2021年1月14日 NHKBS1「国際報道2020」
ブルガリアの元新体操選手 アントアネタ・ヴィターレさん。
アントアネタさんは東京オリンピック・パラリンピックでのブルガリアのホストタウン
山形県村山市の臨時職員として働いている。
人口2万3千
山形県村山市。
ブルガリアから約30人の選手団を受け入れるホストタウンである。
村山市役所にある東京オリンピックパラリンピック交流課。
アントアネタさんはこの課の臨時職員として働いている。
アントアネタさんが村山氏に来たのは一昨年2019年の秋。
市役所の人たちとともに準備を続けてきた。
「ここが日本式の和室。」
選手団が宿泊する予定の温泉旅館。
アントアネタさんは選手団の意向を聞いて
布団の代わりにベッドを用意したり
料理のメニューをチェックしたりしている。
さらに選手がケガや病気になった時にも備えている。
「(音声)救急隊です
あなたにいくつか質問します」
「オーケー 分かった。」
タブレットを使って英語でやりとりができるようにした。
ブルガリアの新体操の選手としてヨーロッパ選手権で金メダルを獲得するなど
第一線で活躍したアントアネタさん。
新体操を通じてブルガリアと村山市をつなぐ仕事に大きなやりがいを感じていた。
東京大会の1年延期が決まった時には
村山市に残って受け入れ準備を進めたいと自ら申し出たという。
(アントアネタさん)
「オリンピックは人と人をつなげる。
平和と調和をもたらす。
私の仕事は村山市でオリンピックの準備をすること。
もし家に帰ったら途中で投げ出すことになる。」
アントアネタさんは夫や子どもたちと離れて市内のアパートで1人暮らしをしている。
「息子のクリスチャン
娘のニコル。」
「ママよ 元気?」
「元気だよ。」
「外に出る時は新型コロナに気をつけて
手洗い マスク 手の消毒をすること
分かった?」
「はいはい。」
(アントアネタさん)
「家族を恋しく思う。
子どもたちをハグしたいし守りたい。」
村山市の子どもたちに新体操を教えることもアントアネタさんの仕事である。
指導しているのは小学生を中心に約50人ん。
彼女たちの指導を中途半端で終わらせたくなかったのも
村山市に残った理由の1つである。
アントアネタさんは滞在が1年延びてできた時間で
日本語を猛勉強。
(アントアネタさん)
「日本語とても難しいです。
オフィス内での会話を聞きながら学んで
会話にも挑戦している。」
子どもたちとより深くコミュニケーションがとれるようになった。
「もっと力入れて ゆっくりダメ
肘を伸ばして。」
「お尻押して ひざとつま先を伸ばして。」
「たくさん練習してとても上手になります。
分かった?」
「はい!」
「私の日本語いいね。」
(練習生)
「先生は日本語も使えるし
動きでも表現してくれるのでとてもわかりやすい。」
「厳しいことも言われるけど
どんどんできるようになって心も強くなった。」
アントアネタさんの一番の宝物。
新体操の卒業生などから贈られた寄せ書きである。
(アントアネタさん)
「ブルガリア語で“ありがとうございます”と書いてある。
みんなとても可愛い。
素敵なプレゼント。」
「たとえ違う言語を話しても
スポーツはコミュニケーションを助ける。
オリンピックを村山市の人々と見たい。」