日暮しの種 

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穏やかな表情の山であれ

2016-06-19 17:30:00 | 編集手帳

6月5日 編集手帳

 

 北海道を走る列車から見た景色だろう。
宮沢賢治に『駒ヶ岳』という詩がある。
〈その無遠慮な火山礫(れき)の盛りあがり〉と描かれる山容は、
どこか暗色を帯びている。

旅の前年、
最愛の妹を失った詩人の胸中を表しているのか、
〈いまその赭(あか)い岩巓(がんてん)に/一抹の傘雲がかかる〉ともつづられる。
山頂部を傘状の雲が覆っているという情景である。

山が見る者の心を映すなら、
いまの駒ヶ岳は穏やかな表情をみせているに違いない。
その麓、
北海道七飯(ななえ)町で行方不明になっていた7歳の少年が無事帰還し、
安堵(あんど)の声が広がっている。
おにぎりを食べる写真が愛らしい。

少年は山で両親に置き去りにされた。
10キロ以上歩いて陸上自衛隊の宿営施設にたどり着き、
水だけで命をつなぎ留めたらしい。
さぞ怖くて不安だったろう。
「しつけのため」と考えた親の行為は軽挙と言われても仕方あるまい。
試練を乗り越え、
子供を見守りたい。

〈永久の未完成これ完成である〉。
賢治の『農民芸術概論綱要』に残る言葉である。
たとえ答えが見つからなくても、
不断に探し続けてこそ道が開ける。
人生にも子育てにも通じる教えである。


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太りにくい?!いま注目の希少糖

2016-06-19 07:15:00 | 報道/ニュース

6月1日 おはよう日本


ゼリーやプリン
そしてこの春発売された新商品にも使われている“希少糖”。
希少糖は自然界に存在する天然の糖である。
人工甘味料ではない。
自然界には様々な糖があるが
そのほとんどがブドウ糖である。
希少糖はごくわずかで1%以下にすぎない。
そのためこれまであまり注目されず
研究も進んでこなかった。
しかしいま希少糖に意外な効果があることがわかってきた。

世界に先きがけ希少糖の研究に取り組んできた香川大学。
県や地元企業と協力し
希少糖にどのような効果があるのか実験を重ねてきた。
その結果
希少糖のD-プシコースが血糖値の上昇や脂肪の蓄積を抑制することが明らかになった。
2匹のラットを使った実験。
与えるエサの量を同じにして
普通の水と希少糖を加えた水を与えた。
その結果
希少糖入りの水を飲んだラットは
食後の血糖値の上昇が約20%抑えられた。
さらに3か月間飲み続けたところ
内臓脂肪の蓄積が約30%抑えられたのである。
香川大学 医学部 村尾孝児教授。
希少糖が人にどのような効果をもたらすのか
研究を進めている。
健康な人20人に希少糖を飲ませたところ
人でも血糖値の上昇を抑えられることがわかった。
なぜ希少糖によって血糖値が抑えられるのか。
人の腸にはブドウ糖を吸収するゲートがある。
希少糖はそのゲートにブドウ糖と同じように入ろうとする。
ところが形が少し違うためゲートを塞いでしまう。
その結果 ブドウ糖の吸収が抑制され
血糖値の上昇が抑えられると考えられている。
(香川大学 医学部 村尾孝児教授)
「希少糖は体の中に入って糖の流れを変える。
 例えば糖尿病の患者に代謝異常が起こる。
 その代謝異常を元に返すような作用がlこの希少糖にはある。」
体に良い効果をもたらすという希少糖。
広く食品に活用されるきっかけとなったのは関西の企業が手掛けた独自の技術だった。
兵庫県のデンプン加工メーカー。
希少糖の大量生産に取り組んできた。
研究の結果
デンプンからとれる液状の糖に熱を加えると
希少糖が生成されることがわかった。
しかし大量の糖を加熱するのは時間もコストもかかる。
そこでこのメーカーは
化学反応を促す独自の技術で
短時間に大量に希少糖を生成することに成功した。
3年前 世界に先がけて希少糖を含むシロップを開発。
多くの食品メーカーに採用され
ケーキやプリンなど様々な食品に使われ始めている。
(松谷化学工業 山田晃士生産本部長)
「希少糖が広がるのは健康に寄与することにつながる。」
希少糖によって食べる喜びを取り戻した人たちがいる。
15人のお年寄りが暮らす福祉施設。
カロリーや糖分のとりすぎを心配して甘いものを制限することもあった。
そこで施設では
我慢しなくてもすむよう砂糖をやめて希少糖を使うことにした。
「もうおばあさんだけどもっと生きたい。
 おいしい。」




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