7月13日 BIZ+SUNDAY
株式投資をテーマにした漫画「インベウターZ」。
週刊青年コミック誌で連載中だがその内容がビジネスマンにもうけ経済新聞にも掲載された。
「インベスターZ」の舞台は名門の中高一貫校。
生徒たちが投資部の活動で3000億円を運用するという奇抜なストーリー。
中学1年生の主人公が経済や投資について学び投資家として成長する姿を描く。
去年6月の連載開始以来中高生からビジネスマンまで幅広い層に支持され
コミックスは4巻で累計20万部を売り上げた。
この漫画の作者は三田紀房さん(56)。
東大受験や転職、起業などユニークなテーマの漫画を描き続けてきた三田さん。
マンガに取り組む姿勢も異色である。
(漫画家 三田紀房さん)
「僕は漫画は100%ビジネスです。
商売としてやっていますのでほかの作家さんとは感覚的に違うかもしれない。
いかにこれで自分の価値を最大化して利益をどれだけあげられるか
そこに非常に力を注いで制作しています。」
漫画はビジネス
ヒットの陰にはビジネスとしての緻密な計算があった。
主人公は中学1年生。
投資漫画としてはかなり大胆な設定だがそこにはねらいが。
読者と共に成長する主人公
(三田紀房さん)
「僕も経済の知識がほとんどないんです。
おそらく一般社会で暮らしている方たちも実は経済の知識って中1レベルぐらいじゃないかと。
おそらく中1ぐらいから始めると皆さんの知識レベルと一致したところが出てきて
みなさんが知識を得るのと同じペースで中1の子が成長していく。
そうすると自分も一緒になって知識を得ていく過程が読者とともに歩んでいけるんじゃないかと思ったんですね。」
三田さんの代表作「ドラゴン桜」はストーリーだけでなく東大合格のノウハウも盛込んだHou to本としても人気を集めた。
ヒット作を踏襲
「インベスターZ」もこの路線を踏襲。
読み進めるうち投資のノウハウが自然に身に付くようになっている。
(三田紀房さん)
「漫画の世界は題材がたくさんあるんです。
それをどう加工して商品にするか
そこの工程に明確なアイデアがないんですよ。
僕の場合そこの工程 プロセスの部分を緻密な計算を入れて商品化できるかというプロデュース能力を高めるように
僕自身努力しているんです。」
「インベスターZ」には実在する企業が数多く登場。
主人公がその業績や将来性を分析し投資を行う。
リアリティあふれるストーリーが読者の興味をひきつける。
週に1度行われる編集者との打ち合わせでは
新聞や雑誌など様々なメディアで取り上げられた経済に関する話題をもとにブレインストーミングを行う。
「旭硝子は割れないガラスを発明してワールドカップのベンチの屋根につけた。」
こうしたやりとりをもとに時には三田さん自身が企業を直接取材。
リアリティーのあるストーリーを組み立てていく。
(三田紀房さん)
「意外とみなさん 企業についてあまりご存じないんですね。
実在の企業名を出してこういう企業ですと漫画の中できちっと披露してあげれば
そこだけで十分新鮮な情報になるんです。
この漫画で株・投資ブームが来るとは思っていませんけど
小さなきっかけ いろんなきっかけを一つ一つ作ることによって
だんだんリンクくして化学反応が起きてちょっとしたムーブメントが起きる。
そこに一つ役立てればいいんじゃないかと思うんです。」