2021年4月16日 NHKBS1「国際報道2021」
今年2月 フランスのポンピリ環境相がツイッターに投降した動画。
「持続可能な社会への移行は1人では成し遂げられない。
すべての当事者の参加が必要だ。」
フランス政府は
料理の宅配サービスを行う企業など19社と
使い捨てプラスチック削減に向けて協力することで合意。
“来年までに容器の使用を半減させることを目指す“と発表した。
協力を約束した大手料理宅配サービスの企業。
フランス国内の飲食店約2万店の宅配を請け負っている。
この企業では飲食店側に
プラスチックではなくより環境への負荷が少ない紙やサトウキビが原料の容器を使うよう提案している。
(料理宅配企業 ラボ広報責任者)
「我々はパートナーと共に責任を持って事業を拡大しています。
容器を持続可能な形で使うことは重要で
消費者もそれを望んでいるのです。」
プラスチック容器を捨てずに再使用する新たな試みも始まっている。
企業向けに食事を配達している業者。
「現在使っているこの容器を再使用できるものに替えていきます。」
これまでは紙製の容器とプラスチックのふたを使ってきたが
これを繰り返し使うことができる耐久製の高いプラスチック容器に替えようとしている。
取引先の企業で新しい容器を試験的に2週間にわたって導入した。
利用者はスマートフォンを専用の自動販売機にかざして商品を購入。
食べ終わった後は容器を返却してもらう。
その際 容器の底にあるQRコードを読み取る。
返却しなかった場合
利用者に容器代が請求される仕組みである。
(利用者)
「小さな取り組みですが需要なことです。」
「地球にとって良いことです。
無駄なゴミがなくなります。」
回収した容器は洗浄し
最大で繰り返し100回使うことを目指す。
今年秋にも本格導入する予定で
これにより年間20トン近くのプラスチック容器のゴミを削減できるという。
(社食配達企業 オルマンセCEO)
「容器の回収・洗浄など一連の費用は
使い捨て容器を購入する費用とほぼ一緒です。
すべての使い捨て容器を再使用できる容器に替えていけると思います。」
さらに再使用する容器の原料を植物にする取り組みもある。
「この容器には化石燃料や化学物質が一切使われていません。」
原料はトウゴマ飲の実から採れるひまし油。
価格は使い捨てプラスチックの10倍だが
繰り返し使用することでコストは回収できるという。
(スタートアップ企業 ペリ共同創設者)
「業者は価格を抑えようと粗悪な容器を使いますが
その対極にあるのが再使用の考え方です。
再使用すれば消費者は使いやすく丈夫な容器で食事することができます。」
新型コロナウィルスの感染拡大がきっかけとなって宅配サービスの利用が拡大したフランス。
使い捨ての生活習慣を見直す機運が高まっている。