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ふたつの大国の協調で環境対策を

2021-02-10 07:06:56 | 編集手帳

2021年1月25日 読売新聞「編集手帳」


火星探査は難しく、
「探査機が近付くと火星人が撃ち落としている」とのジョークもある。
それでも米探査機オポチュニティーは17年前のきょう1月25日、
火星に着陸した。

驚異的な耐久力で14年も火星を調べた。
大量の水が存在した痕跡を見つけ、
探査車の走行距離記録も作った。
最後の通信は擬人化され、
「バッテリーが残り少ない。
 辺りが暗くなってきたよ」といまわの声が伝えられた。
赤い荒野に静かに眠る姿が宇宙ファンの胸に刻まれている。

米国しか実現していない火星探査に今年、
中国が挑む。
共産党創設100年に合わせ、
宇宙の真理を探るという意味の探査機「天問」を送り込む。

米SF映画「オデッセイ」を思い出す。
米国が中国の力を借り、
火星に取り残された飛行士の救出に成功する物語である。
ふと砂に埋もれたオポチュニティーを、
天問が助ける光景を思い浮かべた。

バイデン大統領は、
中国のウイグル族弾圧や南シナ海の軍事拠点化に厳しい目を向けている。
対立が予想されるが、
気候変動問題や感染症対策では協調が欠かせない。
二つの大国が角突き合わすばかりでは、
地球は守れない。

 

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