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世界のリーダーが語る日本への提言 ③エネルギー問題の権威 シェール革命の影響は

2014-02-13 08:00:00 | ビズ プラス
2月2日 BIZ+SUNDAY

アメリカのシンクタンク ケンブリッジ・エナジー・リサーチ・アソシエーツ ダニエル・ヤーギン会長。
著書「石油の世紀」で優れた報道などに贈るピューリツァー賞を受賞。
エネルギーを軸に国家の興亡をとらえる視点がいまも高く評価されている。
ヤーギン氏がいま最も注目しているのがアメリカのシェール革命が世界に与えた影響である。
技術革新がもたらしたシェール革命で天然ガスと原油の生産が急増。
アメリカの天然ガスの価格は日本の3分の1 
ヨーロッパの半値にまで低下している。
オバマ大統領はエネルギーコストの減少がアメリカの競争力を大いに高めていると胸を張った。
(1月28日 一般教書演説 オバマ大統領)
「投資先として最も有望な国は今や中国ではない。
 アメリカだ。」

Q.シェール革命がこれほど早くさまざまな分野に影響が広がると思ったか?
(ケンブリッジ・エナジー・リサーチ・アソシエーツ ダニエル・ヤーギン会長)
「いまエネルギーの競争力という考え方が世界的に大きな議論を呼んでいる。
 2年前にはなかったことだ。
 シェール革命で状況は一変した。
 生産拠点をドイツなどからアメリカに移す企業が増えている。
 あるヨーロッパの大企業のトップが
 『製造業の大脱出だ。行き先はアメリカだ。』と表現していた。
 シェールガスが豊富に出てアメリカの天然ガスの安さは異次元だといえる。」

シェール革命は中東の政治情勢にも大きな影響を与えているとヤーギン氏は指摘している。
その象徴がアメリカと長く対立してきたイランの変化だと言う。
(イラン ロウハニ大統領)
「イランは今後 ヨーロッパ諸国との関係を正常化するだろうしアメリカとの関係も新たな段階に入った。
 イスラム革命後 最も重要な時代となった。」

イランは核開発を続けているとして欧米諸国はイランから原油を輸入しない制裁措置をとっている。
これに対してイラン側は最近 核開発交渉に応じるなど柔軟な姿勢を見せるようになった。
(ケンブリッジ・エナジー・リサーチ・アソシエーツ ダニエル・ヤーギン会長)
「もしシェール革命が無ければイランに対する経済制裁は効果をあげなかっただろう。
 なぜならアメリカの原油の生産量ははるかに少なかった。
 イランは当初 
 『制裁は効果が無い 最後はイランを頼る』
 そう考えただろう。
 しかし代わりの原油はいくらでも出てきた。
 核開発交渉への影響は大きかった。」

Q.今の日本にとって必要なエネルギー政策は何か?
「競争力。
 グローバル経済の中で日本の産業力と活力を確保できるエネルギー政策が必要だという意味。
 去年 日本を訪れた際 
 原子力発電所を再稼働するかどうかの判断にあたっては産業の競争力を考慮するべきだという声も耳にした。
 仮に日本のエネルギーコストが高止まりすれば産業の空洞化が進み影響はさまざまなところに及ぶだろう。
 日本はエネルギーの技術革新においても素晴らしい才能を持っている。
 省エネ 代替エネルギーの開発も競争力の維持に欠かせない。
 日本人は気づいていないのかもしれないが日本は省エネに関しては真のトップランナー
 世界のお手本だ。
 エネルギーの技術革新で日本は重要な役割を果たし続けるべきだ。」
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