★ネタバレなし★
言わずもがな、芥川賞作家で、医者の南木佳士の短編集。
表題作が芥川賞を受賞した。
「医学生」と同時に購入していたが、さまざまな複雑な事情が絡んで、ようやく積ん読から解放された。
医者であることが作者の土台になっているので、当然題材は医者や医療に関するところだ。
今では超エリートか、超お金持ちしか医者になれない傾向にあるが、彼が医者になった頃にはもっと多様な人間が医者になっていたようだ。
短編から中編の作品の中には、その葛藤や矛盾が描かれている。
よくある医療ドラマのような説教臭さはまるでない。
むしろ一人の人間としてどのように命に関わるのか、理想と現実の軋轢にどう折り合いをつけていくのか。
その危ういバランスの中で生きていることが上手く描かれている。
私が好きなのは「ダイヤモンドダスト」よりも「冬の順応」かな。
生き死にが当たり前に繰り広げられる医療現場に於いて、「きれいごと」や「倫理観」はすぐにそこを尽きてしまう。
その中でも、自然や肌感覚というのを失わずに生きられるかが、重要なのだろう。
コンクリートのビルに囲まれて、パソコンに向かって仕事をするような現代人にとって、生きることの根っこにある部分を思い出させるような作品だ。
言わずもがな、芥川賞作家で、医者の南木佳士の短編集。
表題作が芥川賞を受賞した。
「医学生」と同時に購入していたが、さまざまな複雑な事情が絡んで、ようやく積ん読から解放された。
医者であることが作者の土台になっているので、当然題材は医者や医療に関するところだ。
今では超エリートか、超お金持ちしか医者になれない傾向にあるが、彼が医者になった頃にはもっと多様な人間が医者になっていたようだ。
短編から中編の作品の中には、その葛藤や矛盾が描かれている。
よくある医療ドラマのような説教臭さはまるでない。
むしろ一人の人間としてどのように命に関わるのか、理想と現実の軋轢にどう折り合いをつけていくのか。
その危ういバランスの中で生きていることが上手く描かれている。
私が好きなのは「ダイヤモンドダスト」よりも「冬の順応」かな。
生き死にが当たり前に繰り広げられる医療現場に於いて、「きれいごと」や「倫理観」はすぐにそこを尽きてしまう。
その中でも、自然や肌感覚というのを失わずに生きられるかが、重要なのだろう。
コンクリートのビルに囲まれて、パソコンに向かって仕事をするような現代人にとって、生きることの根っこにある部分を思い出させるような作品だ。
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