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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

「言葉の力 ヴァイツゼッカー演説集」

2018-11-17 08:01:38 | 読書のススメ
★ネタバレなし★

鷲田清一が新聞で紹介していたのを見て、「こいつはこんな本も読んでいるのか」と思って購入した本。
こちらもずいぶん長い間我が家の積ん読になっていた。

統合前後のドイツの大統領で、文字通り演説集となっている。
時代背景を教科書レベルでしか知らない私は、すでに統合してずいぶん経つ西ドイツと東ドイツとの軋轢や葛藤のようなものを肌で感じたことはなかった。
だから、この本を読んでも、「共感」というよりは「知識」として理性で読むことになった。

彼も話していたが、ドイツと日本はよく似た歴史的背景を持ち、しかし全く違うといってよい現代史をたどってきた。
ベルリンの壁崩壊が、ほとんど政治に興味のなかった両親さえ話題にしていたことを私はおぼろげながら覚えている。
そういう複雑な国のリーダーがこれほど真摯に語ることができる人間であることが、やはりすごいと思う。

もちろん言葉の上で美辞麗句を語るだけではだめなわけだが、それでも言葉の上だけでもこれほど「語る」ことができるのはやはり日本の政治家にはない。
私たちは政治家をどのような目で見つめるのだろう。

政治という文化がまだまだ成熟していない私たちにとって、語ることの大切さ、訴えることの情熱の不可欠さを知るべきかもしれないl。
日本の政治家たちが話す言葉で、印象に残っている人は少ない。
SNSや票集め、パーティー券の宣伝よりも、有権者への握手よりも、私たちは語ることができる政治家を支持したいものだ。


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