今日(13日)は、静岡県清酒鑑評会が10時から静岡県沼津工業技術支援センターで開催され、『吟醸王国しずおか』の撮影クルーとして参加させてもらいました。
この鑑評会は、静岡県下の蔵元が、昨年9月から今年3月までに醸造した新酒を出品し、味や香り、総合的な出来栄えを競うもので、各蔵元にとっては厳しかった酒造りのゴール地点での、ひとつの集大成といえるもの。静岡県酒造組合が主催して毎年行います。
審査は10人の専門家によって厳格に行われ、最優秀には県知事賞が与えられます。昨年までは審査員は5人でしたが、一人あたりの持ち点の割合を下げ、さまざまな階層の専門家に審査してもらうことによって、多様化する市場ニーズに応える結果を出そうという組合の意向で、審査員の構成が変わったのです。内訳は、県沼津工業技術支援センター研究員2名、名古屋国税局鑑定官室長、東京農業大学醸造学科講師、酒類ジャーナリスト、県内蔵元2名、県内杜氏代表1名、県内卸売業者1名、県内小売業者1名です。
酒類ジャーナリストというのは、わがしずおか地酒研究会でも講師としてお世話になっている日本酒輸出協会会長の松崎晴雄さん(写真中央)。気になる蔵元2名とは、『小夜衣』の森本均さん(左)と、『杉錦』の杉井均乃介さん(右)。2人とも蔵元かつ杜氏として、実際に酒造りの陣頭指揮を取り、蔵元仲間からも、そのきき酒能力に信頼が寄せられている方です。杜氏代表は『花の舞』の土田一仁さん。県内では地元雇用の社員杜氏としていち早く実績を挙げた功労者でもあります。
卸売業者は、しずおか地酒研究会の会員でもある『塚本商店』の塚本英一さん。小売業者は函南の『丸屋商店』の大川博之さん。このお2人がどういう経緯で審査員になられたのかはわかりませんが、同業者間から選ばれ、酒造組合が招いたわけですから、相当のきき酒能力をお持ちだと思います。
消費者代表はいないの?と思われるかもしれません。よく地酒まつり等のイベントのきき酒コンテストで優勝したり全国制覇をするツワモノがいますが、やはり、プロの審査は次元が違います。
今回は、県内27社から、吟醸の部に51点、純米の部の52点出品されましたが(各部とも1社最大2点出品可能)、100点余の酒を、「静岡らしい、酢酸イソアミル系のすっきりスマートな香りや、味とのバランスのよさ」を重視しながら、公平に審査していき、2審、3審と絞り込んでいくわけです。これを、10時から14時ぐらいまで、休憩・食事なしでぶっ通しに行います。ふだんから、仕事できき酒をしている人でなければ、まず官能的にも体力的にも持たないでしょう。
4月に開催される東海4県の清酒鑑評会では、4県分の審査ですから、単純にこの4倍以上の酒をきき酒し、5月の全国新酒鑑評会では、全国から集まる1000点余のきき酒をするのです。今日の審査員の方々は、名古屋や全国での審査経験のある、プロ中のプロ、というわけです。
さて、午前中に、カメラマンの成岡正之さん、助手の鈴木慎太郎さんと3人で、新聞社やテレビ局に混じって取材をし、午後に戻って写真を整理していたところ、15時に、酒造組合副会長の橋本謹嗣さん(初亀社長)から、早くも結果がファックスで送られてきました。
なんと、この冬、酒造りを撮影し続けてきた『喜久酔』が、見事、吟醸の部で県知事賞!なんだかわが事のように嬉しくなりました。2位以下は、英君、千寿、磯自慢、花の舞の順でした。
ちなみに、純米の部の県知事賞は『開運』。2位以下は喜久酔、磯自慢、千寿、花の舞の順。
今冬、撮影をした喜久酔と磯自慢の好成績は、わが『吟醸王国しずおか』の船出としても申し分ない結果となりました。青島さんに早速、おめでとうコールをし、「社員や蔵人さんたちでお祝い慰労会をやるならぜひ撮影させてください」とお願いをしました。
なお、静岡県清酒鑑評会の出品酒が誰でも無料試飲できる『蔵元自慢の酒きき酒会』が、3月25日(火)12時~14時、もくせい会館(静岡市葵区鷹匠)で開かれます。県知事賞の『喜久酔』『開運』も、もちろん試飲できますが、毎年、受賞酒はあっという間になくなってしまうので、是が非でも試飲したい方は、12時前に会場前でスタンバイしましょう。私も、撮影隊と一緒に入りますので、ぜひお声かけください。インタビューさせていただきますから!