2021年4月22日 NHK「おはよう日本」
新潟県の人口9,000の町にある高校。
高い進学実績と地域で必要とされる存在の両立を目指している。
新潟県津南町にある県立津南中等教育学校。
平成18年に開校した中高一貫校で
全校生徒は300人余。
教育の地域格差をなくしたいと
全国に先駆けてICT教育に力を入れてきた。
(津南中等教育学校 教務主任)
「去年の進学実績
70人いて
34人が国公立大学
18人が私立に。」
一昨年度の国公立大学の合格率は県内3番目。
これまで東京大学や京都大学など多くの卒業生を難関大学へ輩出した。
今年も春を前に続々と届いた合格の報告。
しかしその喜びの裏に学校側が向き合わなければいけない課題がある。
この学校では多くの生徒が県外に進学する。
地域からは“過疎化が進む町の活性化に貢献していないのではないか”という声が根強くあるのである。
教育を地域の活性化にもつなげられないか。
力を入れ始めたのが“津南妻有学”と呼ばれる学校独自の探求学習である。
生徒が自ら地域の課題を見つけ
1年かけて解決策を立案する。
(生徒)
「防災です。
津南は空き家が問題になっているんです。」
「大地の芸術祭というアートフェスティバル。
海外からの観光客にもっと楽しんでもらえるように。」
学校の外に出てさまざまな人と触れ合い
若者の目線でアイデアを出し合うことで
地域の将来を自分事として考える生徒も増えてきた。
高校2年生にあたる5年生(当時)のKさん。
グループで取り組んだのは観光業の活性化。
「津南町の植林された杉を伐採して
広葉樹を新しく植えて
伐採した杉も商品にして販売するプロジェクトを考えています。」
杉を美しく色づく広葉樹に植え替えることで
紅葉の季節の景観を良くし
伐採した杉の木の加工品を売り出すというこのプロジェクト。
地域の大人たちと交流しながら作り上げてきた。
卒業後は県外の医学部への進学を目指しているKさんだが
地域振興への思いも芽生え始めたという。
(Kさん)
「将来はできたら今はお医者さんになれたらいいなと思っていて
それとはまた別でこういう活動もできたら楽しいだろうなと思っています。」
今年2月に開かれた学習の成果発表会。
会場には生徒の他に
町の職員や経営者など合わせて200人が集まり
オンラインで地域活性化の専門家なども参加した。
小西さんのグループも1年の成果を余すところなく伝える。
「実際に自分たちの手で杉の木箱づくりも行いました。
杉を使った商品は海外など町の外に需要があるということ
現在 私たちは海外や高級層をターゲットにした商品作りを進めています。」
(津南町 観光地域づくり課)
「私どもとしても実際に施策に生かせるものもあったのかなと思う。」
(Kさん)
「実は私たちが知らなかったり
知ろうとしなかっただけで
本当はこんなにいいものがあるんだって知れたし
地域とのつながりを長く持ち続けられたらいいなと思っています。」
(津南中等教育学校 教務主任)
「いろんなところに出ていって
いろんな人から刺激を受けて
人間として成長して
戻って来なくても
ここに関わりながら何かしらできる大人になってくれるといいなと思っている。」
高いレベルの教育と地域への貢献をどのように果たしていくのか。
これからの地方の教育のあり方を探る挑戦は続く。
2021年4月22日 NHK「おはよう日本」
NHKの大河ドラマ「青天を衝け」の主人公で
「近代日本経済の父」とも呼ばれる実業家 渋沢栄一の考え方をもとに
お金の歴史や役割を学ぶ新しい絵本が完成した。
絵本を手掛けたのは
渋沢栄一の孫の孫 玄孫(やしゃご)にあたり投資信託会社の取締役会長を務める渋沢健さんと
丸亀市の絵本作家 岡田さえさん。
約半年前から始まった絵本の制作。
健さんが栄一の考え方をかみ砕いて説明し
岡田さんがイラストで分かりやすく表現する。
(絵本作家 岡田さえさん)
「大人は言葉でパーンと入るけど
どうやったら子どもに伝わるのかなと。
お金も人も社会も
全部が循環するということを
きちっと表現できるような絵本を仕上げたいと思っている。」
りんごを独り占めしておなかを壊した男の子。
りんごをお金に
男の子を会社の経営者にみたて
経営者が儲けを独り占めすることは自分自身の幸福につながらないことを表現した。
(渋沢栄一のやしゃご 渋沢健さん)
「“よく集め よく散ぜよ”という渋沢栄一の教えがあるのですが
それをシンプルに伝えると
自分のためだけではなくみんなのためにも使いなさいということ。
ある意味で当たり前のことを再確認してもらうことを期待しています。」
また他のページでは
お母さんのお手伝いをしておこづかいを受け取る子どもを描いた。
栄一が考えるお金の循環は
「ありがとう」と切り離せないこと。
健さんが一番伝えたかったことである。
(渋沢栄一のやしゃご 渋沢健さん)
「お金というのは
この世の中で廻り回って自分のところに来ることであって
その中では必ず誰かがそこで働いていて
誰かがどうもありがとうって言っている。
その連鎖だと思う。」
ひとりひとりの力やお金を合わせることで
大きなことを成し遂げられるという意味の
「しずくの一滴一滴がやがて大河になる」
という栄一の言葉を引用し
ありがとうを増やすことが明るい未来につながると表現している。
(渋沢栄一のやしゃご 渋沢健さん)
「1人だけでは助けられないが
みんなが小さいお金だけどそれを寄付していけば
みんなと一緒に助けることができるということになると
