(社)静岡県ニュービジネス協議会の機関誌『SHIZUOKA NEW BUSINESS』の新年号が完成しました。
目玉は、協議会副会長でテレビ静岡元会長の曽根正弘さんが寄稿してくださったミャンマー訪問記。アジア新市場として大注目のミャンマー・ヤンゴンに、2012年11月、協議会海外視察団が訪問したのですが、さすが、フジテレビの海外特派員として世界各国を取材された曽根さんならではの、読み応え十分のレポート&写真です。
機関誌は2色刷りで、せっかくの写真のよさが半減してしまっているので、曽根さんのお許しのもと、当ブログで再掲させていただくことになりました(一部、参加個人名等は割愛させていただいています)。これからミャンマーにお仕事や観光で行かれる方は、ぜひ参考になさってください!
ミャンマー視察旅行(期間:2012.11.17~20)
/報告者:曽根正弘氏((社)静岡県ニュービジネス協議会副会長/ミャンマー視察団長/㈱テレビ静岡取締役相談役)
総括:
ミャンマーは開発途上国ながら、国民性は自主独立の気概と自尊心の高さで凛としています。信仰の深さによる精神的満足感、伝統的な道徳感・倫理感、天然資源の豊富さ、地政学的な優位性により、今後の発展が大いに期待されます。また、総じて親日的であり、英国統治下のビルマ族弾圧の記憶から、欧米に対する認識は現実的で、バランスがとれています。
今回の訪問は週末から始まったこともあり、まず、主要な寺院を訪問し、仏教文化の深さを知り、旧来のマーケットや最新のショッピングモールを探訪して庶民の生活と経済を実感し、いくつかのレストランで食文化を体験し、アウンサン将軍の痕跡にも触れ、工業団地訪問では未整備ながら広大な産業基地が生まれつつあることを検証。ジェトロ訪問ではミャンマーの可能性について説得性のある解説を聞き、ミャンマー・日本ビジネス支援組合では先方の起業家たちと意見交換し、今後の交流のきっかけを作り、ミャンマーへの短い訪問でしたが、多くの収穫を得ました。
2012年11月17日(土)
総勢17名の静岡県ニュービジネス協議会の一行は中部国際空港からタイ航空にて6時間15分で、予定より約30分早く、現地時間15時15分、バンコクのスバルナブミ空港に到着。2時間40分の乗継ぎ時間があって、ヤンゴン行きのゲートまでの約2キロに及ぶ長大なショッピングモールを見物しながら移動した。その距離に高をくくっていたら、間際になって、なかなか行き着かなくて、あせるくらいであった。バンコクからヤンゴンは1時間15分で現地時間18時40分にヤンゴン国際空港に到着。
貸切バスに乗り込み、通訳・ガイドのサニーさんの解説を聞きながら、市内の宿泊ホテル近くのビヤガーデン「シュウェリー」に向かう。そこに着くと、ビジネス目的で先乗りしておられた鴇田会長(協議会会長/㈱TOKAIホールディング代表取締役社長)の姿があった。
鴇田会長の現地のアテンド役も加わって、庭に運び出したテーブルをつなぎ合わせての夕食会となる。長旅の疲れを癒すビールで乾杯。肉も野菜も焼いたり、煮たり、火を通したもの
ばかりで味付けは少し辛い物もあったが、日本人の口には比較的合うように思った。デザートのスイカには衛生状態を危惧してか手を伸ばさない人も多かったが、私は食べて、結果、全くセーフだった。
23時ごろに全員で記念撮影をして、ホテルに向かう。セドナ・ホテルは想像よりはるかに豪華なホテルで広いロビーとカフェ・レストランが正面に見えている。部屋に入ると、キーを壁に
取り付けたポケットに差し込むと全体のスイッチになっていた。バスルームのアメニティーは日本の普通のホテル並みに、歯ブラシ、シャンプー、リンスなど揃い、タオルも大中小、バスローブまで用意されている。使い捨てのスリッパもあった。
テレビは私の部屋はソニー製42インチ。ミャンマー国営テレビのほか、NHK国際放送(英語のみ)、CNN、中国語チャンネルなどが見れるが、アンテナや伝送回路などが悪いせいか、画像は粗くて見にくい。ホテルのWiFi環境は整っており、すぐにiPadがつながったのは、ありがたい。
11月18日(日)
6時起床。窓から見える景色は灌木の林と湖。林の中ではシャベルカーが木を伐採した土地の堀起こし作業をしている。
後で分かったことだが、湖のほとりの一角に青い屋根と白い板壁のしゃれた邸宅があり、それが、アウン・サン・スー・チーさんの家だった。
朝食は三々五々、1階のダイニング・ルームのビュフェでとる。100席ぐらいの堂々たるレストランである。メニューは極めて豊富で、洋風、中華風が中心で、ラーメンに似たスープ麺がうまい。
玄関先で結婚披露宴の受付が設けられて彩り豊かな民族衣装で着飾った若い娘さんたちが、花嫁花婿の友人たちらしく、招待客からボックス入りのお祝いの品を受け取って、お返しに縁起物の小さな金色のスプーンとフォークが入った小箱を渡していた。ご祝儀は5,000から1万チャット、つまり、500円から千円ぐらいと
いうのだから日本の50分の1ぐらいか。もちろん、収入や物価もそのぐらいの比率で低い。我々一行もこの受付け風景が面白く、話しかけたり、写真を撮ったりした。若い女性たちは愛想が良く可愛らしかった。
チャーターバスに乗り、先ず、チャウタージー・パゴダ(寺院)を訪問。玄関先で靴を脱ぎはだしになる。ミャンマーでは、全ての寺院の中に入る時ははだしにならなければならない。内部の石畳はモップでしょっちゅう拭いているのだが、かなり濡れたままの場所が多く、用心していないと滑ってしまう。
この寺院は巨大な横臥仏を安置している。涅槃ではなく、休息するお釈迦さまなので、目元パッチリの女性的ふくよかさを漂わせている。その周囲には曜日別の仏様が配置されていて、人々は自分の曜日の仏様にお祈りをする。ミャンマーでは、誰もが自分の生まれた曜日を知っていて、結婚相手との相性も曜日によって決まっているとか。
続いて、市の中心部にある八角形のスーレー・パゴダに行き、沢山の市民が祈りを捧げる姿を見る。生まれた曜日の中の水曜日だけは午前か午後に分かれているので、1週間が8つの曜日になるのだが、パゴダの中の曜日の順番はカレンダーとは少し違う。中心のパゴダを1周したところにおばさんたちがテーブルで寄付を受け付けていたので、2,000チャット寄付したら、証明と感謝状をくれた。これで、人生ハッピーかな。
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