8月10日(金)、レイクパウエル湖畔の町ペイジを後にして、西部劇の舞台でおなじみ・モニュメントバレーに向かいました。
昼ごろ、モニュメントバレートライバル国立公園内のグールディングロッジにあるRVパークに到着。グールディングロッジとは、モニュメントバレーに西部劇のロケを誘致し、観光地化に尽力してナバホの人々の経済的自立を支援したグールディング夫妻が、最初にこの地にやってきてトレーディングスポット(物々交換場所)を開いた場所で、今は、ホテル、ギャラリー、キャンプ場、ミュージアム等が整っています。
ミュージアム内の“Movie Room”では、ジョン・フォード監督が使用したディレクターズチェアや、我々世代でもお馴染み「バック・トゥー・ザ・フューチャー3」の貴重な香盤表(撮影段取り表)等が展示されていました。
『捜索者』(原題/The Searchers)は1956年の作品。レトロなデザインですね。
2階にはグールディング夫妻が1940年代にこの地に構えた家の室内が再現されていました。アメリカの古き良き時代って感じですね。
ミュージアム裏の「ジョン・ウエインの小屋」、もともとは食糧貯蔵庫だったそうですが、1949年製作の『黄色いリボン』で、ジョン・ウェイン演じるブリトリス大尉の家として外観が使われたとのこと。
余談ですが、別棟にあったレストルーム(トイレ)がとてもきれいだったのに感心しました。今回訪ねたアメリカの観光地はさすがに世界レベルというのか、どこもトイレがきれいで安心して使えました。さすがに日本の温便座&シャワー付きのような高機能トイレは見掛けませんでしたが・・・。
夕食前、カイちゃんの散歩を兼ねて、グールディングロッジ内にある「ザ・ロック」という、まんま!の名前(笑)のトレイルを散策しました。さすがにわんこ、こういう場所では生き生きしてます。大型犬ではなく小型の柴犬だけに岩山に必死に登る姿がよけいにいじらしい・・・。
夜は、RVパークの隣人となったオランダ人ファミリーとミニ・ビアパーティーです。夜といっても20時をまわる頃、やっとうす暗くなるので、延々と呑み続けます。イケメン長男は16歳ですが、オランダでは飲酒OKなんだそう。
グランドキャニオンもアンテロープキャニオンもそうでしたが、アメリカ西部のグランドサークルといわれる国立公園一帯には、ヨーロッパ、とくに北方の寒いエリアからの観光客が実に多いんですね。やっぱり太陽の日差しが恋しいというのか、夏らしい暑い場所に行きたがるのが心情のよう。
翌朝は5時起きで、6時出発のモニュメントバレー乗馬ツアーに参加しました。この時期は、早朝の涼しいうちに回ったほうがいいと、妹夫婦が朝一番の予約をしてくれました。バレー内はジープでも回れるのですが、車では行けない岩山のすぐ脇や池のほとりなどバレーをとことん満喫するなら乗馬ツアーだということで、乗馬経験ゼロながら思い切って参加しました。
ドキドキしながら乗馬スポットまでやってくると、ちょうど朝日が昇る瞬間でした。石川五右衛門並みに「絶景かな~」と叫びたくなりました。
平野さん、最初は「自分の人生で、馬に乗るなんて瞬間が来るとは想像もしてなかった・・・」と戸惑ってましたが、なかなかどうしてバッチリ決まってます。
まったく練習もなしにいきなり乗って、まるまる2時間、一回も降りることなく道なき道を廻るというので、間違いなく途中で落馬するだろうと覚悟しましたが、ナバホのツアーガイドはビビリ初心者に慣れているのか、ゆっくり丁寧に案内してくれました。
最初のうちは、たずなを両手で握りしめ、周りを見回す余裕なんてなかったんですが、だんだん慣れてきて、片手で写真を撮る余裕が出てきました。
右の写真は「Suns Eye」。左は岩壁に描かれた絵画です。
途中で羊の放牧にも出くわしました。
両太ももでしっかり鞍を挟み、不安定になったら腰を浮かし、馬の動きに呼吸を合わせなさい、という注意を必死に守り、どうにかこうにか落馬せずにゴール。
モニュメントバレーのビューホテルまで戻って朝食をとり、車でふたたびグルッと一周しました。
ジョン・フォード監督が好んで撮った『ジョン・フォード・ポイント』、ナバホの人々が『三姉妹』『掌』『親指』等と名付けたユニークな岩山をウォッチン
グ。
妹夫婦は今年初めに亡くなったもう1匹の愛犬(柴犬)ナイキの遺骨を、『アーティストポイント』と呼ばれる美しい荒野に散骨しました。また会いに来る楽しみが出来ると、旅先で少しずつ散骨するんだそうです。・・・全米中の美しい場所に眠らせるって素敵な弔い方法だなと思いました。散骨が容易ではない日本国内じゃ無理かもしれませんが。
最後は国道163号に戻って少し北上し、映画『フォレスト・ガンプ』のロケに使われたポイントで写真を1枚。ガンプが全米ランニングを終えた印象的なシーンが甦ってきました。
・・・なんだか無性に映画が観たくなった一日でした。