ME=自分だけではなく
WEでお金を使って
いろいろなことができるということにお子さんが気がつくと思う。
ここはすごく上手に表現してくれたと思う。」
(絵本作家 岡本さえさん)
「渋沢健さんに監修してもらって
わかりやすく表現できるものが出来上がってきて
お金に振り回されるのではなくて
お金をきちっと使って
理解して
ありがとうを増やしていく。
それでみんなで明るい豊かな社会づくりをしていく
というように伝えられたらいいなと思う。」
絵本は2万2,000部発行され
全国の商工会議所から各地の図書館や小学校などに贈られる。
岡田さんと健さんによって新しく紡がれた栄一の言葉。
絵本という形で全国に広がっていく。
(渋沢栄一のやしゃご 渋沢健さん)
「150年前に言った言葉が
今の時代にそれを違う言葉で表現する。
渋沢栄一が持った心はそのままきちんとこういう形で絵本で表現できたということは
栄一はすごく喜ぶんじゃないかと思う。
よい良い未来 あしたを目指すという
まさに青天を附けというメッセージがあると思うので
ぜひ親子でこの本を読んでもらいたい。」
2021年4月21日 読売新聞「編集手帳」
かつて「こどもの詩」欄に、
小学2年生の算数の詩が載ったことがある。
<わたしはひき算がとくい
たし算のもんだいでも
まちがえて
ひき算してしまう…
ひき算なら百てんなのに>
当時の選者、
詩人の長田弘さんの評がうなずける。
<どっちかじゃなく、
どっちも大事。
大きな数を小さくする引き算も。
小さな数を大きくする足し算も>
大人の世界でも大事なことだろう。
酒類大手各社は缶製品を中心にアルコールの量を「グラム」で示す取り組みを始める。
要は「足し算」で、
飲み過ぎに注意してもらう試みである。
厚生労働省によると、
糖尿病や高血圧のリスクが高まるアルコール摂取量は
「1日につき男性で40グラム、
女性で20グラム以上」だという。
この値を目安にして各社公表の数字を足していけばいいので、
「%」表示より分かりやすい。
もう一方の「引き算」はぜひ、
健康診断の要注意値を減らす楽しみに。
若い頃からかなりお酒を召し上がったというダジャレ名人、
高田文夫さんに自戒の響きもある作品がある。
<とうにょうだよ
おっかさん>。
心配してくれる家族をまぶたに描く予防法もある。
2021年4月21日 NHKBS1「国際報道2021」
EVの販売台数が最も多いのが中国。
中国国内で50社以上が競い合う“WV戦国時代”とも言われる状況である。
4月 上海モーターショー
(上汽通用五菱 担当者)
「我々のミニEVは超人気商品で
新エネルギー車の代表です。」
会場でひときわ注目を浴びたメーカーは上汽通用五菱。
去年販売を始めたモデルがヒットして
中国のEV販売台数でトップに立っている。
最大の売りは日本円で約48万円という超低価格である。
安さの秘訣は機能を最小限にとどめたことである。
バッテリーは低価格の国産品を採用し
走行距離は1回の充電で120キロと短めで
急速充電には対応していない。
最も安いモデルには冷房はない。
去年7月の発売以来
販売台数は27万台を突破。
中国で最も売れているEVで供給が追い付かないほどだという。
(工場責任者)
「需要がとても多いので生産ラインをさらに拡大させる計画です。」
格安EV路線に突き進む裏付けとなったのは徹底した市場調査だった。
2017年に2人乗りのEVを初めて投入した際
3,000台の試乗車をユーザーに無料で提供。
9か月にわたって1日の走行距離や行き先などの膨大なデータを集め
ユーザーが求める必要最低限の装備を見極めたうえで
新車の開発に着手した。
その結果
いわゆる“街乗り”のニーズを見い出し
自転車代わりに市民の足となるEVを世に送り出したのである。
上海に住む家族は
2台目の自家用車として買い物や子どもの習い事の送り迎え用にとEVの購入を決めた。
(購入を決めた客)
「デザインがいい。
お買い得なので決めました。」
格安EVの人気をさらに高めたのがデコレーションだった。
若い世代に人気の飲食店などとタイアップしたモデルをモーターショーに出展したことがSNS上で大きな話題となったのである。
その結果
格安EVのオーナーたちが愛車に思い思いのデコレーションを施して楽しむことが流行に。
(購入者)
「カスタムしたのは座席やハンドルなど
見えるところは全部です。
とっても萌えな感じでかわいいですよね。
見た目も車内も気に入っています。」
メーカーの戦略は的中。
オーナーの6割を20代の女性が占めるようになり
これまで車を所有する割合が比較的低かった層を取り込むことができたとしている。
(上汽通用五菱 マーケティング担当者)
「小型EVは脱炭素をめぐる国の政策と合致しています。
さらに力を入れて
市場を発展させていきたいです。」
一方 購買層を富裕層をターゲットに
使い心地を追求する“ラグジュアリー路線”を打ち出したメーカーもある。
去年導入したのは
車とバッテリーを切り離した販売方式である。
日本円で約700万円からのモデル。
バッテリーの価格を除いた車体の価格である。
バッテリーの容量が少なくなったら専用設備でバッテリーごと交換。
作業は最短で3分と
自宅での急速充電で2時間半かかるのと比べると大幅に時間を節約できるとしている。
月々約1万6,000円で何度でもバッテリーを交換することができる。
3年前にこの車を買った投資家の張さん。
