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メルケル首相の場合

2021-02-04 07:17:27 | 編集手帳

2021年1月18日 読売新聞「編集手帳」


ドイツのメルケル首相が昨年春、
コロナ対策を訴えたテレビ演説は多くの人の胸を打った。

共産圏の東独で育った経験から
「苦難の末、
 自由を勝ち取った私のような人間にとってどうしてもでなければ正当化できない」
と国民に行動制限を求めるつらさを語った。

米ロック歌手ブルース・スプリングスティーンのファンという。
首相は独誌インタビューに打ち明けている。
代表曲「明日なき暴走」はこう始まる。
♪どうにもならないアメリカン・ドリームを待ちわび、
 夜に車を飛ばす――。
さびれた町でもがく若者の心情を描き、
東独で熱烈な支持を受けた。

1988年、
「ベルリンの壁」の東側で野外コンサートに数十万人が詰めかけた。
当時34歳の首相も感銘を受けたのではないか。
最近では「祖父母と過ごす最後のクリスマスにしないで」と感情もあらわに人と人との接触減を訴えた。
ドイツがコロナ制圧に成功しているわけではない。
都市封鎖が春まで続く見通しだ。
それでもなぜか支持率は下がらない。

世上、
支持率の低下を気にかけているだろうある人と比べてしまう。
日本ではきょうから国会が始まる。

 

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