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人々をつなぐマオリ伝統の踊り

2016-06-02 16:30:00 | 報道/ニュース

5月19日 キャッチ!


昨年開催されたラグビーのワールドカップで優勝したニュージーランド代表“オールブラックス”。
試合前に選手たちが披露した独特な踊りは
ファンの間では有名だが
“ハカ”と呼ばれ
先住民であるマオリの人々の伝統的な踊りの1種である。

数十人の男女がマオリの言葉で歌ったり
列をつくって踊ったりするカパハカ
マオリ語で
カパ=列・団体
ハカ=踊り
を意味する。
カパハカの始まりはマオリの人たちに伝わる昔話にあると言われている。
ある部族のリーダーが
飼っていたクジラを食べた敵の部族に復讐するため
40人の女性たちを送った。
その女性たちが敵を油断させようと行った踊りがカパハカの起源だという。
マオリ文化の研究者は
カパハカはマオリの人たちがもっとも愛着を抱いている文化だと話す。
(マッセイ大学 上席講師 ダリン・ジョセフさん)
「カパハカのエネルギーは動作や表情によって生まれます。
 その実演を体感することがカパハカの魅力です。」
ニュージーランドの首都ウェリントンから車で北に2時間の町 パーマストンノーズ。
人口8万4千人のうち約15%がマオリの人たちである。
他の各町では2年に1度カパハカの大会が開かれているが
この町では十数年以上行われていなかった。
それを2年前に復活させたのがクリス・ワイアプさん。
この町でマオリの子ども向けの託児施設を運営している。
子どもの頃から他の町の仲間たちとカパハカを続けていたが
育った町のカパハカをしっかり残す必要があると考えていたという。
(託児施設 経営 クリス・ワイアプさん)
「大会によってカパハカに親しむようになれば
 私たちは成長し
 このユニークな文化についてさらに知ることができます。」
大会の復活に合わせて
ワイアプさんは家族や近所の人たちと新たなチームを結成。
今年の大会前の最後の練習に臨んだ。
メンバーは10代~70代までの25人。
前回舞台に上がった妻に加え
今回は娘2人も初めて参加するため
ワイアプさんの練習にも力が入る。
(長女 トイヤさん)
「マオリの誇りを感じますし
 家族と一緒に踊れることは特別で素晴らしいことです。」
そして大会当日。
ことし参加したのは6チーム。
それぞれ25分の持ち時間の中で最低6つの演目を披露し
歌や踊りに加え
マオリ語の発音が審査される。
演じる時間が近づきワイアプさんたちの緊張が高まる。
そしていよいよ出番。
今回の大会のために歌の1つには
今年亡くなったワイアプさんの母親への感謝の気持ちを込めた。
♪マオリの女性は 働き者だという
 それはお母さん あなたのことです
審査の結果
ワイアプさんのチームは目標としていた上位3位入りを逃した。
それでも自分のチームを含め
全てのチームが無事踊りを終えたことに
ワイアプさんは満足そうな表情を見せていた。
(クリス・ワイアプさん)
「今後も人々に声をかけて参加者を集めたいと思います。
 もっと多くの人たちに踊りを楽しんでもらいたいのです。」

 

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17歳から選挙権 オーストリアの現状は

2016-06-02 07:15:00 | 報道/ニュース

5月18日 キャッチ!


世界199の国と地域のうち約9割が選挙権は18歳までに認められているという。
このうちオーストリアでは16歳から選挙権が認められている。

オーストリア議会のすぐ横に設けられた施設は
「デモクラシー工房」と呼ばれている。
選挙権の年齢が16歳に引き下げられた2007年に出来た。
主に8~15歳の子どもたちが
民主主義や議会の仕組みについて実体験を通じて学んでいる。
この日は教室を飛びだして街の人々に政治に対する考えをインタビューした。
また現役の政治家に直接質問もしている。
「議員の仕事はどんなもの?」
(オーストリア議会 議員)
「国民の批判の声をまとめて
 議会で提案するか検討しています。」
集めたインタビューをもとにラジオ番組を製作。
番組をみんなで聴き
楽しみながら政治について勉強している。
(参加者)
「民主主義への理解を深めるのに役立ちました。」
(デモクラシー工房 責任者 シンドラーミュラーさん)
「政治にかかわることが大事だと理解するきっかけにしてもらいたい。」
4月24日に行われた大統領選挙を前に
若い労働者のための団体が特別なイベントを開いた。
会場は多くの若者たちでにぎわった。
スタジオには選挙の仕組みや大統領の役割を説明するアニメーションが上映され
登壇した候補者たちが若者たちに向けて熱心に政策を訴えていた。
それだけではない。
始まったのはなんと料理対決。
人柄が重要ともされるオーストリアの大統領。
料理の腕前を披露して親しみやすさをアピールしていた。
(参加者)
「自宅で調べるより多くの情報が得られ
 誰に投票すべきか考えるのに役立ちました。」
若者の投票行動などを研究している専門家は
若者を政治に引きつけるためには
教育を徹底し
興味ある内容を提供していくことが重要だと指摘している。
(ウィーン大学 クリッツィンガー教授)
「若者に政治的な機会を与えることは
 政治に関わらせるためにとても大切です。」 
オーストリアの各政党には若者の団体があり
政治的な活動に熱心に関わっている。
ときには所属政党を批判することもある。
政府の難民対策に抗議するデモが行われたが
与党「社会民主党」のメンバーの若者たちもその輪に加わった。
政権与党の団体であっても
自分たちが正しいと思う主張を貫いている。
一方「国民党」の若者団体はクラブを貸し切ってイベントを開催。
大統領の候補者や現職の外相など党の重鎮も姿を見せた。
若者自らが同年代の人たちに
政治に関わる機会を提供している。
(国民党 若者団体 代表 シュネルさん)
「このようなイベントを通して
 若者に気軽に政治に関わってもらいたい。」
こうした活動を経て実際に議員となった人もいる。
シュミッド議員(27)。
3年前 オーストリア議会に当時最年少の24歳の若さで当選した。
トレードマークはパーカー姿。
(オーストリア議会 シュミッド議員)
「スーツは僕のスタイルじゃない。
 政治の世界に入っても自分らしくありたい。」
若い人の指示で議員になったと感じているシュミッドさん。
ぜひとも若い人の声を政治に反映させたいと考えている。
シュミッドさんはフェイスブックなどを使って
市民からの素朴な疑問や
政党や自分に対する厳しい意見にも真摯に応じる。
この日はウィーン市内の学校を訪問し
各政党による討論会に参加した。
討論会が終わったとも学生たちと30分以上立ち話することもいとわない。
若者に少しでも政治に関心を持ってもらいたいとの願いからである。
(学生)
「彼はとても親しみやすくて話しやすい。
 若者を代表する議員だ。」
(オーストリア議会 シュミッド議員)
「若者世代には多くの問題があるからこそ
 さらなる若者の政治参加が望まれます。」

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