(車のオーナー 張さん)
「バッテリー交換の時間はいつでも
場所もどこでも設定できる。」
交換の施設は国内70都市余 約200か所に設置。
さらには
オーナーの都合の良い時間と場所を指定して出張してバッテリーの充電や修理のサービスも追加料金で提供している。
操作性でもユーザー目線を追求した。
ハーイ
(ドライバー)
「バッテリー交換ステーションを探して。」
バッテリー交換ステーションをご案内します
スマートスピーカーを標準装備し
音声で社内設備を操作。
自動駐車などの機能も充実させている。
さらに力を入れるのがブランドイメージの向上である。
販売店にはオーナーだけが利用できるカフェを併設。
(車のオーナー 張さん)
「この服もNIO製さ。」
世界的なデザイナーと組んで
服から家電製品にいたるまでオリジナルグッズを販売している。
車のみならず生活全般にわたってブランド力を高めてファンの獲得を目指している。
(車のオーナー 張さん)
「コーヒーもお茶も無料。
このメーカーはサービスが良いよ。」
出荷を開始して3年。
去年の販売台数は4万台と
前年から倍増した。
(NIO 北京支社 社長)
「ユーザーのための企業でありたいです。
世界で最もユーザー満足度が高い企業を目指します。」
2021年4月20日 NHK「おはよう日本」
スポーツの現場で
ITを利用して選手の疲労度や筋肉の状態などをデータ化することで
最高のコンディションで試合を迎えようという動きが広がっている。
3月に行われたフェンシングの世界大会。
相手の一瞬の隙を見つけて剣を突くことで得点するフェンシング。
瞬時の判断が求められるため
全身に疲労がない状態で臨めるかがカギである。
今回 日本代表は2位になって11年ぶりにメダルを獲得した。
その原動力のひとつが代表チームのスタッフが利用しているソフトウェア。
試合までの選手の疲労を詳細に把握していた。
選手は毎朝
起床した時に全身の筋肉痛や腕のハリなど11項目を入力する。
代表選手11人のすべてのデータをスタッフが分析する。
最も重視しているのが疲労度のグラフ。
試合の2週間前
練習量を4割ほど減らすことで疲労度を大幅に抑えることができた。
その結果
最高のコンディションで試合に臨むことができた。
(日本フェンシング協会 強化本部 千葉アナリスト兼監督補佐)
「経験則から導かないといけなかった検討課題・答えといったものが
データを使うことで新しい視点を手に入れた。
今回このような結果を引き寄せた大きな要因ではないかなと。」
このソフトを開発したのが東京のIT企業。
疲労度などの詳細なデータを把握することで
適切な練習量を見極めケガを防ぐこともできる。
現在
ラグビー日本代表やプロ野球 福岡ソフトバンクホークスなど
1,700のチームがこのソフトを利用しているという。
(ユーフォリア 冨田代表取締役)
「数値・グラフの形でみんなが見られるデータが共通言語のように使えるようになった。
それが本番に役立ったと言ってもらえることが本当に一番うれしい。」
ソフトを通じて集められたデータはビジネスにも活用されている。
アスリート向けの低周波治療器を開発した会社。
パットを太ももやひざなどに貼って
電気による刺激で痛みを緩和する。
どこに貼ればより効果を高められるのかを調べるためにこのソフトを利用している。
治療器を女子サッカーチームなどで使ってもらって
筋肉のはりや痛みなどをデータ化し分析を続けてきた。
「ふくらはぎの方だと有意な差が出た。」
練習が終わって1時間以内にふくらはぎに貼ると効果が高いことが分かってきたという。
そこでパッドをふくらはぎに貼りやすい形に改良した。
(オムロンヘルスケア 商品企画課 片山さん)
「データが見えなかったものを見える化してくれた。
“こんなタイミングでこんなふうに使うといいですよ“というような
より丁寧なコミュニケーションができるんじゃないか。」
2021年4月19日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」
ツイッターの創業者の1人
ジャック氏がサービスを起ち上げて一番初めに投稿した“史上初のツイート”が
3月 約3億1,000万円余で落札された。
インターネットで検索すればこのツイッターは誰でも見ることができるが
そのツイッターを3億円で買うということはどういうことなのか。
そのカギを握るのがNFT(Non-Fungible Token)
日本語では「非代替性トークン」と訳されている。
他のものでは替えがきかない ただ1つ
もしくは
数が限られたもの
という意味である。
ーアメリカABCが伝えたリポートよりー
コレクションを見れば思い出をたどれる。
トレーディングカードや人形 スニーカーを集めていた人もいるでしょう。
今はそれがデジタルで行われているのです。
「成長著しい市場です。」
デジタル上にある商品を売り買いする新しい仕組み
それが“NFT”です。
(アート競売サイトの責任者)
「例えばインターネット上にある画像や映像などは誰でも見ることができるが
NFTは
それらを所有するのに必要な唯一のデジタル証明が付与されたものである。」
アート 音楽 スポーツ
市場は急拡大しています。
アーテイストの作品は75億円で落札されました。
無名なアーティストの作品も高額で取引されています。
2月には動画が6,000万円で落札。
無料で見られるのに
なぜ大金を?
