あけまして おめでとうございます
今年も みなさまの一年が ハッピーなイヤーになりますように
12月29日に、韓国に留学中の娘が一時帰国した。
30日には、お友だちと新宿のゲイバーに行った。
最初は、4人で行く予定だったが、なぜか3人増えて7人で行った。
そんなに、みんなゲイバーに興味があるのか。
ゲイバーのゲイさんたちは、20歳から25、6歳までのイケメンばかりだったという。
ゲイバーというと、女装した人ばかりだと思っていたが、それは私の勘違いだったようだ。
プロ級のモノマネをしたり、即興でラップを歌ったり、キレッキレのダンスを踊ったりとゲイ達者な人たちが多くて飽きなかったと娘は感心していた。
話題は、成宮寛貴氏のことや女性の悪口が大半だった。
街中で男とイチャイチャしている女の人を見ると、全員が「踏んづけたくなる!」とお怒りだ。
「電車の中で化粧をしている女を見ると、踏んづけたくなる」
「香水の匂いをプンプンふりまいている女を見ると、踏んづけたくなる」
「待ち合わせ場所で、携帯電話を持ってニヤニヤした顔で話している女を見ると、踏んづけたくなる」
「女は、とにかく踏んづけたくなる!」
要するに、何でも踏んづけたくなるようなのだ。
「でも、私たちも女なんですけど」と軽く抗議すると、「こういうところに金を使う女はいいのよ」と全員の頭をポンポンと撫でた。
「でもね、この店を出たあとは、踏んづけてやるからね! 覚悟しなさいよ!」
床を強く踏みつけて、みんなの笑いを誘った。
そして、次はベッキーの悪口だった。
全員が「あの性悪女、大っ嫌い!」の大合唱だったという。
「ゲスの君は、少しも悪くないわよ。あの女が悪いのよ! 消えてくれてよかったわ」
不倫相手の人は「ゲスの君」と呼ばれているようだ。
「でも、それを聞いたら、うちの父ちゃん怒るだろうな。ベッキーのこと大好きだから」と娘が言うと、「バッカな親だねえ、今度連れてきな。踏んづけてやるから」と、また床を踏みつけた。
「ガイコツみたいに細いから、踏んだら骨が折れちゃうよ」と娘。
「踏んづける価値もない男ってこと?」
「料理上手なガイコツかな」と娘のお友だち。
「ああ、料理のできる男はいいわねえ。それは価値があるわよ。踏んづけるのやめてあげるわ」
(よかった)
最後は、ゲイバーの話題には相応しくない「親不孝」の話になったらしい。
「私たちなんか、親不孝の極みよ」
「実家には帰れないしさ」
「昔の友だちと連絡を取らない子も、たくさんいるからね」
そんな話のあとに、「なんか、シンミリしてきたわね。こんな風にシンミリしたときは、中島先生の歌よね」と言って、そのゲイバーで一番の古株のゲイさんが、立ち上がった。
中島先生?
カラオケが流れた。
中島みゆき氏の「ファイト!」という歌だったようだ。
娘もお友だちも、その歌を知らなかった。
(私も知らなかった)
最初は、変な歌だなと思ったが、ゲイさんが、途中から心の奥底から絞り出すように歌うのを聞いてから、全員が魅せられるように聞き入った。
娘は「鳥肌が立ったぜ」と、そのときの光景を思い出したのか、身震いをした。
そして、ため息をつきながら、「人間って、色々なものを抱えて生きているんだよな」と言った。
ゲイバーに行って、人生を感じてしまったようだ。
「だけどな・・・おまえは抱えていないよな。
ガイコツだもんな。
重いものを抱えたら、折れちゃうもんな。
よかったな、身軽で」
そうなんです。
ガイコツには重いものは無理なんですよ。
重いものじゃなくても「思い出」なんてのも抱えられませんから。
思い出なんか抱えたら、体だけではなく、心が折れてしまいます。
「おい! 自分ではウマいこと言ったつもりだろうが、全然面白くないからな!」
「踏んづけてやろうか!?」
お許しください、お代官様。
私とそんなコントを演じた娘は、朝11時発のフライトで、韓国に戻る。
明日からは、もう授業だ。
成田から始まる私の2017年。
今年こそは、誰からも踏んづけられないガイコツに成田い。
(娘に踏んづけられそうな予感しかしない)
