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ベトナム人男性“教壇で恩返しを”

2016-06-20 07:15:00 | 報道/ニュース

6月4日 おはよう日本
 

リー・タイ・ワーさん(26)。
大阪の府立高校の教員採用試験に合格し
この春 数学の先生として大阪府立長吉高校に着任した。
(生徒)
「めっちゃわかりやすい授業をしている。
 質問も聞いてくれるので助かります。」 
「結構フレンドリーに話してくれるんでいい先生かな。」
(大阪府立長吉高校 教諭 リー・タイ・ワーさん)
「生徒がすごくしっかりしている。
 勉強しようという姿がすごいので
 私もそれを見て自分も頑張らないとあかんなと思う。」
ベトナムで生まれたリーさん。
難民として先に日本に来ていた両親に呼ばれ
14歳のときに大阪に移住した。
しかし待っていたのは言葉の壁。
公立の中学校に編入したが授業が全く理解できず
友だちになったのは同じベトナム人の2人だけだった。
(リー・タイ・ワーさん)
「日本語がそのとき全く分からなくて
 学業を続けていけるかどうかすごく不安でした。」
リーさんを支えたのは外国人の子どもたちを支えるNPOだった。
学校の授業が終わると毎日NPOが開く勉強会に参加。
日本語を教えてもらい
授業のおさらいをした。
自宅に帰ってからも毎日2時間勉強し
高校、大学への進学を果たした。
(リー・タイ・ワーさん)
「学校終わったらここに来て勉強を教えてもらったりしたので
 ここが本当に中学時代の居場所だと。」
(NPO法人 トッカビ 高橋佳代子さん)
「ただ日本語ができないだけで
 悔しい、はがゆい思いをしているのがちょっとたまらなかった。
 そのあと彼は自分で乗り越えることができたのですごいなと思う。」
恩返しをしたいと考えたリーさんは
大学に入るとこのNPOに参加。
その際 教員を目指すきっかけとなった出来事があった。
当時リーさんが進路の相談に乗っていたベトナム人の女性 ゴ・ティ・グェン・リンさん。
高校進学を希望しながら家庭の事情であきらめかけていた。
リーさんは
将来のためにもなんとか進学させてあげてほしいと
女性の親を説得。
女性は高校に進学。
現在准看護師になっている。
(ゴ・ティ・グレン・リンさん)
「先輩いなかったら今の自分はいないかもしれないですね。」
(リー・タイ・ワーさん)
「頑張るという感じがすごく強かったので
 高校でもっと勉強してもらって
 将来 日本の社会で活躍できる。」
リーさんはもっと多くの子どもたちの力になりたいと考え
教員を目指すことにしたのである。
(リー・タイ・ワーさん)
「1人の生徒の人生を変えられる素晴らしい仕事だと思い
 先生になりたいと思いました。」
夢をかなえて教壇に立ったリーさん。
授業のほかに「多文化研究会」という課外活動の顧問を務め
生徒たちと交流している。
リーさんの勤める高校には外国にルーツがある生徒が約100人通っている。
その半数以上がこの課外活動に参加。
それぞれの母国の文化を紹介しあったり
大学進学や就職に向けて日本語を勉強したりしている。
日本語や日本の文化をしっかり勉強し
将来日本の社会の中でも夢をかなえられる人間になってほしい。
リーさんは自らの経験を踏まえて生徒たちに訴えている。
(コロンビア人の生徒)
「外国人として日本で頑張ったのはすごいと思います。
 リー先生のように日本社会の中で活躍したいと思います。」
(リー・タイ・ワーさん)
「生徒たちが日本だからやりたいことはできないと思わないように
 外国人生徒と日本人生徒の心の懸け橋になりたい。」



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