(NFT取り扱い企業の広報)
「モナリザの写真を撮ることができても自分のものにはできませんよね?」
中学校の教師だったダニエルさんもこの新しいNFT市場にのめり込んだひとりです。
(元中学教師 ダニエルさん)
「始めて2か月で口座の残高が数千万円増えた。」
市場はさらに拡大すると言われています。
(デジタルアートの専門家)
「NFTはあらゆるクリエイティブ産業やコレクション市場に革命を起こすでしょう。」
音楽界でキングス・オブ・レオンがNFTでアルバムを発表。
The WeekendもNFTを活用すると予告している。
ツイッターの創業者の初ツイートは3億円以上で落札。
NBAの提携サイトはトレーディングカードを発売。
レブロン・ジェームズ選手のダンクシュートは2千万円以上で売れた。
(デジタルアートの専門家)
「現実とバーチャルの境界がこれまでになく曖昧になって
まさに今その境界が消えようとしている。」
(ジャーナリスト)
「多くの人がネットにどういうものをアップして
それにどんな価値・値段をつけるか考えるようになるでしょう。
これはデジタル化された経済が拡大していくことを示唆している。」
このNFTとはデジタルの世界で本物とコピーされた偽物を明確に分けられるようにする技術のことである。
たとえば
デジタルの世界にしか存在しないアート作品や
スポーツのスター選手の動画のトレーディングカード
前出の世界最初のツイッターの投稿など。
たとえ他にコピーが作られたとしても
本物だと間違いなく証明できるようになったということである。
それによって
それを所有したり
他人に売ったりすることができるようになった。
このNFTは世界中で盛り上がりを見せており
世界最大のNFT売買サイト(OpenSea)には1,400万店以上が登録されている。
NFT業界サイト(DappRadar)によると
今年の第1四半期の取引額は1,600億円以上にのぼるという報告もある。
中には何十億円もの価値が就くこともあるNFT。
どういう仕組みなのか。
(慶応義塾大学 酒井教授)
「コピーがいくらでもできるデジタルの世界に希少性の概念を持ち込んだのがNFT。
コピーができないというのはデジタルの世界では画期的。
デジタルの世界はほとんどただで無限に複製が作れる。
NFTはコピーと本物を明確に区別できる。」
そのカギを握るのがビットコインなどの暗号資産で使われるブロックチェーンの技術である。
記録の改ざんがほぼ不可能であるブロックチェーンの特徴を利用し
デジタルデータにも本物であることを示す証明書を貼り付けることができるようになったのである。
この仕組みを移用することで
デジタルの世界でもアート作品や音楽などを数を限定して発売することが可能になったと
坂井教授は解説する。
(慶応義塾大学 坂井教授)
「例えば
この曲は100人しか聴かれていませんと
100個限定のNFTで売る
希少性のある音楽を歌手が発行できるようになる。
NFT=版画。
版画作家は何枚も刷ることができる。
ところが多く作ると値崩れしてしまう。
だから版画作家はあまり多くの版画を刷らない。
一定枚数刷ったところで原版に傷を入れるとか割るとかして刷れなくしてしまう。
買い手に対して希少性が担保されることを信頼してもらう。
同じことがNFTによってデジタル空間でもできるようになった。」
(慶応義塾大学 坂井教授)
「コンテンツ産業が強くなることが期待できる。
スポーツ業界とNFTは相性がいい。
ファンが持ちたいと思うものをNFTで発行する。
新たな収益源が得られる。
それが非常に大きい。」
「日本はNFTを扱う会社は成長している。
1つはブロックチェーンゲーム。
ゲームの中で得たアイテムを外の世界に持ち出すことができる。
ゲームの中から取り出したアイテムを他の人に売ることができる。
ゲームのアイテムに資産性がつく。
そういうブロックチェーンゲームが有力な企業というのが日本にはいくつかある。
かつて日本はブロックチェーンや暗号資産で先進国になりかけた。
ところが金融庁が厳しい規制を敷いてしまい
今では先進国ではない。
政府がNFTに規制をかけると
せっかく育っているNFT産業がつぶれてしまう。
法律の網をかけないで自由に産業を発達させた方が国益になる。」
2021年4月16日 NHKBS1「国際報道2021」
今年2月 フランスのポンピリ環境相がツイッターに投降した動画。
「持続可能な社会への移行は1人では成し遂げられない。
すべての当事者の参加が必要だ。」
フランス政府は
料理の宅配サービスを行う企業など19社と
使い捨てプラスチック削減に向けて協力することで合意。
“来年までに容器の使用を半減させることを目指す“と発表した。
協力を約束した大手料理宅配サービスの企業。
フランス国内の飲食店約2万店の宅配を請け負っている。
この企業では飲食店側に
プラスチックではなくより環境への負荷が少ない紙やサトウキビが原料の容器を使うよう提案している。
(料理宅配企業 ラボ広報責任者)
「我々はパートナーと共に責任を持って事業を拡大しています。
容器を持続可能な形で使うことは重要で
消費者もそれを望んでいるのです。」
