7月にJR沼津駅隣にオープンした複合コンベンションホール、プラザヴェルデで、開館記念講演【富士と白隠】が開かれ、聴講レポート(こちら)をUPしたところ、講演者の芳澤勝弘先生(花園大学国際禅学研究所教授)から思いがけずコメントをいただいた顛末、こちらにもご紹介しました。
9月には沼津へお越しになった芳澤先生と禅学研の國友憲昭先生(天龍寺塔頭永明院住職)と会食する機会に恵まれ、白隠禅師の故郷・沼津で禅師の功績を学ぶ場所づくりの必要性を実感しました。
沼津のプラザ・ヴェルデでは11月9日(日)に【白隠フォーラムin沼津2014】が開催されます。花園大学が主催する白隠フォーラムは国内外で開催されていますが、沼津では初めて。芳澤先生をはじめ、フランス国立極東学院のフランソワ・ラショー教授、鎌倉円覚寺管長の横田南嶺老大師が登壇されます。
國友先生より送っていただいた案内パンフレット裏面には、芳澤先生のフォーラムに寄せる深遠なメッセージが掲載されていましたので、ここにご紹介いたします。
白隠フォーラムin沼津に向けて/京都 花園大学国際禅学研究所教授 芳澤勝弘
西洋では「予言者、故郷に容れられず」といい、また中国の馬祖道一禅師は「修行者は故郷に帰ってはならない。帰ったら幼名で呼ばれることになる」と言っています。このように、多くの聖人は生まれ故郷を離れるのが常です。しかし、白隠禅師だけは例外です。諸国行脚ののちに沼津原の松蔭寺に住職し、ここを中心に活動されたからです。
近年、白隠禅師に関する資料収集および研究が京都の花園大学国際禅学研究所によって推進され、大型図録の刊行、大規模の白隠展の開催、日本各地および海外における「白隠フォーラム」の実施などによって、白隠の偉業は大きく再評価され、その名は今や世界的なものになっています。2016年には白隠禅師の250年遠忌をむかえ、さらにさまざまな企画が準備されています。
白隠禅師の教えは、一口でいえば「十字街頭の禅」です。すなわち、山中の寺に閉じこもっているのではなく、人々が生活している場所に出かけて、人々に分かるように教えを説かれたのです。その十字街頭がまさに原であり、三島であり、伊豆であり、富士なのです。白隠禅師のホームグランドともいえる沼津で、このたび初めて白隠フォーラムを開催することになりました。
白隠禅師は郷土が生んだ偉人として、すでに地元ではよく知られているのですが、さて本当に禅師の本領、本質が理解できているでしょうか。「おらが白隠」的な雰囲気に終わっていないか、あるいは「知ってるつもり」になってはいないだろうか。
白隠禅師の偉業は今や世界的な範囲で再評価されつつあります。そのことをふまえて、ゆかりの地においても再評価の努力をし、次世代に伝えてゆくことが求められています。世界的な(グローバル)観点から沼津(ローカル)のよさを見直し、誇りをもって、それを日本全体にそして世界に発信してゆければと考えます。
そのためには、沼津を中心としてひろく多くのかたのご参加を得て、ともに学び、認識を共有してゆきたいと念願しております。
沼津で初めて開催される記念すべき白隠フォーラム、ぜひご参加くださいませ!
◇日時 2014年11月9日(日) 12時30分~16時30分
◇場所 プラザ・ヴェルデ 3階コンベンションホールB (JR沼津駅北口東隣)
◇講師 フランソワ・ラショー氏(フランス国立極東学院教授)、横田南嶺老大師(鎌倉 臨済宗円覚寺派管長)、芳澤勝弘氏(花園大学国際禅学研究所教授)
◇入場 無料
◇主催 花園大学国際禅学研究所
◇後援 沼津市
◇定員 400名
◇申込 花園大学国際禅学研究所 tel 075-823-0585 (月~金/9時~17時) e-mail hakuin@hanazono.ac.jp