評価点:73点/2017年/アメリカ/118分
監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
そこそこおもしろい。
1944年南太平洋に、見知らぬ島に不時着した日本とアメリカの戦闘機は、パイロットが二人とも助かった。
起きるなり争った二人は、大きな咆哮に言葉を失った。
それから30年、1973年、秘密研究所モナークのヴィクター・ニエベスは政府を説得し、誰も近寄ったことのない「髑髏島」とよばれる島の探索を実行する。
ベトナム戦争が終わった部隊は撤収する際、最後の任務として髑髏島に向かった。
しかし、そこは見たこともない生物がいる、地獄の島だった。
今更感がものすごい、「キングコング」のリブート作品。
今更というか、今だからなのかも知れない。
この作品はすでに2020年、ゴジラ対キングコングという仮題で、次回作が決定している。
それくらいハリウッドもネタが無いのだろう。
監督は日本の映画アニメのヲタクを自称するジョーダン・ヴォート=ロバーツ。
傭兵役で主人公となるのは、「アベンジャーズ」のロキで知られるトム・ヒドルストンである。
「キングコング」といえば都会で大暴れ、美女を守るために死ぬ、というイメージだが、今回は潔く島だけの闘いになっている。
平日、しかも朝の早い時間帯に行ったのに、かなりの人が入っていた。
みんな、どんだけ暇やねん。(私もだが)
観たいものがなく、かつ休みが取れたので見にいった。
「T2 トレインスポッティング」公開くらいまではこれで我慢しておきましょう。
▼以下はネタバレあり▼
物語の世界観を、ゴジラシリーズ(ハリウッド版)と共通させることがすでに表明されている。
私は観た後にそのことを知ったが、その流れを大事に作ろうとしたことはその情報がなくても伝わってきた。
だからなのだろう、「今更感」は否めないものの、物語としてはしっかりした作りになっており、意外にも楽しめた。
時は1973年。
ベトナム戦争で疲弊しきったアメリカは、撤退を決める。
もちろんその時代設定は、物語にアメリカ軍を巻き込むという意味もあるが、当然、シリア、イラクの中東へ介入したアメリカの現在を暗示する。
ゴジラと同じ世界観、とは、反戦の物語であるということだ。
印象的に、「敵はいないのかもしれない、見つけようとしなければ」といったセリフも、この作品だけではない、大きな流れを感じさせる。
だから、エンドロールの後、ゴジラらしき咆哮がきこえても、「そりゃむりやろ」とはならない。
ゴジラや日本映画、アニメなどを知り尽くした監督ならではのさじ加減だった。
方向性を見失っている「アベンジャーズ」とは大違いだ。
物語も、うまく仕上がっている。
軍用ヘリを壊しまくった恐怖のキングコングは、破壊神としてのインパクトたっぷりだ。
だが、なぜこんなにもはやくその全貌を見せてしまったのかと思っていたが、後半でひっくり返しがある。
すなわち、「破壊神」から「守護神」へという転換だ。
これによって、恐怖から畏怖へとその感覚を変えていく。
このあたりも、日本版ゴジラを意識しているものだと思われる。
単なる恐怖の対象、破壊の象徴というアメリカのディザスター、パニック映画的な発想から、むしろ自然から生み出された偉大さ、という日本の発想へ変わる。
物語として、また次回作へのつなぎとしても、かなり上手くできあがっている。
キングコングよりもむしろ周りに出てくる奇怪な昆虫や動物のほうが恐怖を煽るのもおもしろい。
映画としては及第点だろう。
それでは絶賛する程かと言われれば、そうではない。
様々なキャラクター描写があるものの、いまいちよくわからない。
特にプレストン・パッカード(サミュエル・L・ジャクソン)大佐は、何がしたいのかいまいちわからない。
死んだ可能性の高い部下を助けたいといったり、そのためにわざわざ危険な地に足を踏み入れてみたり。
コングに対して怒りが強いのは理解できるが、だからといってその判断力ではベトナム戦争は戦えないだろう。
印象的なキャラクターやセリフが多いように見えて、その行動原理や大切にしようとしていることがいまいち見えてこない。
主人公のコンラッドも、危険を承知で、帰還よりも隊員の優先してしまう。
キャラクターがもう少しきちんと描かれていればなお良かったに違いない。
私は個人的にこの正月に「イース8」で遊んでいた。
そのこともあって、世界観がどこかしら通じるものがあると感じていた。
だから、すこし評価は高めかもしれない。
キャラクターの描き分けよりも、いつダーナが登場するのか、そればかりが気になったが出てこなかったようだ。
