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世界自然遺産登録で自然保護を

2021-02-15 07:08:58 | 報道/ニュース

2021年1月25日 NHK「おはよう日本」


独特の自然が育まれた鹿児島県の奄美は
今年 世界自然遺産の登録を目指している。
奄美の自然を長年追い続けてきた写真家は
登録の実現で貴重な自然がさらに守られることを期待している。

“生きた化石”と言われ特別天然記念物(国)のアマミノクロウサギ。
国の絶滅危惧種に指定されているアマミトゲネズミ。
亜熱帯の森に生きる動物たちの生態をとらえた数々の写真。
撮影したのは自然写真家の常田守さん。
40年以上 奄美の自然を見続け
これまでに撮影した写真は10万枚を超える。
「これは夜のアカショウビン(リュウキュウアカショウビン)。
 私に起こされて 
 こうやって大きなあくびするの。
 こういったいろんなのが見られるのが奄美大島。」
世界遺産登録に向けて一昨年
IUCN(国際自然保護連合)の調査団が奄美を訪れたときには案内役もまかされた。
調査団にアピールしたのは
ここにしかない動植物である。
「これがアマミフユイチゴ。
 固有種です。
 奄美と徳之島しか生えない。」
植物だけでも奄美群島には分かっているだけで約50の固有種が存在する。
常田さんは
これまで地元では見向きもされてこなかった動植物にも保護の必要性を訴えてきた。
(自然写真家 常田守さん)
「動植物を含めて
 ひと言でいえば多様性ですよね。
 365日24時間どの時間もどの季節も面白い。」
森に通い続ける常田さんが心を痛めているのが盗掘被害である。
2020年5月に撮影したコゴメキノエラン(絶滅危惧種)。
希少さから採取や販売が禁止されているが
闇ルートで高額で取引されているという。
(常田さん)
「コゴメキノエランがなくなってますね。
 後ろの方にもかろうじて残ってたんですけど
 それすらもないですね。」
2021年1月に撮影に来た際には全て盗掘されていた。
なんとか盗掘をくい止めたい。
常田さんが期待するのは
世界自然遺産に登録されることで保護の網をかけることである。
しかし世界遺産への道は平坦ではなかった。
(平成30年5月 環境省の会見)
「世界遺産一覧表への記載
 もしくは審議を延期することが適当。」
3年前IUCNは
推薦地が分断されるなど希少種の保護が十分でないと指摘し
登録の延期を勧告。
いわば“出直し”を求められた。
当時のNHKの取材に対して常田さんは
「奄美の自然がダメだってことではないので
 また宿題をもらったなという感覚ですね。」
それから3年。
宿題をを出された形の奄美で常田さんは
未来を担う子どもたちに保護の必要性を学んでもらおうと
自らの知識を語り伝えてきた。
そして地域でも外来種の駆除が行われるなど
貴重な動植物を守ろうという動きが各地で高まってきている。
世界遺産への3年越しの再挑戦となる今年
常田さんは手ごたえを感じるとともに登録のその先も見据えている。
(自然写真家 常田守さん)
「最大の目的は自然を守ることであるので
 世界自然遺産は通過点ではある。
 日本の宝から世界の宝になるわけだから
 ちゃんと段階を踏んで保護ということを念頭に置きながら
 そうしないと観光も長く続かないだろうし
 壊れやすい自然でもあるので
 いつでも考えて行動してほしいですよね。」

 

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