2月9~10日の2日間、静岡市中心部の青葉イベント広場・葵スクエア(静岡市役所裏)で開催された地域支援イベント「しずおか早春の楽市2013」にて、しずおか地酒研究会のブース【暖杯!しずおか地酒屋台】を出店しました。看板の字、「暖杯」に力を入れすぎて「屋台」まで書けませんでした(苦笑)が、おかげさまでお天気に恵まれ、真冬らしい寒さも手伝って、「今日はビールより日本酒だなあ」というお客さんが続々来てくれました。ストーブを前に出して燗酒用の湯煎鍋をデモしたのが奏功し、燗酒や甘酒が飛ぶように売れまし
た! お寒い中、お越しくださったみなさま、本当にありがとうございました。
「しずおか早春の楽市2013」は、2月8~10日開催の静岡おでんフェア(同実行委員会主催)の協賛イベントとして静岡市観光シティプロモーション課が企画したもの。出店者は他に、山の幸を代表して【清沢道の駅】と【玄国茶屋】、海の幸を代表して【由比港漁協】、みやげ物代表で【駿府楽市】。同課の担当者が、せっかくおでんや桜えびがあるなら、是が非でも地酒を!と、熱心にプロモーションし、回りまわって年明けに私のところへ「どこへ話を持っていけばいいだろうか」との相談がきたのです。
おでんフェアと競合しない市の地域産品イベントで、単独のメーカーや販売店の名前では出店不可というしばりがあり、駿府楽市や組合組織での出店を希望していたようですが、調整に時間がかかったり、その他もろもろの事情で、結局、ニュートラルな市民団体組織なら問題ないということで「しずおか地酒研究会」で出店することに。スズキのような素人がなんで出しゃばるんだとギョーカイの方々から突っ込まれるのを覚悟でお引き受けしました。
静岡市役所のみなさんは、1996年、しずおか地酒研究会の結成のきっかけとなった静岡市立南部図書館地酒講座の開催時からお世話になっていて、足を向けては眠れない、という思いもありましたし、地酒の消費拡大という大きな目でみたら、ギョーカイがフレキシブルに対応できないこういう機会をフォローするのがフリー団体の役割だろうと、ある種、開き直りと使命感?に燃えた、というところもありました。
もちろん、私自身には酒販免許がありませんので、研究会でお世話になっている長島酒店(葵区竜南)、丸河屋酒店(葵区田町)に出店を依頼しました。出店料不要、地酒研へのマージンもなし(もとより趣味のボランティア団体ですから)、売り上げは全額店へ、という負担のない条件でお願いしましたが、イベントブースで酒や食品を販売するには保健所等への届出が必要ですし、両店にとって、店を空けてまで出店した価値があったのかどうかわかりません。それでも両店とも、本当に一生懸命やってくれました。
9日は長島酒店の長島隆博さんが、静岡市内の銘柄をワンカップでそろえ、冷や&お燗で呑ませてくれました。全種300円均一です。
○萩錦 本醸造カップ
○忠正(駿河酒造場) 本醸造カップ
○正雪 金紋カップ
○英君 佳撰カップ
○臥龍梅 純米吟醸カップ
○初亀 本醸造 (1合売り)
○喜久酔 特別本醸造(同)
○開運 上撰(同)
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ブースの前に出したストーブの上に鍋を置き、ワンカップをそのまま湯煎して酒温度計で適温を測って売るというスタイルが物珍しかったらしく、おでん片手のお客さんが大勢集まってくれました。中には、買ったその場イッキ呑みしちゃう危ないオジサンやお姉さんもいて、街中の屋外イベントで酒を売るってこういう難しさもあるんだなあと痛感しましたが、多くのお客さんが「静岡の酒っておいしいんだねえ」と喜んでくれました。
この日は助っ人に、静岡市役所の豊後さん、稲作農家の松下明弘さん、「たまらん」編集長の平野斗紀子さんが来てくれました。またおでんフェア仕掛け人のPAC柴山社長が燗酒を何杯もお代わりして大いに客寄せに貢献してくださり、珈琲専門店「くれあーる」の内田一也さんが、おでん片手の看板男?を務めてくれました(笑)。松下さんは蔵元になり代わって熱心に酒質の解説をしてくれたりして、しずおか地酒研究会の会員総力で盛り上がったなあと嬉しくなりました!
ところが午後からだんだん寒くなってきて、なんとなく体が重くなってきて、終了の16時まではなんとか耐えたものの、終わった後は冷や汗と腹痛。帰宅後は腹下しでバタンキュー。薬もなければ病院にいく気力もわかず、とにかく腹巻をして湯たんぽをかかえて布団にくるまり、ひたすら腹痛がおさまるのを待ちました。夜中に嘔吐し、なんとなくお腹の中がすっからかんになったのを機に腹痛がおさまり、翌朝はなんとか起き上がれました。上半身はなんともないのに、下半身、とくに足が冷凍庫に突っ込んだみたいに冷え冷え状態だったんですね。単純に冷えからお腹に来たようで、ホッとしました。
10日は丸河屋酒店の河原崎吉博さん夫妻が、こういうラインナップをすべて1合300円で呑ませてくれました。
○君盃 天領の瀧純米 無濾過生原酒
○天虹 しぼりたて純米 無濾過生原酒
○萩錦 純米吟醸 無濾過生原酒
○忠正 海舟の山廃純米 5年古酒(旧吉屋酒造製)
○正雪 特別本醸造 生 山田錦
○英君 吟醸 袋吊雫酒
○平喜 喜平 特別純米 誉富士
○開運 上撰
○花の舞 純米 誉富士 富士山を世界遺産登録に
このラインアップを1合300円で呑める価値をすぐに理解してくれたお客さんは、ほんの一握りだったかもしれないけど、こういう場所だから、一杯300円だから呑んでみようと、たまたま買ってくれたお客さんが、その銘柄に好印象を持って覚えてくれる、ファンになってくれるということが、こういう場所での出店の意味なんだろうと思いました。だからこそ、いい酒を(もちろん赤字にならない範囲で)惜しみなく出すべきなんです。事実、お客さんの中には「おでんフェアの会場で売っていた日本酒が一杯400円で0・5合しかなくて味もイマイチだった、ここの評判を聞いて来た」という人もいました。
地酒のほかに、富士錦の純米吟醸酒粕で作った甘酒を一杯100円、酒粕も200g100円で販売。家族総出で200gの小分けパックを100セット用意してくれたそうで、これが飛ぶように売れました。ブースに遊びに来てくれた岩科蓮花さんがさっそくこの酒粕でシチューを作ってフェイスブックにUPしてくれたりして、こういう情報の広がり方ってありがたいなあとしみじみ。
河原崎夫妻は、お子さんがたまたま「しずおか早春の楽市2013」のダンスステージに出演されるとあって、本来は酒を売ってる場合じゃなかったと思いますが、お客さんが途切れず、甘酒や燗酒を作るのに必死で、11時から16時まで休憩なしでがんばってくれました。ちなみに、河原崎さんちの息子さんは、子役タレントとして活躍中で、CM(お母さんの得意料理が“冷奴”というCMとか)にも数多く出演中なんですよ!
厚着&腹巻&カイロ対策で腹痛もどうやら復活することなく、無事、イベントが終了しました。差し入れを持ってきてくださった荒澤さん、狩野さん、本当にありがとうございました。空腹の身にはしみじみ美味しかったです。他のブースをまったく見られず、おでんも1本も食べられなかったのは心残りでしたが、思い出に残るおでんフェアになりました。