日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

世界のリーダーが語る日本への提言 ②ノーベル経済学賞 シラー氏がみるアベノミクス

2014-02-12 08:00:00 | ビズ プラス
2月2日 BIZ+SUNDAY


新興国市場の減速が懸念される中で世界経済を引っ張ることを求められているのが先進国。
なかでも日本の再生には各国の期待がかかる。
特に注目されるのが日本の大規模な金融緩和である。
しかしこの金融緩和は度が過ぎればバブルを引き起こすと心配する専門家も少なくない。
ダボス会議では
アメリカのITバブルやサブプライム問題への警鐘を鳴らしたことでも知られるロバート・シラー教授をゲストに迎えた特別セッションが設けられた。
テーマは「金融緩和による資産価格の高騰」。
(エール大学 ロバート・シラー教授)
「アメリカで再び住宅バブルが起きつつある。
 住宅価格が上昇しているのはアメリカだけではない。」
去年ノーベル経済学賞を受賞したシラー教授。
株式や住宅の市場でバブルが発生していないか判断する指標を開発。
その功績がたたえられたのである。

Q.バブルとはどういうものか?
(エール大学 ロバートシラー教授)
「バブルとは物の値上がりにメディアなどの焦点が当たり引き起こされる人々の興奮状態を指す。
 株や住宅の価格が上昇したとして
 それに浮かれている人たちを見てもっと上がるぞと興奮する人が出てくる。
 こうした人たちがさらに買いに走って実際にバブルが起きる。
 バブルは“自己増殖的”な現象。
 そうなるとバブルはどんどん膨らむ。」

シラー教授の評価を高めたのは経済学に心理学の要素を取り入れた独自の分析である。
心理学者の妻との対話が貢献したという。

Q.心理学者の奥様からはどんな影響を受けたか?
「人間の審理を考えるようアドバイスしてくれたのが妻。
 経済学は数学的なアプローチを重視しがちで自分もそうしてきたが
 妻と出会って人間の本質について深く考えるようになった。
 人の感情を抜きには考えられないということ。」

今回のダボス会議で特に高い関心を集めた日本の金融政策。
出席した日銀の黒田総裁はセッションでデフレからの脱却に自信を見せた。
(日銀 黒田総裁)
「金融政策によって2%のインフレ目標に大きく近づいている。
 経済成長が続く限り私は極めて楽観的だ。」
日経平均株価は去年1年間で56,7%も値上がりした。
(会議参加者)
「アベノミクスは世界経済にも大きな影響を与えた。」
「安倍首相は日本のムードを良い方向に変えた。」

(エール大学 ロバート・シラー教授)
「日本経済はとても成功している。
 安倍総理は課題を解決しようとしている。
 世界が日本とその政策を見ている。
 もともと金融の量的緩和という離れわざは日本があみ出しそれを各国が学んだ。
 批判する人もいるが各国がついづいしているのだから成功したと言える。
 世界は安倍総理の制作が上手くいくのかどうか見ているし
 うまくいけば我々は大いにヒントを得るだろう。」

Q.そのアベノミクスで日本では気分が一転した。
  この状況を根拠なき熱狂という人もいる。

「日本には新たな楽観主義が芽生えている。
 それは必要なもの。
 根拠なきというレベルにはなっていない。
 株価だって1989年の最高値には程遠い。」
Q.日本経済に今必要なものは何か?
「地に足の着いた楽観主義です。
 日本経済の真の力に気づき
 これまでの成功体験から学び
 さまざまなことに積極的に挑戦せよという意味。
 これは大変。
 決してマネーゲームを楽しむというようなわけにはいかない。
 大変な労力が必要。
 世界の中で日本がどのような位置にあって日本の強みはいったい何なのか。
 それを真剣に考えなくてはならないことを意味する。
 科学技術や有効なビジネスのアイデアが重要になってくる。
 最近何をやっても上手くいかないからやめておこうなどとあきらめてはいけない。
 時間はかかるがしっかりとした戦略を練れば経済は必ず改善する。」

コメント