プラスチック容器を捨てずに再使用する新たな試みも始まっている。
企業向けに食事を配達している業者。
「現在使っているこの容器を再使用できるものに替えていきます。」
これまでは紙製の容器とプラスチックのふたを使ってきたが
これを繰り返し使うことができる耐久製の高いプラスチック容器に替えようとしている。
取引先の企業で新しい容器を試験的に2週間にわたって導入した。
利用者はスマートフォンを専用の自動販売機にかざして商品を購入。
食べ終わった後は容器を返却してもらう。
その際 容器の底にあるQRコードを読み取る。
返却しなかった場合
利用者に容器代が請求される仕組みである。
(利用者)
「小さな取り組みですが需要なことです。」
「地球にとって良いことです。
無駄なゴミがなくなります。」
回収した容器は洗浄し
最大で繰り返し100回使うことを目指す。
今年秋にも本格導入する予定で
これにより年間20トン近くのプラスチック容器のゴミを削減できるという。
(社食配達企業 オルマンセCEO)
「容器の回収・洗浄など一連の費用は
使い捨て容器を購入する費用とほぼ一緒です。
すべての使い捨て容器を再使用できる容器に替えていけると思います。」
さらに再使用する容器の原料を植物にする取り組みもある。
「この容器には化石燃料や化学物質が一切使われていません。」
原料はトウゴマ飲の実から採れるひまし油。
価格は使い捨てプラスチックの10倍だが
繰り返し使用することでコストは回収できるという。
(スタートアップ企業 ペリ共同創設者)
「業者は価格を抑えようと粗悪な容器を使いますが
その対極にあるのが再使用の考え方です。
再使用すれば消費者は使いやすく丈夫な容器で食事することができます。」
新型コロナウィルスの感染拡大がきっかけとなって宅配サービスの利用が拡大したフランス。
使い捨ての生活習慣を見直す機運が高まっている。
2021年4月15日 NHKBS1「国際報道2021」
3月31日
国民に向けてテレビ演説を行ったフランス マクロン大統領。
強い言葉で鼓舞した。
(フランス マクロン大統領)
「この4月がものすごく重要だ。
みなさんの協力が必要だ。
みんなで団結して頑張ればトンネルの終わりが見える。」
そして発表したのはワクチン接種の新たな目標である。
1日に接種できる数を3倍に増やし
今年6月半ばまでに国民の半分近くが1回接種することを掲げた。
(フランス マクロン大統領)
「祝日も週末もワクチンの接種 接種 接種だ。
そのためにあらゆる措置を行う。」
背景にあるのは変異ウィルスによる感染者数の急増である。
4月に入ってから1日平均の新規感染者数は4万人に迫り
4月からは3度目の全国的な外出制限が行われている。
フランスでのワクチン接種はイギリスなどより大幅に遅れ
3月までに接種を受けたのは国民の13%ほど。
ワクチンの確保や接種体制の遅れが原因だと指摘されている。
感染の拡大に対し
野党はマクロン政権への批判を強めている。
(野党 共和党議員)
「ワクチンの接種戦略に失敗した。
外出制限になったのはこのためだ。」
一方
前回の決選投票で闘った極右政党のルペン党首は
移民排斥を訴え
保守層から支持を集めている。
感染拡大によって支持層である地方の労働者や農家が大きな打撃を受けるなか
マクロン政権への攻勢を強めている。
(極右政党「国民連合」 ルペン党首)
「5月半ばに経済を通常に戻すという政府目標は信じられない。
ワクチン接種率が低すぎる。
フランス国民は6,700万人もいるのに
接種した人数がまだまだ少なすぎる。」
こうしたなか
マクロン政権がワクチン接種のスピードを上げるために始めたのが大規模施設での接種である。
サッカースタジアムなどを活用し
消防隊員や医学部学生も動員して
1日2,000人ほどに接種を始めた。
自転車の競技場を利用した接種会場は訪れた人にも好評である。
(接種を受けに来た人)
「選手たちが練習していて
とてもいいですね。
ワクチン接種の前にリラックスできます。」
感染予防対策としてマクロン政権が特に力を入れているのが高齢者への接種である。
政府が製作した広報ビデオでは
副反応を心配する高齢者が少なくないなか
“接種を受ければ孫にも会える”と接種を呼びかけている。
再開を夢見るのなら
接種しましょう
さらに
接種を受けやすい環境を作ろうと
マクロン大統領が設置したのがコールセンターである。
主に高齢者が抱いている接種への不安をとりのぞくため
質問に答えたり接種の予約をとったりしている。
マクロン大統領は野党に批判されたワクチン確保にも積極的に動き出した。
国内に初めてできたワクチンの製造拠点に足を運び
確保に向けた成果をアピールした。
(フランス マクロン大統領)
「4か所で今後ワクチンを生産し
生産能力を高めていく。
今年中にフランス国内で2億5,000万回分をフランスとヨーロッパ用に製造する。」
ワクチン接種を目標どうり進め
疲弊した経済に道筋をつけることは
マクロン大統領の再選には欠かせない条件だと専門家は指摘する。
(ソルボンヌ大学 客員教授 ベネデティ氏)
「ワクチン接種がうまくいったとしても
マクロン大統領の再選が容易になるとは限りませんが
