンなの? ああ、違うの? ベジタリアンみたいな顔してますけどね」

中央線武蔵境駅前のマクドナルドで、一人のんびりコーヒーを飲んでいたとき、突然そばに立って、「自由業はいいですね。優雅ですね。なんか、そんな姿を見てると覇気が感じられませんね」と、自分も自由業のくせにサクマさんは言い捨てて去っていった。

近所を二人の子どもを連れて散歩していたら、「Mさんは、子離れしていないんですね。俺なんか、娘と出歩くことなんか、とっくの昔にやめてますよ。気恥ずかしいじゃないですか」と、サクマさんは胸を反り返らせた。

中央線武蔵境駅前のサイゼリアで得意先の人との打ち合わせを終え、自転車にまたがったとき、偶然出くわしたサクマさんが「あれ、Mさん、また自転車? Mさんって、健康ヲタクだねえ。百歳まで生きるつもり? あんまり長生きしたら奥さんに嫌われるよ」と、ぬかした。

私が、おんぼろアパートの外の歩道に立って、iPhoneで仕事先と会話をしていたとき、それを見ていたサクマの野郎は、「Mさん、iPhoneなんか使ってるの? Mさんって、もしかして、外国かぶれ?」と、ほざいた。

サクマさんは、何を? と聞いたら、俺はアンドロイドと答えた。
iPhoneがダメで、アンドロイドが外国かぶれでない理由は何?

OKストアで食料品を買ってレジで並んでいると、「あれ、Mさん、車がないのに、そんなに買って大丈夫かい? そんなに自転車に積める? 俺の車で運んでやろうか」とサクマが、7つ年上の私にタメ口で言った。

2016年1月1日の昼過ぎ、ランニングを終えて、小金井公園のベンチで日向ぼっこをしていたとき、サクマが通りかかって、私の姿を見ると「アハハハ、暇だねえ」と笑いやがった。

新年から殺意が芽生えた。
(おまえ、俺の後をつけて行動を監視しているのか?)



こんなふうに相性の悪いやつがいたとき、みなさまなら、どうしていますか?


顔は痕跡が残るからNGでしょうが、さりげなくボディに右フックをお見舞いするというのは、いけませんか?




この二日間、右のボディフックの練習をしている私は、間違いなく変人だと思う。