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減少するスキー人口 再生の秘けつは

2014-02-14 08:00:00 | ビズ プラス
2月2日 BIZ+SUNDAY


国内のスキー人口はこの20年で3分の1にまで減少。
スキー場経営は厳しい状態が続いている。
そんな中でもスキーは斜陽産業ではなく有望な市場だと言い切る人がいる。
スキー場遠泳会社 マックアース 一ノ本達己さん(46)である。
全国でスキー場の再生を次々と手掛けてきた。
一ノ本社長は冬の間ほぼ毎日スキー場に足を運んでいる。
運営するスキー場を実際に滑りコースの作り方や運営の改善点を探すのである。
一ノ本さんがスキー場の運営を始めたのは6年前。
経営難に陥ったスキー場などを次々と傘下に収め現在 全国で27か所を運営。
売り上げは約120億円。
急成長している。
2年前に運営を始めた岐阜県郡上のスキー場。
平日にもかかわらずにぎわっている。
「平日ですいているかと思ったらびっくりした。」
「若いときによく2人で行ったので子どもも滑れるようにしたかったので来た。」
1990年代 空前のスキーブーム。
ピーク時には1年間に約1900万人がスキー場を訪れた。
しかし現在 その数は560万人にまで激減。
経営が厳しく閉鎖を余儀なくされるスキー場が相次いでいる。

Q.スキー人口が減少している中であえてスキー場を再生させるビジネスをやろうと思ったのはどうして?
(マックアース 一ノ本達己社長)
「スキーなんて過去のものじゃないのと言われているのは日本だけ。
 ヨーロッパでもスキーはしっかりと文化として根付いていてむしろお客さまは増えている。
 隣の韓国はスキー場がどんどん増えていっている。
 90年代の日本のスキーブームは異常だった。
 世界で500万台スキー板を生産していて
 うち300万台が日本で売れている時期があった。
 世界的に見てもブームというものでなく異常だった。
 今そこから比べてスキー人口が3分の1と言っているが
 これは激減したのかというとこれぐらいでやっていけないとそもそもこの商いはだめなんじゃないか。」

兵庫県のスキー場でホテルを経営する家に生まれた一ノ本社長。
幼いころからスキーに親しみ腕前は国体に出場するほどだった。
(一ノ本達己社長)
「子どものときからスキー場の中で育って小学校はスキー履いて通っていた。
 小学校からリフトに乗って家に帰っていた。
 そういう環境だったのでこどものときからスキーをしていて
 スキー場って本当はこうあってほしい
 ここはこうならないのか
 スキー場はこうすべき論みたいなものは子どものときから蓄積してたものがあった。
 情熱といえばきれいだが重たいグルグルとした怨念のような情熱で
 とりあえずやりたいというのがあってそこからこの商いに入った。」

スキー場再生術①スキー場の個性を前面に打ち出す
岐阜県郡上のスキー場は名古屋から車で1時間ほどという立地を生かし夜7時までだった営業を夜11時まで延長した。
仕事帰りのビジネスマンが多く訪れ来場者は3割増えた。
一方 滋賀県のスキー場ではゲレンデの狭さを逆手に取りファミリー向けスキー場にした。
もともと駐車場だった場所は子供専用ゲレンデに。
こどもも使える動く歩道も常設。
無料休憩所も設置して子ども連れでも安心して楽しめるようにした。
(一ノ本達己社長)
「立地や山の資質によって
 ここはファミリー推し
 ここは若い人にたくさん来てもらおう
 ここはしっかり宿泊型でリゾートとして来ていただきたい。
 考えてみたら約20年 日本中のスキー場ってほとんど設備投資してない。
 20年間同じ景色をお客様に見せている。
 都会にある有名なテーマパークがもし20年投資をしなかったらと考えると
 3分の1で済まずもっと減ると思う。
 スキー スノーボードというウィンタースポーツのポテンシャルのおかげで
 見方を変えれば何も投資せず20年間で3分の1にしかなっていない。
 すごく可能性がある。
 伸びしろはある。」
次々と新たな戦略を打ち出す一ノ本社長。
次のターゲットは若者。
スキー場再生術②リフト券 19歳無料 20歳半額
1日5000円のリフト券を平日に限って19歳は無料 20歳は半額にした。
お金と時間に余裕のある若者をスキー場に呼び戻そうと始めた。

Q.無料化にすることで売り上げが減る心配はなかったか?
「そもそも19歳とかあまりスキー場に来ていなかった。
 ただにすることで新規顧客になる。
 10歳を無料にしたから20歳の子も増えた。
 キャンペーンを始めて今3年目。
 若い層が結構スキー場に戻ってきた。
 これはすごいことだと思う。」
Q.スキー場を再生させる秘けつは何?
「スキー場経営は街づくり。
 人があまり住めないかもというところにスキー場があるという現実。
 スキー場経営をしていくということはこれが本当に繁盛していけば
 周辺に宿泊施設もできればお土産屋さんもできればコンビニが出来たり
 町が出来ていく。
 スキー場が単に山の一部分に切り開かれていてそこでわっとなるのでなく
 それがしっかりと根付くことでその地域に街が作られていくことが大切。
 それに代わりうる多雪中山間地域に立地させる代わりは今だ無い。
 いくらスキー場がさびれたとはいえそれに代わるものはないので
 スキー場を守り育て
 もう一度しっかりとお客様に来ていただけるよう頑張っていかないとだめだと思う。」

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