滞ればより情勢は厳しくなるでしょう。
だからマクロン大統領は急いでいるのです。」
選挙まで1年となったが
フランス国民の関心は感染拡大をどう抑え込むのかにつきる。
フランスでは観光業や小売業を中心に幅広い産業で深刻な打撃を受けていて
人々の関心はワクチンの接種に集まっている。
さらに
マクロン大統領がワクチン接種を急ぐ背景に
極右政党のルペン党首の存在がある。
最新の世論調査の結果を伝える紙面には
“トップの顔ぶれはマクロンのルペンのまま”と書かれている。
選挙の構図は前回と同様まったく変わっていないままだと伝えているのである。
ただルペン党首のある変化がいま話題になっている。
ある新聞は“ルペン党首がイメージチェンジを図っている“と伝えている。
激しい口調でライバルを責め立てる強面のイメージがもたれてきたが
“より幅広い支持を狙って物腰や口調が柔らかくなっている“と分析しているのである。
世論調査ではルペン党首が都市部の若者にも支持を広げつつあるという結果も出ていて
マクロン大統領としては油断できない事態となっている。
新型コロナウィルス以外の争点は
テロ対策と国民の融和だと考えられる。
去年フランスではイスラム過激派による残忍なテロが相次いだ。
イスラム教徒などの移民と
フランスがこれまでよりどころとしてきた“表現の自由”などの価値観を
どのように共有するのかを問われる時代になった。
マクロン政権は
イスラム教徒の若者が過激化するのを防ぐため
社会に取り込んでいく方針である。
一方の極右政党のルペン党首は
“政府の対策は手ぬるい“と厳しく批判している。
当局が監視対象としている人物については“国外退去すべきだ”などと主張しているのである。
安全をどう守るか
いま国民の関心は非常に高く
今後大きな争点になる見通しである。
2021年4月14日 NHKBS1「国際報道2021」
太平洋の島国 パラオ。
4月1日
台湾の空港にはパラオへ向かう団体旅行客の姿があった。
(パラオへ向かう観光客)
「外国に行くことができて
しかも第1陣でワクワクしています。」
美しい海が世界中のダイバーらを魅了してきたパラオ。
人口の5倍以上にあたる年間10万人余の外国人が訪れ
観光業が国の経済を支えてきた。
台湾との間で隔離無しの団体客の往来再開を発表したウィップス大統領。
(パラオ ウィップス大統領)
「台湾は感染の抑え込みに成功していて
パラオは感染者が1人もいない。
安全な状態で市場を開くことができる。」
台湾からパラオに旅行するには
3か月以内に新型コロナに感染していないことや
出発前に空港でのPCR検査で陰性となることなどが求められている。
受け入れ側のパラオでは
マスク着用や手の消毒などの習慣がなかった観光業界で働く人たちを対象に感染対策の講習が行われ
医療従事者などと同様にワクチンの接種を優先的に受けられるようにした。
観光客は決められた場所のみを団体で移動。
住民との接触は極力避けるなど
感染対策を徹底している。
現地でダイビングショップを経営する日本人は
パラオで1年ぶりとなる外国人観光客の受け入れを歓迎した。
(パラオでダイビングショップ経営 富永さん)
「台湾との観光をしっかり継続できるようにしていき
段階的に観光が再開していくのを期待している。」
こうした動きに背景には太平洋地域で影響力を強める中国の存在がある。
中国が太平洋地域の各国に巨額の支援や投資を行なうなかで
台湾と断交して中国と外交関係を結ぶ国も出ている。
一方で台湾と外交関係があるパラオに対して
中国政府は4年前
国交がないことを理由に観光旅行を事実上禁止。
最近ではパラオ沖合で中国漁船による違法操業も発生している。
パラオとしては台湾との関係を強化することで中国をけん制するとともに
台湾にとっても
パラオには今後も外交関係の維持を求めたいとの思惑があるとみられている。
(パラオ ウィップス大統領)
「中国は巨大な国で
私たちはすべての国と仲良くしたいが法の支配を尊重してほしい。」
ウィップス大統領は3月 台湾を訪問し
蔡英文総統と会談していて
こうした台湾との良好な関係を国際社会にアピールしていきたい考えである。
(パラオ ウィップス大統領)
「人権や法の支配などといった価値観を共有できる国々と
友好関係を保つことはパラオにとって大切なことだ。」
2021年4月13日 読売新聞「編集手帳」
ゴルフはなぜ18ホールで競うのか。
時は18世紀に遡る。
1764年、
スコットランドのセントアンドルーズのコース改造でたまたまそうなったからだという。
その当時の日本は、
江戸時代が半分を過ぎた頃である。
歴史も見えない壁の一つだろうか。
日本の一流選手が挑戦しては惜しいところで敗れてきたメジャー大会で、
松山英樹選手(29)が栄冠を射止めた。
マスターズ・トーナメント優勝の偉業は、
沈みがちな気分を明るくするニュースだろう。
松山選手は優勝者に贈られる「グリーンジャケット」に袖を通し、
両手を振り上げて喜んだ。
つられてほほ笑んだ方は多かろう。
詩人の杉山平一さんに「蕾」という作品がある。
<誰がつくった文字なのだろう
草かんむりに雷とかいて
つぼみと読むのは素晴らしい…
