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“どろだんご”に魅せられて

2016-06-05 10:45:00 | 報道/ニュース

5月21日 おはよう日本

アメリカ ニューメキシコ州。
磨かれた大理石や宝石のような色とりどりの玉。
全て土を丸めて固めたどろだんごである。
作ったのはソフトウェアの会社でエンジニアとして働いているブルース・ガードナーさん(51)。
「ただの土からこんな美しいものができるのが大きな魅力です。」
ガードナーさんがこだわっているのは
どろだんごの材料となる土探し。
この日は自宅から車で30分ほどの場所にやってきた。
(ブルース・が^ドナーさん)
「石灰石が含まれているので
 灰色のいいどろだんごができますよ。」
自宅の作業場には各地の土が集められている。
土によって個性があるため
どろだんご作りは簡単ではないという。
(ブルース・ガードナーさん)
「緑色の土が一番固くて手ごわいです。」
ガードナーさんがどろだんごに出会ったのは約15年前。
偶然手にした雑誌で
日本でどろだんごが光り輝くまでに磨き上げるのが流行っていることを知った。
インターネットなどで情報を集め
すぐに製作を開始。
次第にその奥深さに引き込まれていった。
日本のどろだんご作りを参考にしたガードナーさん。
土に水を混ぜてこね
形にし
磨いていくのは同じだが
様々な工夫も凝らしている。
乾燥後のひび割れを防ぐために
小さな枝でたたいて中に残ったわずかな空気を抜いていく。
形を整えるためにボウルまで使う。
どろだんごが均等になるようころがす。
仕上げに使うのはストッキング。
どろだんごを光らせるために丁寧に磨き上げる。
形作りと乾燥の工程を繰り返しながら
1~2日ほどかけて作り上げていく。
これまでに製作した泥だんごは数百個。
ギャラリーで個展を開くまでになった。
(ブルース・ガードナーさん)
「それぞれに個性があります。
 作っていると丸で自分とだんごが1つになっていく感じがする。
 形が変わる過程も興味深いし
 作っていてとても落ち着く。」
ガードナーさんはインターネットでどろだんご作りの紹介もしている。
今では連日のように
世界各地から作り方の問い合わせなどが寄せられるようになった。
ガードナーさんが伝えるどろだんご作りが心の支えになったという人がいる。
ユタ州に住むローガン・リドルさん(31)。
アメリカ海兵隊に所属に2011年までアフガニスタンに派遣されていた。
基地の警備を担当していたリドルさん。
昼夜問わずいつ襲われるかわからないプレッシャーがかかるなか
同僚も命を落とした。
そんななかインターネットを通じて知り合ったのがガードナーさんだった。
リドルさんはアフガニスタンにいる間
ガードナーさんの手ほどきを受けながらどろだんごを作り続けた。
(ローガン・リドルさん)
「どろだんご作りに没頭している間だけは戦闘の不安やストレスを忘れ
 心を落ち着かせることができたのです。」
アメリカに戻った今もガードナーさんと交流を続けている。
「ひび割れをどうやたら防げるのか伺いたかったんです。」
「乾いた砂を足していく間にひび割れしてしまったら
 とりあえずしばらく置いておいた方がいいですよ。」
この日ガードナーさんからリドルさんにプレゼントがあった。
「すごいなあ。
 こんなのが作れるようになるまでにはまだ先が長そうです。」
アフガニスタンでの任務を終え
今は日常の生活に戻ったりドルさん。
娘とどろだんごを作りながら過ごす時間は
何ものにも代えられない大切な時間だという。
(ローガン・リドルさん)
「時間をかけて何層にも積み重ねていくどろだんご作りは人生そのものです。
 より高みを目指して努力を続けなくてはと
 いつも感じるのです。」
海を渡って広がる日本のどろだんご作り。
その奥深さは芸術の域を超えて人々の心をとらえている。


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里山で「自然保育」

2016-06-05 07:15:00 | 報道/ニュース

5月21日 おはよう日本


豊かな自然に囲まれたと鳥取県。
山や森など屋外で子どもの保育を行う自然保育が人気である。
子どもは自然を相手に自ら考えて行動する。
自然が子どもたちにとっての教科書である。
自然保育に詳しい広島文教女子大学の杉山浩之教授は
自然保育は子どもの自主性を伸ばすうえで大きな効果があるという。
(広島文教女子大学 杉山浩之教授)
「人間関係とか言葉だとか
 そういうところにもすごく効果が出ている。
 どんなこともインターネットで情報が得られる中で
 生のものにも触れたいということが本能的にあるんじゃないか。」
自然保育のフィールドは森以外にも広がっている。
自然と人が共生する里山で
「暮らし」をテーマにした保育施設が今年の春に誕生した。
倉吉市にある「自然がっこう 旅をする木」である。
自然保育では建物を設けないところが多いなか
民家を保育の拠点にしている。
代表の得田優さん(34)。
集落で民家を保育施設にしたのは
自然と触れ合うだけでなく
子どもたちに暮らしていく力を身に付けてほしいと考えたからである。
(得田優さん)
「ただの森ではなくこういうところを選んでいるというのは
 人の生活のにおいがするというか
 そういうほうが僕からしたら生きる知恵があるんじゃないかと思う。」
1日の始まりはミーティングである。
「パトカー 消防車がしたい。」
「ごはん。」
子どもたちは誰にも強制されずやりたいことを自己申告する。
おままごとの料理に使っているのは本物の木である。
「このごはん ちょっと熱そう。」
「いまちょっと火の消える加減があるの。
 ちょっとそれ 火ばさみ貸して。
 木を少なくする。
 入れすぎ~。
 スギの葉っぱはもういいから。
 木 木。」
子どもに火を扱わせるのは
生活に欠かせない火に普段から慣れてほしいという思いからである。
お風呂に入るためにはどうやって湯を沸かすのか。
何を燃やせばいいか。
暮らすためのヒントが詰まっている。
集落の探検は子どもたちの自主性を尊重して子どもだけで出かける。
屋外では自然と共生する里山の風景が広がる。
子どもたちがスギの枝を見つけた。
火を起こすための燃料として施設に持ち帰る。
「緑のやつは燃えないの?」
「緑のは燃えない。
 茶色いやつ。」
「茶色いやつは燃える。」
指示されてするのではなく
子どもたちは自らの意志で枝を拾う。
得田さんが一番大切にしていることがある。
子どもが本来持っている自由な発想力を伸ばすことである。
「でっかい球がここにダーンって落ちた。」
「上から雪が落ちてきたんじゃない?」
「これぜったい穴掘ったんでしょ。」
子どもたちの想像力を引き出すため
得田さんは正解を言わない。
好奇心を大切にして
自分が熱中できることを見つけてほしいと願っている。
(得田優さん)
「自分は何が好きで何が嫌いでどういうことをやっていきたいのかを
 常日頃考えるという習慣が
 中学・高校・大学と大人になっていくなかで
 本当に自分が何がしたいのかなって考えると思うんですよね。
 子どもたちの人生を作っていくなかでも
 少しだけ手助けになるかなとは思う。」
様々なアプローチで子どもの可能性を伸ばす自然保育。
子どもたちが自ら考え行動するための道しるべとなるかもしれない。

鳥取県では全国で唯一
自然保育を取り入れた施設を認証して助成金を出す制度を設けている。
これまでに7つの施設が認証を受けていて
この施設も来年度の認証を目指して申請を行うということである。

 

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