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ベルギー 原発に住民の不安拡大

2016-06-18 07:15:00 | 報道/ニュース

6月1日 キャッチ!


原発の稼働期間を延長することに関しては
日本だけでなく世界各地で大きな議論になっている。
特に各国が国境を接するヨーロッパでは
30年前のチェルノブイリ原発事故
5年前の福島福島の原発事故を受けて
この問題への関心が高まっている。

4月22日 オランダ南部のマーストリヒトで行われたデモ。
隣接するベルギーの原子力発電所の稼働停止を求め
雨の中ドイツ市民などを含む600人以上が参加した。
ベルギーには北部のドゥル原発と中部のティアンジュの2か所に7基の原発があるが
ベルギー政府は5年前の福島の原発事故を受けて
2025年までに原発の廃止を決定。
一昨年の12月 
稼働40年を迎え老朽化が懸念される2基の原発について
代替エネルギーの開発の遅れや
電力コストの上昇を抑える必要があるとして
当初の計画を変更し
稼働を10年延長する方針を発表した。
そうしたなか懸念が広がっているのが原発の保存をめぐる問題である。
おととし 2基の原発に多くの細かな“ひび”が見つかって
1年以上にわたって稼働を停止したほか
一昨年から去年にかけては
原子炉付近でオイル漏れや火災が発生するなどのトラブルが相次いでいる。
ベルギーの原発が問題視されるもうひとつの理由は
人口密集地と近接している点である。
ドゥル原発からわずか10キロの距離には50万人が暮らす第2の都市 アントワープがある。
この街に暮らす パトリシア・シェルケンスさん。
原発の安全性に問題は無いのか
不安を募らせている。
(パトリシア・シェルケンスさん)
「こんなに街に近い原発はありません。
 爆弾の上に住んでいるようです。
 住民への説明も十分ではなく
 心配ですし
 怒りもおぼえます。」
ベルギー政府は
いずれの原発も精密な検査を行っており
安全性に問題は無いとしている。
シェルケンスさんをさらに不安にさせたのが
今年3月にブリュッセルで起きた連続テロ事件だった。
容疑者がベルギーの原発を狙ったテロを計画していた疑いが浮かんだのである。
テロの標的になるリスクも懸念される原発を一刻も早く撤廃させたい。
シェルケンスさんはいま国際環境団体とともに
稼働を停止するよう求める運動を始めている。
(環境団体グリーンピース代表 エロイ・グロリユさん)
「ベルギーの原発はテロ攻撃に非常に弱いのです。
 私たちはわずかなリスクでも取りたくありません。」
ベルギーの原発への不安は隣国オランダにも広がっている。
ドゥル原発から3キロ離れたオランダの町に暮らすスヴィアスさん夫婦。
40年余前からこの家に暮らし
庭から見える距離に4基の原発が次々と建てられていく様子を見つめてきた。
自宅は風下にあたるため
相次ぐトラブルの発生を耳にするたびに
危機感と何もできないもどかしさを感じるという。
(ベルト・スヴィアスさん)
「私たち周辺住民はベルギー政府に原発の現状報告を求めています。
 しかし政府からの報告はいまだありません。
 無力感を感じます。」
隣国の原発に危機感を覚える人々が行ったデモ。
稼働停止を実現するまでベルギー政府に圧力をかけていこうと訴えた。
デモにはドイツの町からも大勢の住民が駆けつけた。
ドイツでは福島の原発事故を受けて
2022年までの国内の原発の全廃を決めているが
目と鼻の先の隣国でリスクを抱えた原発が存在し続けることに人々は強い反発を示している。
(ドイツ アーヘン住民代表 ロベルト・ボルシュ氏)
「ドイツでは福島原発の事故以降
 原発の危機意識に目覚めました。
 見渡せば60キロ先にトラブルが頻発する原発があります。
 たいへん悩ましい問題です。」




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