とき至って野山に
花は爆発するのだ>(「杉山平一詩集」土曜美術社)。
春から初夏にかけての景色だろう。
あまり感情を表に出すことのない松山選手が、
春の鮮やかな芝生の上で満面の笑みをたたえた。
マスターズへの挑戦は10度目になる。
蕾のままでいた時間は短くない。
爆発する花を思った。
2021年4月12日 NHKBS1「国際報道2021」
一昨年 1千万人以上が訪れたハワイ。
アメリカ国内を中心に観光客は戻り始めているものの
以前の半分程度にとどまっている。
人気のシュノーケリングスポット
ハナウマ湾。
感染対策のため
去年約9か月間にわたり観光客の立ち入りが禁止された結果
思わぬ変化があった。
水の透明度が大きく改善したのである。
(研究者 セベリーノさん)
「閉鎖中に透明度が約64%向上しました。
興味深いことに
より大きな魚が湾に来るようになりました。」
ビーチへの立ち入りは去年12月に再開されたが
ホノルル市は改善した水質を守るため新たな取り組みを始めた。
入場を予約制にし入場者数を制限した。
(観光客)
「ここは生きものの住みかで
人間は訪れているだけ。
そこを忘れてはいけません。」
(ホノルル市 担当者 ヒロハタさん)
「以前は1日に2,500~4,000人来ていましたが
今は1,050人に制限しました。
湾の資源を守りたいのです。」
環境保全のためにハワイ州の議会も動き出している。
新しい税の導入である。
「グリーンフィー」と呼ばれるこの税金。
海岸の清掃などの費用に充てるため
観光客から1人あたり20ドルを集めるというものである。
年間1億ドルの税収を見込んでいる。
(法案提出者の1人 民主党 デラクルーズ上院議員)
「年間1,000万人
毎日3万人もの人がハワイに来ることで
国立公園やビーチに影響がありました。
観光客は少なくなっても
同じ歳入がある仕組みにしたいのです。」
さらにハワイでは観光業の不振をきっかけに
これまで先送りされてきた問題の解決にも取り組み始めている。
豊かな自然を生かして持続可能な社会づくりを進めている。
その中で特に力を入れているのが農業に対する支援である。
背景にあるのが
わずか15%と低い食料自給率の問題である。
ハワイでは食料のほとんどを島の外から調達していて
非常時にどう備えるかが課題となっていた。
そこでいま農業の生産力を上げようと就農支援が進められている。
ホノルル市などが進める就農支援プログラムの農場。
参加者は1年間で野菜の栽培から農地の管理まで
農業に関するノウハウを集中的に学べる。
就農にあたっては農地を借りることができるとあって
去年は半年で500人近くが参加した。
ボンさんもその1人である。
いまはレタスや大根 ナスなどを栽培している。
出荷先は地元のスーパーとレストランなどである。
(就農支援プログラム参加者 ボンさん)
「ここでは土壌 害虫 水の管理と農業の基礎からビジネス面まで学びました。
農業は生産するだけでなく
市場を見つけて販売しないといけませんから。」
ホノルル市はこうした支援を強化していきたいと考えている。
(ホノルル市 幹部 アッセルベイさん)
「失業している人や若者は
何かできることはないか見つけようとしています。
そうした人たちの雇用創出の機会につなげたいのです。」
これまで観光に頼ってきたハワイ。
コロナ禍の今
経済と環境が共存する持続可能な社会づくりに向けて舵を切り始めている。
2021年4月9日 NHKBS1「国際報道2021」
ワクチンの接種が進むアメリカでは制限を緩和する羽後s気が相次ぎ
これまで主に無観客で行われてきたスポーツイベントの会場にもファンの姿が戻ってきている。
4月1日に開幕した大リーグ。
2年ぶりにファンの姿が戻った。
大谷翔平選手が所属するロサンゼルス・エンジェルスでは
収容人数の3分の1にあたる1万5,000人が来場。
スタンドはまばらだが
選手にとってファンの声援は大きな励みである。
(エンジェルス 大谷翔平選手)
「楽しいですね。
いっぱい入ってくれて。
声援があるかないかは
打席でもマウンドでもどの程度集中できるかも変わってきます。」
ニューヨークにあるNBAアメリカプロバスケットボールのブルックリン・ネッツのホームアリーナ。
2月から収容人数の1割を上限に受け入れを再開。
この日は数百人が訪れた。
会場の入り口では体温を測定。
さらにワクチンの接種証明か72時間以内の陰性証明を提示する。
観客はグループごとに距離をとって座る。
会場内の飲食店は混雑を防ぐためカウンターで注文は取らない。
客は掲示されたQRコードを読み取り
専用のサイトで注文をすると
席までスタッフが届けてくれる。
(観客)
「感染対策がしっかりしているから安心して試合が見られるよ。」
フロリダ州のNBAマイアミ・ヒートの本拠地では
感染した人を臭いで嗅ぎ分けるという探知犬が登場。
数か月にわたって訓練し
プロスポーツの現場で初めて導入した。
犬が手の匂いを嗅いで座り込めば“感染の疑い”があると判断。
グループ全員の入場を断る。
この日は犬が座り込むことはなく
みな安心した表情で入場していった。
こうしたなか懸念されている動きもある。
