6月12日 経済フロントライン
群馬県にある国内最大手の豆腐メーカー。
日持ちしにくい豆腐を余分に製造しないよう
新たな試みを始めている。
豆腐は仕込みに時間がかかるため
事前に受注量の見込みを立てて生産する必要がある。
これまでは経験とカンに頼ってきたが
見込みが外れて廃棄する場合も多かったという。
そこでまず
寄せ豆腐を対象に
新たな予測システムの実証実験を始めた。
タッグを組んだのは日本気象協会。
気象データを取り入れて
予測の精度を高めようというのである。
データの中にある寄せ豆腐指数。
その日 人が食べたくなる度合いを
独自の解析で数値化。
それが翌日に増えるのか減るのかを示す。
元にするのが気温の予測や過去の販売実績。
例えばこの2日間を観ると
前日より最高気温が3℃以上あがるため
指数も4ポイント上がるとしている。
(日本気象協会 技師 中野俊夫さん)
「5月に一気に気温が上がって30度になった場合と
8月に35度が毎日続いた後30度になった場合というのは
同じ気温でも暑さの感じ方というのはかなり違います。
どのような気温かだけではなくて
どのような経緯をたどってこの気温になったのかを評価して
指数として出させていただいております。」
豆腐メーカーではこのシステムを活用することで
昨年度寄せ豆腐の食品ロスを約30%減らすことができた。
(相模屋食料 社長 鳥越淳司さん)
「カンでやるには限界がありましたので
ありがたいデータをいただいていますので
最大限のパフォーマンスを出したいなと思っています。」
食品ロスを減らすことができれば
企業にとっても廃棄にかかるコストを削減できるメリットがある。
(流通経済研究所 主任研究員 石川友博さん)
「食品ロスを減らす
イコール利益率の改善につながるので
企業にとってメリットがある。
企業が食品ロスに取り組めるような風土を作っていくことが重要。」
消費者が捨ててしまう食品を減らそうとこんな商品も発売された。
人と会話をしながら食品の管理をする冷蔵庫。
買ってきた食品を入れるときに音声で登録。
あらかじめ1600種類の食品の一般的な使用期限がインプットされていて
期限が近づくと知らせてくれる。
「ピーマン タケノコの賞味期限が近いよ。
確認してね。」
さらにこんな提案もしてくれる。
「期限が近いタケノコを使ったグリーンカレーはどうですか。
おいしい料理を作ってね。」
他にもスマートフォンで外出先から冷蔵庫の中身を確認でき
同じものを買うことを防げる。
(シャープ クラウドサービス推進センター 主事 谷野加奈さん)
「私も食品を傷めてしまって捨てることはありましたけれども
そういう主婦の悩んでいる部分を
技術を使って解決できないかなと。」