監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ
そこそこおもしろい。
1944年南太平洋に、見知らぬ島に不時着した日本とアメリカの戦闘機は、パイロットが二人とも助かった。
起きるなり争った二人は、大きな咆哮に言葉を失った。
それから30年、1973年、秘密研究所モナークのヴィクター・ニエベスは政府を説得し、誰も近寄ったことのない「髑髏島」とよばれる島の探索を実行する。
ベトナム戦争が終わった部隊は撤収する際、最後の任務として髑髏島に向かった。
しかし、そこは見たこともない生物がいる、地獄の島だった。
今更感がものすごい、「キングコング」のリブート作品。
今更というか、今だからなのかも知れない。
この作品はすでに2020年、ゴジラ対キングコングという仮題で、次回作が決定している。
それくらいハリウッドもネタが無いのだろう。
監督は日本の映画アニメのヲタクを自称するジョーダン・ヴォート=ロバーツ。
傭兵役で主人公となるのは、「アベンジャーズ」のロキで知られるトム・ヒドルストンである。
「キングコング」といえば都会で大暴れ、美女を守るために死ぬ、というイメージだが、今回は潔く島だけの闘いになっている。
平日、しかも朝の早い時間帯に行ったのに、かなりの人が入っていた。
みんな、どんだけ暇やねん。(私もだが)
観たいものがなく、かつ休みが取れたので見にいった。
「T2 トレインスポッティング」公開くらいまではこれで我慢しておきましょう。
▼以下はネタバレあり▼
物語の世界観を、ゴジラシリーズ(ハリウッド版)と共通させることがすでに表明されている。
私は観た後にそのことを知ったが、その流れを大事に作ろうとしたことはその情報がなくても伝わってきた。
だからなのだろう、「今更感」は否めないものの、物語としてはしっかりした作りになっており、意外にも楽しめた。
時は1973年。
ベトナム戦争で疲弊しきったアメリカは、撤退を決める。
もちろんその時代設定は、物語にアメリカ軍を巻き込むという意味もあるが、当然、シリア、イラクの中東へ介入したアメリカの現在を暗示する。
ゴジラと同じ世界観、とは、反戦の物語であるということだ。
印象的に、「敵はいないのかもしれない、見つけようとしなければ」といったセリフも、この作品だけではない、大きな流れを感じさせる。
だから、エンドロールの後、ゴジラらしき咆哮がきこえても、「そりゃむりやろ」とはならない。
ゴジラや日本映画、アニメなどを知り尽くした監督ならではのさじ加減だった。
方向性を見失っている「アベンジャーズ」とは大違いだ。
物語も、うまく仕上がっている。
軍用ヘリを壊しまくった恐怖のキングコングは、破壊神としてのインパクトたっぷりだ。
だが、なぜこんなにもはやくその全貌を見せてしまったのかと思っていたが、後半でひっくり返しがある。
すなわち、「破壊神」から「守護神」へという転換だ。
これによって、恐怖から畏怖へとその感覚を変えていく。
このあたりも、日本版ゴジラを意識しているものだと思われる。
単なる恐怖の対象、破壊の象徴というアメリカのディザスター、パニック映画的な発想から、むしろ自然から生み出された偉大さ、という日本の発想へ変わる。
物語として、また次回作へのつなぎとしても、かなり上手くできあがっている。
キングコングよりもむしろ周りに出てくる奇怪な昆虫や動物のほうが恐怖を煽るのもおもしろい。
映画としては及第点だろう。
それでは絶賛する程かと言われれば、そうではない。
様々なキャラクター描写があるものの、いまいちよくわからない。
特にプレストン・パッカード(サミュエル・L・ジャクソン)大佐は、何がしたいのかいまいちわからない。
死んだ可能性の高い部下を助けたいといったり、そのためにわざわざ危険な地に足を踏み入れてみたり。
コングに対して怒りが強いのは理解できるが、だからといってその判断力ではベトナム戦争は戦えないだろう。
印象的なキャラクターやセリフが多いように見えて、その行動原理や大切にしようとしていることがいまいち見えてこない。
主人公のコンラッドも、危険を承知で、帰還よりも隊員の優先してしまう。
キャラクターがもう少しきちんと描かれていればなお良かったに違いない。
私は個人的にこの正月に「イース8」で遊んでいた。
そのこともあって、世界観がどこかしら通じるものがあると感じていた。
だから、すこし評価は高めかもしれない。
キャラクターの描き分けよりも、いつダーナが登場するのか、そればかりが気になったが出てこなかったようだ。
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