南部テキサス州を本拠地とする大リーグ テキサス・レンジャーズの対応である。
州が3月 マスク着用の義務を緩和したことを受け
“観客数を制限しない”と発表。
4月5日のホーム開幕戦では約4万人入るスタジアムがほぼ満員となった。
球場内ではマスクの着用が求められているが
着けていない人も少なくない。
ハンバーガー店には長蛇の列も。
(観客)
「マスクも着けるしワクチンも接種した。
そんなに心配ないよ。」
「大変だけど
きっと乗り越えられる。」
テキサス州のマスク着用義務の緩和について
バイデン大統領は「大きな誤りだ」などと批判している。
今シーズンは安全にスポーツ観戦を楽しむことができるのか。
スポーツ界の対応が問われる。
2021年4月8日 読売新聞「編集手帳」
♪ワッショイ ワッショイ ワッショイ ワッショイ ソーレソレソレ お祭りだ――と、
にぎやかに書き出してみる。
美空ひばりさんのうたった『お祭りマンボ』である。
<私のとなりのおじさんは
神田の生まれで
チャキチャキ江戸っ子
お祭りさわぎが大好きで>と1番の歌詞にある。
ワッショイは神田祭のみこしだろう。
2年に1度、
5月に行う神田祭の中止が決まった。
去年は祇園祭(京都)、
天神祭(大阪)が主行事をやめ、
これで日本三大祭りすべてが中止ということに。
東京都が「まん延防止等重点措置」に踏み出す準備を始めたというから、
しかたのないことだろう。
この施策の略称を巡っては、
のんびり感がある、
昼寝をする魚を連想させると、
まじめに議論されもした。
とはいえ、
話題になることで小難しい名の施策を広める役は果たしたかもしれない。
小欄もためらって略称を使わないできたが、
かねて気になる歌の名を上の段に記してしまった。
いつか、
にぎやかなお祭りが戻ってくることを願いつつ。
本場のラテン音楽ではなぜか陽気にこんなふうに叫んだりする。
♪マンボ ウーッ
2021年4月10日 NHK「おはよう日本」
新進気鋭の映画監督 クロエ・ジャオさん(39)。
アメリカの格差社会の現実を描いた映画が
アカデミー賞の監督賞など6つの部門にノミネートされ注目を集めている。
ジャオが監督が主人公にしたのが“ノマド”と呼ばれる人々である。
どのような現実が描かれているのか。
「あなたはどこへでも移動できる。」
「確かにそうね。」
「あなたみたいな人はこう呼ばれる。
“ノマド(放浪の民)”と。」
日本で公開が始まった映画「ノマドランド」。
ノマドとは「遊牧民」という意味だが
家を持たず車に寝泊まりしながら各地を転々とする人たちの呼び名としても使われている。
なかには不況で短期の仕事しか見つからず車上生活をせざるを得ない高齢のノマドもいる。
アメリカでは
リーマンショック以降
こうした人たちが増えていると言われている。
主人公は仕事も家も失った60代の女性 ターン。
夫も亡くし
ひとりキャンピングカーで寝泊まりしながら働かざるを得なくなった。
ある時は大手ネット通販の配送センター。
飲食店でも。
季節によってはキャンプ場の仕事に。
仕事を求めて町から町へ。
行く先々で出会うのは同じように車上生活を続ける人たちである。
映画を作る上でジャオ監督が重視したのがリアリティーである。
実際に車上生活をしている人たちを出演者に起用した。
「身を粉にして働き
老いたら野に放たれる。
それが今の我々だ。」
監督は
厳しい状況に置かれたノマドの人たちを通して
大切なものを失った人間の強さを描きたいと思ったのである。
(クロエ・ジャオ監督)
「ノマドは不況ですべてを失った。
自分の存在意義を示す仕事 コミュニティー 家 愛する人を失った。
これは目を背けてはならない現実だ。」
監督は多くのノマドのの人たちから話を聞いてストーリーを組み立てた。
そして実際の生活の場で6か月間カメラを回し続けたのである。
(クロエ・ジャオ監督)
「俳優ではノマドの人たちの代わりになることはできない。
ノマドにはノマドの世界があり
車で行く場所があり
友人がいる。
ノマドこそが映画の世界観を作ってくれた。」
アメリカ在住の映画評論家 町山智弘さん。
あまり知られてこなかったノマドの人たちのリアルな姿が
多くの人の心を動かしたという。
(映画評論家 町山智弘さん)
「何人かの俳優以外はほとんど全部実際のノマドの人を使っている。
ドキュメンタリーに近いかたち。
そのリアリティーは非常に大きい。
どうして彼らは高齢者なのに家も失いお金もなく
こんなことにならなければならなかったのか。
この映画はそういう疑問に対する扉を開くことになる。」
全てを失ったノマドの人たちは
それでも前を向いて生きていこうとしている。
この生き方が好きなのは
最後の“さよなら”がないから。
“また路上で会おう”と言うだけだ。
ジャオ監督は
新型コロナでさまざまなものを失った人たちにもこの映画を届けたいと思っている。
(クロエ・ジャオ監督)
「パンデミックは私たちの生活を一変させた。
これからどう前に進めばいいのか
いま問われている。
自然のなかやひとり静かなところで
自分の居場所を作り
いまの自分に何が必要か問いかけてもいい。
再スタートを切るために一度立ち止まってもいい。」