今年も みなさまの一年が ハッピーなイヤーになりますように
12月29日に、韓国に留学中の娘が一時帰国した。
30日には、お友だちと新宿のゲイバーに行った。
最初は、4人で行く予定だったが、なぜか3人増えて7人で行った。
そんなに、みんなゲイバーに興味があるのか。
ゲイバーのゲイさんたちは、20歳から25、6歳までのイケメンばかりだったという。
ゲイバーというと、女装した人ばかりだと思っていたが、それは私の勘違いだったようだ。
プロ級のモノマネをしたり、即興でラップを歌ったり、キレッキレのダンスを踊ったりとゲイ達者な人たちが多くて飽きなかったと娘は感心していた。
話題は、成宮寛貴氏のことや女性の悪口が大半だった。
街中で男とイチャイチャしている女の人を見ると、全員が「踏んづけたくなる!」とお怒りだ。
「電車の中で化粧をしている女を見ると、踏んづけたくなる」
「香水の匂いをプンプンふりまいている女を見ると、踏んづけたくなる」
「待ち合わせ場所で、携帯電話を持ってニヤニヤした顔で話している女を見ると、踏んづけたくなる」
「女は、とにかく踏んづけたくなる!」
要するに、何でも踏んづけたくなるようなのだ。
「でも、私たちも女なんですけど」と軽く抗議すると、「こういうところに金を使う女はいいのよ」と全員の頭をポンポンと撫でた。
「でもね、この店を出たあとは、踏んづけてやるからね! 覚悟しなさいよ!」
床を強く踏みつけて、みんなの笑いを誘った。
そして、次はベッキーの悪口だった。
全員が「あの性悪女、大っ嫌い!」の大合唱だったという。
「ゲスの君は、少しも悪くないわよ。あの女が悪いのよ! 消えてくれてよかったわ」
不倫相手の人は「ゲスの君」と呼ばれているようだ。
「でも、それを聞いたら、うちの父ちゃん怒るだろうな。ベッキーのこと大好きだから」と娘が言うと、「バッカな親だねえ、今度連れてきな。踏んづけてやるから」と、また床を踏みつけた。
「ガイコツみたいに細いから、踏んだら骨が折れちゃうよ」と娘。
「踏んづける価値もない男ってこと?」
「料理上手なガイコツかな」と娘のお友だち。
「ああ、料理のできる男はいいわねえ。それは価値があるわよ。踏んづけるのやめてあげるわ」
(よかった)
最後は、ゲイバーの話題には相応しくない「親不孝」の話になったらしい。
「私たちなんか、親不孝の極みよ」
「実家には帰れないしさ」
「昔の友だちと連絡を取らない子も、たくさんいるからね」
そんな話のあとに、「なんか、シンミリしてきたわね。こんな風にシンミリしたときは、中島先生の歌よね」と言って、そのゲイバーで一番の古株のゲイさんが、立ち上がった。
中島先生?
カラオケが流れた。
中島みゆき氏の「ファイト!」という歌だったようだ。
娘もお友だちも、その歌を知らなかった。
(私も知らなかった)
最初は、変な歌だなと思ったが、ゲイさんが、途中から心の奥底から絞り出すように歌うのを聞いてから、全員が魅せられるように聞き入った。
娘は「鳥肌が立ったぜ」と、そのときの光景を思い出したのか、身震いをした。
そして、ため息をつきながら、「人間って、色々なものを抱えて生きているんだよな」と言った。
ゲイバーに行って、人生を感じてしまったようだ。
「だけどな・・・おまえは抱えていないよな。
ガイコツだもんな。
重いものを抱えたら、折れちゃうもんな。
よかったな、身軽で」
そうなんです。
ガイコツには重いものは無理なんですよ。
重いものじゃなくても「思い出」なんてのも抱えられませんから。
思い出なんか抱えたら、体だけではなく、心が折れてしまいます。
「おい! 自分ではウマいこと言ったつもりだろうが、全然面白くないからな!」
「踏んづけてやろうか!?」
お許しください、お代官様。
私とそんなコントを演じた娘は、朝11時発のフライトで、韓国に戻る。
明日からは、もう授業だ。
成田から始まる私の2017年。
今年こそは、誰からも踏んづけられないガイコツに成田い。
(娘に踏んづけられそうな予感しかしない)